拉致問題について、先般、家族会の皆さんが集会を行い、高市首相も出席されました

 既に北朝鮮が拉致を認めて四半世紀になりますが、全く改善する向きはありません。

 そういった中、本日以下のニュースが流れました。

 

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■ 外交担った北朝鮮ナンバー2 金永南・前最高人民会議常任委員長〔評伝〕 ■

配信

 

 金日成主席時代から北朝鮮の3代の指導者に仕え、一貫して党や政府の外交畑を歩いた外交のベテランだった。  

 

 国際会議出席や外国要人との会談も数多くこなし、北朝鮮の「ナンバー2」として対外的な国家元首の役目を担った。ただ、2019年に91歳で公職を引退してからは表舞台に出ることはなかった。

 

  故金日成主席の外遊にたびたび随行したほか、外国訪問が複数回の中国、ロシアにとどまった故金正日総書記に代わって主要な対外活動を担った。

 

  1994年に死去した金日成氏の追悼大会では追悼の辞を述べるなど、最高指導者の最側近と目された。98年の最高人民会議で同会議常任委員長に就任し、名実ともにナンバー2となり、以降、21年にわたって同委員長を務めた。

 

  2002年に小泉純一郎首相(当時)が初めて訪朝した際には、平壌の空港で出迎えた。繰り返し訪朝した元プロレスラーの故アントニオ猪木氏とも面会するなど、日朝間の対話にも関与した。

 

  また、18年の平昌冬季五輪では北朝鮮代表団長として韓国を訪問し、安倍晋三首相(当時)とも言葉を交わした。安倍氏は拉致、核・ミサイル問題の解決を求め、「日本の意思を金正恩氏に伝えてほしい」と話したことを明かしている。ただ、金一族の独裁体制が続く北朝鮮で権力は限られ、儀礼的な役割にとどまっていた。(ソウル時事)。 

外交担った北朝鮮ナンバー2 金永南・前最高人民会議常任委員長〔評伝〕(時事通信) - Yahoo!ニュース

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  拉致問題で重要になるのは、交渉ですが、交渉がおこなわれればなんとかなるわけではありません。「誰と交渉するか」が最も大事なことです。

 日本が従来交渉を続けてきたのは宋 日昊(ソン・イルホ)という何の権限もない小物外交官でした。

 北朝鮮と交渉するためには対中か対米を担当している人間のみであり、それ以外の人間は全く権限を持たず、意味もありません。

 かつては金正日に近しい人間、現在は金正恩と話ができる人間と交渉しない限り全く無意味なことです。

 

 2010年頃までは姜錫柱(カン・ソクチュ 1939年生 2016年76歳で没)か金桂冠(キム・ゲグァン 1943年生)と交渉しない限り全く意味がない状況で、現在であれば最低でも崔善姫(チェ・ソニ 1964年生)外相です。

 

 金永南が亡くなったのはいつのことかはわかりませんが、日朝協議を行ってきた証人が次々に亡くなり、高齢になっていく拉致被害者だけが取り残された状況になりました。

 

 日本として日朝交渉の門戸を開き続けない限りは、北朝鮮に対してもそうですが、「日本国民を守る」象徴として家族会にも姿勢を見せなくてはなりません。

 

 既に正規にできる北朝鮮への制裁はすべてやってきたのは事実で、それでも北朝鮮が生き延びているのはロシアと中国がいるからです。

 ここからの支援を断たない限りは北朝鮮を本当の意味で干し上げるのは困難で決定打を打つことはできません。

 

 かねてから僕は示していますが、北朝鮮というよりも金正恩は拉致問題を解決する意欲は全くないと考えています。

 この事件は父である金正日が起こしたものであり、自分とは全く関係ないということに加え、解決する過程で人権問題を世界から非難を浴びる格好になり、金正恩にとって痛くない腹を探られることになります。

 また解決させても得られるものはないし、拉致被害者を開放することで、北朝鮮の内部情報(とりわけ公安の情報)が流れることはなんの得策にもなりません。

 

 1兆円だろうが10兆円だろうが支援を受けても天秤にかけた時、全く得になることがないと考えているので、拉致事件の交渉にのるための動機付けにはならないということです。

 

 僕の考える解決策はもう交渉では無理という結論です。

 武力あるいは、それに近い形のもので金正恩を締め上げる方法がない限り解決が不可能です。

 

 一方で、彼は非情な性格をしており、藤本健一氏の子どもを彼が日本に逃亡(?)し、帰国直前に殺害した可能性があります。藤本氏が帰国する寸前に亡くなったのは事実です。金正日が正恩を後継者に選んだのはこの非情さを有していたからだとも言われています。叔父の張 成沢(チャン・ソンテク)も2013年に殺害しています。

