１１月２３日(土・祝) １４時開演 兵庫県立芸術文化センター
バートウィスル/サイモンへの贈り物2018
マーラー/交響曲第７番ホ短調「夜の歌」
指揮：サー・サイモン・ラトル
演奏：バイエルン放送交響楽団
今回事情があり、東京ではなく兵庫の演奏会に来ました。ＮＨＫホールといったクズホールでは絶対聞きたくなかったので、愛知と兵庫を天秤にかけ兵庫にしました。なんでＮＨＫ音楽祭としてやるのでしょうか。サントリーホールならここで聴いたのですけどね。
マーラーの交響曲第7番をラトルが演目として取り上げてくれるなんて夢のような話でした。
この曲は３番、９番と合わせて僕がマーラーで最も好きな曲です
今年は沼尻さん=神奈川フィル、バッティストーニ=東京フィルに続きラトル=バイエルン放送交響楽団と３回も実演で聞くことができるなんてとても幸せなことです。
マーラーの交響曲でも第８番を除いて実演が最も少ない１曲です。それでも長らくコンサート通いをしているおかげで１０回以上聞かせてもらっています。
但し、傷のない演奏には巡り合えません。２０１３年にインバルと都響がやってくれたものと翌年シャイーがゲヴァントハウス管弦楽団とやってくれたものが最も質の高いものだったように記憶しています。
パーヴォがＮ響とやったものも優れていたと思いますが今となっては記憶が薄れてしまいました。
金管のミスがほとんどなかったのは先般オーチャード・ホールにおいてバッティストーニが東京フィルを演奏したものでしたが、やはり弦の音が十分に出し切れてなくて惜しかったです。奏者の皆さんは一生懸命弓を使用していましたが、木管、金管とのバランスを欠いていたように思います。
この７番なのですが、テンシュテットとラトルはこの曲をとても評価しています。先般の演奏会に接したときバッティストーニもこの曲が一番お気に入りと記載していました。
５楽章構成で、本当に金管泣かせの曲です。
しかし、１楽章は本当に美しい曲です。ドタバタの第５楽章が最も観客受けをするのでしょうけど、僕はマーラーの交響曲で第３番の第１楽章とこの第７番の第１楽章が最も好きです。マーラーの旋律の妙だけでなく、いろんな要素をふんだんに盛り込んでいるように思います。
ラトルはバイエルン放送教協楽団をずっと笑みを浮かべながら指揮していました。
この７番をにこやかに指揮している指揮者をはじめて見ました。
非常に困難なのでしょうけど、バーミンガム時代から得意にされているらしく余裕をもちながら演奏していました。
このオーケストラもクーベリックとも全集を録音しており、マーラーを得意としているオーケストラの一つだということは間違いないでしょうね。
２８日にＮＨＫ音楽祭、２９日には愛知でやりますが、マーラーファンにはとにかく今回の演奏は一聴の価値があります。
音楽のバランスは抜群です。金管は気づいただけで１楽章が５か所、２楽章で１か所（冒頭ホルンの裏で吹く箇所_ここってどのオーケストラも必ずミスりますよね）、第５楽章で１か所と、結構ミスっていましたがそれでも音楽的に密度が高かったです。
弦が絶妙に渋く、美しかったです。
実演で完璧に演奏しなくても許される曲なのかもしれません。
ラトルもこのようなミスに対してにこやかにしていました。ジョージ・セルならきっと演奏者を陰湿ににらみつけるのでしょうけど。
今回オーケストラの中でコントラバスの頑張りようが半端なかったです。低音がとても大事な音楽ですが、パフォーマンスもすごくごりごりに演奏しており、ラトルは終演後、ホルンのトップ奏者の後にコントラバスのトップのところまで歩いていき皆さんを立たせていました。
このような演奏が聴けて大変に幸せでした。
２９日のチケットは完売していないようですが是非演奏会に行かれることをお勧めします。
なお、この日はサイン会があり、マーラーの７番（１１月初旬にバイエルンでライブ録音したものを発売しており、発売にあたり「世界で初めて販売します」とホール内で宣伝していました）のＣＤが２，７００円で発売しており、数百人観客が購入し、演奏会後サイン会に並んでいました。
僕もラトルのサインが欲しかったので早々に購入してサイン会にはせ参じました。
ＮＨＫホールでもサイン会はやるのでしょうかね？
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