「強制徴用弁済」に被害者反発…韓国外交部「まだ決まったものはない」(記事)

中央日報 12月27日付け

 

 日帝強制徴用被害者が26日、「最近政府から、韓国企業が出した寄付金で被害者に賠償金を返済する有力な案を通知された」と明らかにしたことに対し、外交部当局者は「事実と違って解決方案はまだ決まっていない」と述べた。また、日本企業の財源参加や謝罪など「誠意ある措置」を日本側に繰り返し要求していると説明した。
 韓国外交部の徐旻廷(ソ・ミンジョン)アジア太平洋局長と日本外務省の船越健裕アジア大洋州局長はこの日、東京の外務省で局長級協議を持った。徐局長は協議を終えた後、記者団に「強制徴用賠償問題を集中的に議論した」としながら「我々の立場を説明して(被告企業の)謝罪や寄与など日本側の呼応を促した」と述べた。

 これに先立ち、この日午後、強制徴用被害者側法律代理人団と支援団体はソウルと光州(クァンジュ)で同時に記者会見を開いて「先週外交部側から強制動員問題に対する韓国政府の有力な案を聴取した」とし「日帝強制動員被害者支援財団が韓国企業の寄付で財源を用意し、確定判決を受けた被害者に返済するという内容」と伝えた。

 被害者側はこの法案に対して「強く反対する」とし「三菱重工業や日本製鉄のような日本被告企業の謝罪や出捐がないだけでなく、日本の他の企業の出捐さえない、文字どおり日本を免責させる方案」と批判した。
 外交部当局者はこれに対して「(韓国企業に寄付を受けた財源だけで賠償するという)方案は決定されたものがない」と反論した。続いて「我々が解決法を発表すれば日本側でも誠意ある呼応措置がある」としながら日本企業の財源参加と謝罪、2つすべてを置いて日本と協議していると話した。

◇被告企業参加を巡り協議難航
 韓日両国はこれまで議論を通じて行政安全部傘下の日帝強制動員被害者支援財団が韓日企業など民間から寄付金を受けて財源を作り、賠償訴訟の被告である日本企業の代わりに原告(徴用被害者)に賠償金を支給する方向で、大筋で合意したという。
 韓国政府はこの過程で日本被告企業の謝罪と財源造成参加などが必須だという立場だ。しかし「1965年韓日請求権協定で徴用賠償問題は解決済み」という立場を守ってきた日本は被告企業が財源造成に参加する場合、事実上の大法院(最高裁)判決履行になるとして難色を示している。

 これまで被害者側は日本被告企業の直接賠償ではなく、第三者が判決を代わりに履行する方法を取ってもこのための財源造成には被告企業が参加しなければならず、日本企業または政府の謝罪もまた必要だという立場を繰り返し明らかにしてきた。
外交部当局者は「協議過程で被害者の方々と引き続き疎通していく」とし「政府案を発表した後に政府がどのように取り組んできて、十分ではないかもしれないがこの程度の解決法が出てきたということを原告と訴訟代理人一人一人に説明して理解と同意を求めたい」と話した。 
 一方、日帝強制動員被害者支援財団が被害者に対する弁済を代わりに遂行するための定款変更を推進中であることが分かり、韓国政府が構想する解決法が事実上輪郭を整えたのではないかという観測も出ている。
財団は定款内の「目的事業」に「日帝国外強制動員被害者および遺族に対する補償および弁済」という文面を追加する方向で定款を変えている。財団側は定款変更が外交部の要請に従ったものではなく、財団が大法院の賠償確定判決履行主体として有力に議論されるに従って事前準備をするためのものだと説明した。

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元徴用工訴訟で原告側「議論する価値すらない」…日本企業の「賠償」肩代わり案に反発(記事)

読売新聞 12月27日付け

 

【ソウル=中川孝之】韓国政府が元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟問題の解決に向け、原告側に「有力案」とする解決策を示したのは、被告の日本企業の資金拠出が難しいことについて、原告側の理解を求めるためだとみられる。韓国世論が敏感な日本との歴史問題だけに反発が広がる可能性もあり、尹錫悦(ユンソンニョル)政権が最終的な解決策を発表するまでなお時間を要しそうだ。