 

 仮に日本が武力行動を示そうものなら、拉致被害者を殺害することもありうえることも考えられるということです。

  金正恩が恐れたのは、ビン・ラディンやサダム・フセインが殺害されたような、米国からの秘密の攻撃あるいは内部協力者の協力による拘束されての殺害であると思われます。

 

 拉致問題は国家の崩壊あるい「一人の指導者」の拘束・殺害といった現体制の崩壊以外は解決できないと考えるべきです。

 一時、家族会からも北朝鮮に膨大な餌をまく(支援する)こともやむなしという言葉も出ましたが、今はその言葉もありません。

 拉致被害者の皆さんの本心はわかりませんが、家族会も明確な方法論を提案できないのかもしれません。

 

 NHK新シリーズの「未解決事件」という番組の第1回は拉致問題でしたが、日本警察は早い段階で拉致問題を把握していたことが明らかになりました。

 1987年11月に大韓航空機爆破事件が起こり、金賢姫と金勝一の実行が明らかになり、金賢姫(キム・ヒョンヒ)が李恩恵(リ・ウネ)_田口八重子さん 情報を捕捉されています。

 ネックになったのが自民党の金丸信氏と社会党の田辺誠氏が訪朝(1990年)するため、「事柄が握りつぶされた」 ということです。

 

 金正男が偽造旅券による来日で拘束されたのが2001年5月でした。

 小泉純一郎氏の訪朝は2004年5月です。

 

 起点は2004年でしたが、本当の起点は1990年でした。この時点で拉致は把握されていました。

 

 今にして思えば、やはり金正男(金正日の長男)の対応でした。日本政府がきちんと情報を共有化していなかったのかということです。当時小池百合子氏(現東京都知事)が「彼を日本から出すな」と言っていましたが、田中真紀子外務大臣(当時)が「テポドンが飛んで来たらどうするのよ」(と言ったのかどうかは別として)あっさりとおkぅり返してしまいました。

 

 当時は万景峰号にも金正日が乗船したことがあったとも言われていて、隠密に東京赤坂にもお忍びで下船していたという情報まであります(引田天功さんのマジックを見たらしい)。東京まではわかりませんが、金正男が成田空港に来たぐらいですから、彼が新潟までは来ていたことを否定できないと思います。

 

 金正男を人質にして交渉することはあり得たと思います。当時は小泉内閣で4月26日に就任し、正男が来たのは5月1日だったので拘束することを検討する準備はできていなかったのは確かですが、拉致被害者と交換する可能性はあったでしょうね。

 ただ、拉致被害の規模が全く分かっていなかった(曽我ひとみさんの存在すら当時はわからなかった)ので田口八重子さんプラスアルファとの交渉だったかもしれません。

 

 日本が行うべきことは、金ファミリーに誰がいるかを米国とともに徹底的に調べ上げることをすることです。

 金 主愛(キム・ジュエ)_金正恩の娘 が注目されていますが、僕は彼女が北朝鮮の次の指導者になることは100%ないと思います。

 彼女を指導者の後継者のように表に出しているのは単なる囮(おとり)だと思っています。

 

 理由は息子を有しているが、彼女を出すことによりマークがつかないということです。

 金正恩がよくやる手は、ミサイルでもそうですが、私たちの裏をつくことをよくやります。

 そして自分がスイス留学により「外で学んだ」ことをきっと後継者にもさせると考えるはずです。「井の中の蛙」では絶対に将来の北朝鮮は統治できないと考えるはずです。

 

 金正恩には息子がおり、海外留学させていると思います。

 可能性はヨーロッパ(西側、スイス以外)以外はインドネシア、シンガポ-ルあるいは軍事支援をしている中東までで、南米は米国が近くて保護できないためないですね。

 大使館員の子息として出ている可能性があります。

 

 これらを捕捉する努力を日本はしているでしょうか。

 金正男のDNA情報を保管できていれば細かい調査を続ければ可能です。

 ただ、先の中国訪問時も金正恩の使用したコップ、食器、持ち物(大小便までは不明)まで北朝鮮は回収したと言われており、正恩の子どもを特定されそうなものは回収されているかもしれません。

 

 本当は正恩の息子を特定し、拘束する方法が取れれば本当の意味で交渉できると思います。言い方は悪いですが特定ができれば、誘拐してでも交渉したいぐらいです。

 ミサイルが飛んでくる、戦争になると田中真紀子的発想であれば拉致問題は絶対に解決できません。覚悟を持って解決するという意志がなければあきらめることになるでしょうね。