妻は娘のことを「かわいく思えない」「かわいくなく見える」と繰り返すようになった。自分を鬱だと思うと度々訴える。
都会のマンションで起きた実母による幼児遺棄事件について、たびたび妻は「容疑者が育児放棄したくなる気持ちが分かる」とまで言い出すようになっていた。


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第9話 特定理由離職 - 裁判官、あなたは神様ではありません!! - カクヨム
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891493864/episodes/1177354054891737380

あわてて寝室に入ると、ベットでギャーギャー泣く娘の顔の前に、妻が人形を差し出していた。
「何してるの!」
つい大声を出た。
「寝かせるのに、この音楽に集中させなあかんのや!」
妻が叫んだ。


第8話 ぬいぐるみの大音楽会
裁判官、あなたは神様ではありません!!/神代崇司 - カクヨム

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891493864

妻と娘が戻って一か月後の夜、階段の上で目まいを起こして、床に倒れた。
「何してるんや!」階下から走ってきた妻は、怒鳴り声を上げた。
翌朝も妻の機嫌は変わらず、倒れた私を責めた。

「世話ができないなら、家を出ていけ」とののしる。

娘の顔を撫でながら、私は涙を流した。


第7話 椎骨脳底動脈循環不全症
裁判官、あなたは神様ではありません!!/神代崇司 - カクヨム
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891493864