ピアノを上達したいならまず二つの点に注意するべきです。


・弾いていて弾きにくいと感じていないか


・自分の出した音に表現の限界を感じていないか


まず弾きにくいと感じていた場合、弾き方というテクニックを改善することで上達できます。


音の表現に限界を感じるためには、まず、弾く以前に自分の音の表現イメージを磨かなくてはなりません。いろいろな演奏を聴いたり、ピアノに限らずオーケストラの様々な楽器の音から学ぶことが本当に重要です。


そこから、表現するためのテクニックを学ぶ必要が出てくるのです。


弾きにくいとも、表現の限界も感じていないとなると、何が悪いかも分からない状態です。客観的にアドヴァイスをしてもらう必要があります。


表現への欲求が高まってくれば、それをピアノで表現するためにどうしたら良いのか考えるようになるでしょう。


ただ弾けば表現など考えなくても様になる曲もありますが、クラシック音楽においては何も考えずに弾いても何も伝わらない曲がほとんどです。


それはどの作曲家も考えて曲を書いているからです。


私は作曲家の求めた表現の探究もせずに自己をひけらかすような演奏に魅力を感じません。音楽の本質を理解し作曲家の持つそれぞれの表現を見つけていくことが大切だと思っています。クラシック音楽はそれぞれの作曲家が秀でていて多種多様な世界です。生きている間にどれほどの作曲家の理解に追いつけるのか。


「簡単に分かった気になるな。」


これは私自身がいつも肝に銘じていることです。