廉価版の安達製作所製D51標準型(No.1001)を中古で購入してしまいました。
衝動買いで、欲しくてたまらない、ということではないので、手に入れた気分は微妙です。(また、出費してしまった↓)
箱から出して広げてみると、「最小限のディテール表現で、まとまりのあるスタイル」です。
機体に歪みや隙間がなく(安価なモデルに時々みられる煙除板とシリンダーブロックの間の隙間など一切ありません。)、また、合理的な設計姿勢は中途半端でなく、徹底的にコストダウンを追求していることが好ましい!と思いました。
今まで何度となく見ていたはずなのに、近頃やたらとスッキリした模型志向にある自分にとって、「このアダチのポリシーはもっと評価されてもよいはず」だと、新鮮な気持ちになりました。
今回ご紹介するのは、箱入りの中古品で組立説明書付きでした。
説明書を読むと、その内容は未塗装キットの説明になっていますが、塗装の状況から明らかに、本体の方はメーカー塗装済み製品です。
アダチ製品に高評価を付けたいと思ったところは、ボイラー、キャブの本体から受けた印象です。
「しっかりと精度の取れた製品」であれば、4軸全てが歪みなく接地し滑らかに走ります。
軸箱非可動で全然OK!であり、「軸箱可動」高級神話を見直しても良いのではないかと思いました。
「軸箱可動」にすると、バネの効きの調整が難しく、ランボードの水平を保つのに狂いが生じやすいということもありますし。
ところが、テンダーの方は色調が違い、剥がれも多く、もかしたら本体とは別の未塗装キットを前オーナーが塗装したものかもしれません。
こうした本体の評価に比して、テンダーの方はいただけません。
後部妻板に付くハシゴがプレス表現であるのは、安っぽく、ハシゴのない方がよほどスッキリして良いと思います。
しかも、今回扱っている個体は、プレスのせいで妻板に歪みもあります。
そうした歪みが少しでも目立たないようにと、テンダーに前照灯と標識灯、それに解放テコを取り付けてみました。
前照灯は、ウィストジャパンのNo.2640、前照灯座テンダー用にエコーモデルのNo.2618、100W前照灯(ロスト製)です。
標識灯の方は、エコーモデル、No.1006、埋込式です。
解放テコは真鍮丸線、φ0.5を折り曲げたものを安達製作所のS105でテンダー妻板にハンダどめしています。
妻板左のハシゴは、プレスの膨らみをヤスリで削りハンダでフラットな平面になるようにして真鍮丸線をカットしたものをベタ付しました。
妻板に歪みもあります。
それでも、やはり、波打ったものは、どうにも隠すことはできません。
それから、テンダーは、真鍮板とダイカスト素材のパーツの組み合わせになっていますが、ダイカストの厚みが気になるので、前部の石炭取出し口の上部を0.6ミリ厚の真鍮板で作り直しました。
これ自体は悪くないのですか、工作が雑だったせいで、側面に膨らみが生じてしまいました。
塗装をした後に目立つので気になりましたが、塗装を剥がしてやり直す気にはならず、そのままにしています。
塗装は、ミッチャクロンマルチの下塗りに、クレオスのNo.92、セミグロスブラックの吹付です。
本体と艶の状態はあまり違わないのですが、黒の色調に違いがあります。
上手く表現できないのですが、オリジナルのアダチの塗装では、いぶし銀的な鈍い光を放っているのに対して、クレオスの黒は、黒炭ようなどこまでも黒っぼい色です。
できれば、テンダーは、一から作り直したい、とあらためて思っています。