とうとうこの日が来てしまったかと心が塞がれてしまいました。
横田滋さんは奥様の横田早紀江とともに拉致被害における象徴であったことは間違いない事実です。
非常にマスコミにも露出され、柔和な表情をされながらも、同じ言葉でずっと拉致問題の非情さを語り続けていました。1977年11月15日に神隠しのようにめぐみさんを奪われてから43年間、再開を果たせず亡くなられた無念さはいかばかりだったでしょうか。半生を結局被害を訴え続けることに費やされてしまいました。
拉致問題は2002年の日朝会談が行われてから本格的にせめぎあいが行われましたが、金正恩政権以降、一時期の盛り上がりはあったが、近年は全く話題に上がらなくなってしまいました。
金正日時代は少なくとも金銭的、物質的に朝鮮総連あるいはそれらとつながりのある企業や団体のおかげで、日本から北朝鮮に移送されていました。ところが往来の象徴である万景峰号の往来停止を含め次から次へと日本側の制裁が加わり、当初は打撃を受けていたがそれにも慣れてしまい、金正恩政権時代は「ないことが普通」になり、得られればラッキーぐらいにしか思わなくなったのではないでしょうか。中国経済が飛躍的に伸びたせいで、大方の必需品は中国から入り日本の位置づけも大幅に落ちたため、無理に日本を交渉相手にする必要がなくなったということです。
いまだに宋日昊(ソン・イルホ)のような影響力のない骨董品が対日国交正常化交渉大使でいるようなので、全く日朝間が動く気配すらなくなってしまいました。
金正恩は日朝交渉を動かす気が全くないのでしょう。
日本側は米国との親密さを背景に北朝鮮交渉に臨もうとしていますが、北朝鮮が米国と直接交渉したことから、日本の利用価値は全くなくなったということです。それは南北交渉で韓国がまるで相手にしていないのと同じ考えに属しているということです。
米朝交渉が進めば、日朝交渉は自然と進むし、米朝関係が前に進まなければいくら努力しても日朝関係は前に進まないことを学習してしまったということです。さらに北朝鮮の中に日本交渉の専門家がまるでいなくなったとも言えます。
その結果、日本との関係ではなんの利益も受けられず、拉致被害者は北朝鮮にとってなんの旨味もない状況にあります。
さらに強硬でならす安倍政権下では絶対に本格交渉に応じないという意識が金正恩にあるといえます。韓国もそうですが朝鮮民族の多くが安倍晋三アレルギーにあり、彼に絶対功績を与えないという意識があると考えていいでしょう。
日本が求める交渉を仮に行いたいとしたら、日本は2つの方法しかないと思います。
1つ目は軍事行動を起こされ、北朝鮮を壊滅的にする行動を起こす恐れが日本にあること、もう一つは日本の号令で対中貿易、対南防疫が完全に閉ざされ、本当に物資が入らなくなる恐れがあること。
これらの事柄を起こすことはいずれも現在の日本には不可能だということです。
その結果、いくら北朝鮮と交渉したくても手も足も出せない状況にあるということです。
劇的に拉致問題を改善させるんはひとつしかありません。北朝鮮を崩壊させる以外、拉致被害者を取り返すしかありません。朝日新聞や東京新聞など頭の構造が全くおかしいマスコミが「交渉により、信頼関係をもって~」などという能天気なことを述べますが、韓国、北朝鮮のような朝鮮民族に「信頼関係」という単語を有する辞書はどこにもありません。とりわけ、日本に劣等感を持ち、世界で最も許せない国にどうやって泡を吹かしてやろうかとしか管げない相手と話し合いが通じるわけはありません。
北朝鮮は拉致を認めた段階で日朝正常化が行われ、大規模な賠償を受け、将来も潤沢な支援が受け続けるはずだったのを「日本が騙し、北朝鮮に逆切れしている」ぐらいにしか思っていません。
日本人が考える人権の考えもなければ、正義の定義も異なります。狂った国家を壊さない限り拉致被害者は絶対に帰ってきません。
では、北朝鮮を崩壊させればそれで済むかというとそうもいかないでしょう。崩壊の過程で日本の拉致被害者の一部が殺害されてしまう可能性があるということです。
朝鮮半島の人間の考えの中に、慰安婦問題でも語られる話で、日本軍が敗戦時に口封じのために従軍慰安婦を徹底的に殺害したということがあり、そのことをまじめに日本側に糾弾してくるということです。731部隊は確かに隠ぺいした事柄多くありますが、従軍慰安婦の中には朝鮮半島出身者は一部であり、多くは日本本土出身者でもあることから、沖縄での出来事とは異なる状況です。
彼らの発想は、彼ら独特の発想があり、拉致被害者の言葉で生き残った北朝鮮の拉致実行者が、その後大きな罰則を受ける可能性があることから、亡き者にされる可能性があるということです。
金正恩の頭の中は、拉致被害者が死んでしまうのを待つことです。一番下の層はめぐみさんが現在、56歳ぐらいですし、90年代まで拉致があったということでこの頃が20代としても現在40代でしょうか。最盛期は1970年代に20代~30代の人々なので大部分の人は70代になっています。実際に北朝鮮の食事、医療を考えるとかなりの被害者は既に他界しているでしょう。日本人妻の年の取り方を見ても、日本のように若く過ごしている人はいないでしょう。
拉致被害者の多くが残念ながら痩せこけ、黒ずみしわの多い顔になっていると思われます。
日本政府には拉致被害者を助け出す覚悟がありません。正論の外交だけでなんとかしようという意識がありません。本気なら北朝鮮が日本にしてきたことを逆にしたように朝鮮総連に頑強なスパイを入れ込んで北朝鮮国内を偵察するぐらいのことをしないといけないでしょう。
拉致被害者がどこにいるかも全くわかっていない状況でなんの交渉ができるのでしょうか。
日韓基本条約を無視された韓国にも「国際法違反」だとワーワー言って何もできない情けない状況にあるのが現在の日本です。 国家主権を侵されても今の日本は何もできないのが現実です。
日本に帰国した被害者5人と曽我さんや蓮池さんの家族以外の拉致被害者は取り戻せず、歴史に大汚点を残すしかないでしょう。とても悲しい・・・