中村精密EF80が完成しました ①パンタ碍子台の修理 | 模工少年の心

FF80形交直両用電気機関車は、1965年に製造開始され、製造された65両は1985年までの20年間、一部の例外を除き常磐線を出ることなく黙々と働き続けました。

 

EF80の前に作られたのは試作型のED46と関門トンネル用のEF30、後継は大量生産され交直両用機の標準型となったEF81で、何となく常磐線沿線の他では影が薄い感もなくは無いですが、ED46形で採用された1台車2軸駆動のカルダン駆動方式を採用するなどの特徴から多くのファンに愛されてきたのも事実です。

 

私などは、交流電化区間を走る機関車は、屋上に白い碍子が賑やかに並ぶ姿であるからこそカッコいいという、単純な理由でEF80はお気に入りでした。

 

♯16では、天賞堂と夢屋、さらには近年カツミと、3社からほぼ完璧なEF80の模型が発売されましたが、その都度懐具合を考えて手を出すことなく過ごしてきました。


〈EF81、EF80、ED46の模型が並んで掲載され、スタイルの変化が見て取れます。(「日本と世界の鉄道模型カタログ'99」p47 成美堂出版発行 1999年2月11日)〉


ところが、2、3年前に中村精密製品のジャンクパーツが大量に出回ったことがあって、同社のEF80の上回りと床板のみを2両分も落札してしまいました。

 

そのうち、今回、塗装済み完成ボディー、大変状態の良い個体を完成させました。

床板もありますので、あとは足回りを何とかすれば完成に持ち込めます。(と言っても、それが難題なのですが)

 

それで、その、何とかした過程をご報告しようと考えたわけですが、下回り製作の作業に取り掛かる前にアクシデントが生じてしまいました。

 

このようなアクシデントです。

 

保管してあった紙箱から件のEF80のボディーを出して、「なかなか良い出来だわい」と眺めていた時に、ふと目線を下にすると、膝の上に白い碍子が一つ乗っかっているのが見つかりました。

 

嫌な予感がして、EF80の屋根上の配管の状態を確認したところ、案の定、碍子台の根元でパンタビスが折れていて、碍子の無いことを発見しました。

 

(写真下中央の碍子が取れています(´ω`))


キット組の工作中になどに、厚板に穴開けしていてドリルを折ってしまい、根本に埋まったままのドリルビットを抜き取ろうとしてもどうにもできない、という経験した方なら、そのときに受けるショックは解っていただけると思います。

 

ただ今回は、能動的に自分が何かしたわけでなく、箱を開けたら壊れていたため、自戒の念がありませんでした。

そのためか、間髪入れず元通りにしたいという気持ちがすぐに沸き起こり、いろいろ方策を考えました。

 

そのとき閃いたのは、虫歯の治療で歯科医を訪れた時に説明された、神経を取って人工の歯を被せるため、『土台をつくる』という言葉です。

 

初めに考えたのは、碍子の直径と同じ1.2ミリの真鍮丸棒の底に極小ワッシャをハンダ付けしたものを碍子台に接着するというものでした。


しかし、これではいかに薄くともワッシャの存在が目につき、元通りにはなりません。


そこで、外径1.2ミリ、内径1.0ミリの細密パイプを買ってきて、碍子よりも少し短くカットし、碍子台にハンダ付けしました。幸い碍子台が真鍮だったため、上手くいきました。

 

これが、まさに「土台」です。(ここまでの過程の画像があれば良かったのですが、撮り忘れたようです)

 

土台に薄く木工ボンドを塗って碍子をはめて、上からパンタビスの頭をカットしたものをエポキシボンドでとめ、いかにもビス留めしてあるような形状にすることができました。

 

そのような修理を施した形跡は、まったくみられません!


「年月が経過して、一部が破損してしまった大切な模型をなんとか修復して、元通りにできたら、喜ばれる方がいらっしゃるはず」と思って、ここまで、長々とした説明文になりました。

どなたかのお役に立てば幸いです。