 韓国外交省が原告側に20日に示した案は、元徴用工や遺族への支援事業のため2014年に設立された「日帝強制動員被害者支援財団」が、韓国企業の拠出をもとに、被告の三菱重工業や日本製鉄の代わりに、賠償金に相当する金額を原告に支払う仕組みだ。

 財団では21日の理事会で定款の改正が協議された。関係者によれば、定款には元徴用工らに「補償および弁済」を行うとの項目を追加する方針が固まった。賠償金の肩代わりを念頭に置いた措置だという。

 財団による肩代わり案は、7~9月に計4回開かれた官民協議会で浮上した。原告側では日本企業の資産の「現金化」を求める意見も強いが、「被告の日本企業の参加」や「日本政府の謝罪」などを条件に同意するとの声も出た。

 これを受け、韓国政府は日本の外務当局との協議で「誠意ある呼応」が必要として、被告の日本企業が何らかの形で資金を拠出することを求めた。しかし、日本政府はそもそも、1965年の日韓請求権・経済協力協定に基づき、問題は解決済みとの立場だ。日本企業側も参加に否定的で、韓国政府内では「日本企業の参加は困難」との見方に傾きつつある。

 原告の弁護士によると、韓国外交省の担当者は「これ以上、被告の日本企業の参加などを求めても進展はなさそうだ」と説明した。先に韓国企業の拠出で肩代わりを進め、「後に(被告以外の)日本企業の自発的な寄付などが期待できる」との見解も示したという。

 弁護士は記者会見で「賠償責任がある被告企業が含まれておらず、論議する価値すらない」と反発した。

日本政府は、対日関係の改善に意欲的な尹政権の立場を前向きに受け止めている。一方、外務省幹部は「韓国の法体系で本当に実現可能なのかという技術的な問題とともに、韓国世論の許容性をよく検討する必要がある」と指摘する。

 慰安婦問題を巡る2015年12月の日韓合意が元慰安婦や韓国世論の反発を受け、事実上白紙化に追い込まれた経緯もあり、日本側は慎重にならざるを得ない。日本政府は、元徴用工ら原告側や韓国世論の動向を見極めつつ、韓国政府との協議を進展させたい考えだ。

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 徴用工問題については約1か月前に韓国側から「解決案がかなり絞られた」という情報が出てきました。

推測するに、「財団により基金を入れそこが代位弁済する」という点は日韓で共通認識になり、これに①日本側企業が寄付する

かということと、②日本側(日本企業または日本政府)が謝罪することが協議事項になったと考えれば良いのかなということでしょうか。

 

 日本側としては前政権までは「解決済みの問題」として片付け、韓国側が解決策を持ってこない限り交渉もないの一点張りでしたが、これは北朝鮮に操られた文政権だったということで当然の措置だったでしょう。

尹(ユン)政権になっても基本的には同じ対応で良いのですが、韓国民の韓国政府の突き上げは相当なもので、また韓国政府は事柄を一つずつ片付けて物事を解決する資質がなく、韓国民向けアピールの中で「日本と交渉している」という苦し紛れのアリバイ作りと交渉そのものがが韓国にとって困難と理解しながら、韓国世論だけでなく、あわよくば世界世論で自分たちに有利に事柄が動くきっかけ待ちをする展開を期待し、新たな交渉を日本に求めています。

 

 12月上旬までは「日本側企業も寄付に参加する」という気球をしきりに上げ、日本側左翼報道機関のアシストを期待していましたが、この問題については日韓基本条約のどこの文面を読んでも日本側の新たな負担を求めることができないということは、文章をまともに理解できる人が読解すれば答えは1つしかないことは自明の理です。

 しかしながら、韓国側には「被害者ファクター」という韓国側が言うところの「絶対カード」を有しており、このカードには日本側は法や条約を超越した行動規範がある言いぶりです。

 

 日本側が一貫しているのは「日韓基本条約を締結しているが、そこで日本側は個人補償を提案した。しかしながら韓国側は個人補償を拒否し、全額を経済発展に活用し、個別補償は『韓国側が責任をもって実施する』としており、『個人請求権を含め最終的かつ完全に解決する』」としているのだから新たな請求がされる根拠がないとしているところです。

 90年代日本のある外務事務次官が「個人請求権は存在する」としていますが、韓国側は勝手に「日本側が支払う『個人請求権』としていますが、これは韓国側が責任をもって実施する『個人請求権』が残っていると理解するべきなのではないでしょうか。

