日経ビジネスの特集記事 (1) 医師1200人、管理職7200人が選ぶあなたを救う病院 (3) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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このブログでは、主に(1)~(4)を扱っています。
(5)と(6)はそれぞれ別のタイトルで運営しています。

<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の
概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>



日経ビジネスの特集記事(1)

医師1200人、管理職7200人が選ぶあなたを救う病院 2013.4.1


前回は、総合ランキングベスト3をご紹介しました。

今回は、悪性脳腫瘍(グリオーマ)が見つかった
IT(情報技術)企業社長が、主治医との信頼関係
を築き、病魔と闘う姿をご紹介します。


悪性脳腫瘍にはⅠからⅣまでのグレードがあるそうです。
数値が増えるに従って重篤になります。


IT企業オーシャンブリッジの高山知朗(たかやま・のりあき)
社長は2年前、40歳の時に悪性脳腫瘍(グリオーマ)が見つ
かったそうです。


高山社長は2番目に悪性度が高いグレードⅢでした。
手術を受けた東京女子医科大学病院はグレードⅢの
5年間の生存率は約70%という高い実績を持っています。
Ⅳなら約19%です。


一般的にはグレードⅢの5年間の生存率は25%、Ⅳなら
7%しか生きられない、とされていますから、東京女子医科
大学病院の数値はかなり高いと言えます。


高山社長はこう話しています。

「たとえ1%しか生きられる可能性がないとしても、
その1%に入るために最善の努力をする。僕には家族がいます。

最愛の娘は当時まだ1歳。少なくとも彼女の20歳の誕生日に
妻とともに乾杯したい。僕の人生の目標が定まりました。

今は昔のような仕事中心の生活さえしなければ、生きられる
と判断したら、その時は自分の命を優先します」。


現在、高山社長は普段から日々の出来事を自身のブログに
書き込んでいます。

オーシャンブリッジ 高山のブログ


このブログについて、主治医の村垣善浩医師は次のように
話しています。

「患者さんが、高山さんのブログを見て予習してから来院
してくれるおかげで、本質的な話に時間を使えるようになる」。




オーシャブリッジ社長(当時、現会長)高山知朗さんと
主治医の東京女子医大の村垣善浩教授

『日経ビジネス』(2013.4.1 号 PP.40-41)



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追記: 2014.12.28

高山さんの闘病記がハフィントン・ポストに掲載されたことが、
朝日新聞朝刊(2014.12.26)で紹介されていました。


『朝日新聞』(2014.12.26 朝刊)


詳細は、
今朝の朝日新聞(2014年12月26日 朝刊) 15面
オピニオン欄にブログの闘病記が掲載されています

をご覧ください。

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最後に、2つの大きな問題点をご紹介します。

1つは、若手医師を中心に、深刻な外科離れが起きている
ことです。


<厚生労働省が2年ごとに調査している「医師・歯科医師・
薬剤師調査の概況」によれば、1998年に2万8871人だった
外科医師の数は、2010年には2万7820人に減った>


なぜ、外科医が減っているのでしょうか?

その原因は、外科医の労働環境にあります。


東京都内の大病院に勤める30代の外科医は
次のように吐露しています。

「本当に忙しい。24時間365日生きた心地がせず、
ホッと休めない」

これでは医者の不養生で、医者自身が病気にかかって
しまいかねません。


もう1つの問題は、病院数が減っているため、
「手術難民」問題を避けて通れなくなることです。


手術が必要な患者が病院をたらい回しにされ、
手術を受けられなくなる事態に陥るということです。


<日本国内の病院数は91年に1万を超えていたが、
現在は約8500に減少した。2020年にはさらに1000カ所
減るとの見方もある。

そうした中で、日本は「手術難民」時代への突入を回避
できるのか。

医療制度改革はいよいよ待ったなしの状況だ>



結論は次のようになるでしょう。

<患者にとっては、自分を救ってくれる病院をあらかじめ
探しておくことが欠かせない時代になった。

だが、最大の自衛手段は医療の方向性について、
主体性を持って議論に参加することだ。

「あなたを救う病院」は、待っているだけでは
やってこない>





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