 これに対して、韓国大法院判決は、単にこの個人請求権の所在(日本か韓国か)以前に、「日韓併合そのものが不法行為であり、そこで徴用された者への『損害賠償』」としての位置づけにしてしまったということです。

 「日韓併合」が正当性はまさに日韓基本条約締結のために一番問題になったものであり、玉虫色にして解決した過程が有り、日本は締結させるために経済協力金のかさ上げ下経過があり、仮に「日韓併合」の不当を前提とした際は、新たな請求が生じることにもなり、徴用工問題だけではない請求裁判の可能性が出てくると言うことです。

 

 この問題になると、韓国側の司法が一方的な判断をする事柄ではなく、日韓外交間で処理する問題で有り、それを日韓基本条約で10年以上かけて落としどころを見いだしたわけであり、韓国司法が判断してはいけなかったところにあえて一方的な韓国の言い分で判決したということで、これを正当とするならば、日韓併合の中で新たな『損害賠償請求』の道が開かれるということになります。

 ここで課題になるのは、韓国司法が決定する当事者として認めた場合、韓国側に残した「日本が放棄した莫大な資産」は無視される中で『近代の人権の考え方』で判断が下されるということです。

 韓国人たちは決して日本政府に請求するのではなく、収奪しやすい日本企業に向けて実施してくると予想されます。

 そのためにも、今回の徴用工問題の処理は日本にとって大事なことになります。

 

 韓国政府が財団による代位弁済に向かった場合、さらに問題になるのが「損害賠償」を支払う対象者の選別です。

 裁判の過程で裁判官が一人ずつ「徴用工」だと論理的に認定したとは思えないということです。徴用工と称する人たちの証言が正しいと前提した中で判決を下しています。

 日本で労働した人間を種別すると①応募工、②徴用工、③応募工と徴用工を両方行った者の3種あると考えるのが相当です。

 韓国大法院は当時の情勢を考えると、多分②と③しかないであろうということで日本で働いた人間は必ず徴用工に該当するという考えのもとに判断していると思われますが、そうなるともう数は少なくなりましたが、1945年8月段階で日本に就労していた朝鮮半島出身者には一律支給される道が開かれることになりますし、現在訴訟している中には、亡くなった親が徴用工だったという人間まで参加しており、どこまでが損害賠償を受けられるかということになります。

 

 日本においては、先の大戦で継続的に支給されたものとしては戦争で戦死した遺族に対して遺族年金が支払われましたが、これはあくまでも戦死者等が対象であり、生存者には適用されていません。

 財団の基金制度になり、確実に支払われることがわかると、意地汚い韓国人たちは必ず「われも、われも」と請求を始めると思います。韓国政府は日本との交渉を行うのと平行して対象をきちんと整理しないといけないでしょう。ただ、無能な韓国政府と官僚は後手になると思いますどね。だって韓国人は創造力、想像力のない馬鹿国民ですから。

 韓国の原告側は、日本の謝罪を免除させることは、「日本に免罪符を与える」としていますが、日本が謝罪することでその対象者は「徴用工の偽物が本物」にロンダリングされることになります。

 日本が個別に謝罪することはないと思いますが、韓国側との交渉の中で「本物の徴用工と偽物の徴用工をきちんと種別できるのか?」という言葉は突きつけても良いと思います。少なくとも国民年金を支払っているから「徴用工確定」という韓国原告側の言い分は心底笑わせてもらえる事柄です。「偽徴用工」あるいは「なんちゃって徴用工」にとって日本の謝罪はは「日本のお墨付き徴用工」になるので、関係者にとっては死活問題です。日本政府が注視しなくてはならないのは、日本政府が偽物を認定するという行為を絶対に行わない解決方法を探ることです。慰安婦問題では、「強制」というのを断片的にでも認めてしまった経過があり、それが後々問題をひきずることになりましたから、絶対に『韓国がここまでやってくれたから』という気持ちを持たず冷徹な対応に努めなくてはなりません。

 

  原告側の次の一手は徴用工問題を論理的な手続きでなく、感情的側面に訴える「歴史問題」として韓国民の全体の気を引き、韓国政府が日本政府との交渉よりも、「韓国民の情緒」対策にすることは間違いないです。

 北朝鮮流の戦い方そのものです。