今日も最高だろ。

ありがとうございます。











和雄さんの試合の余韻がまだ残ってます。








実は和雄さん、試合前に 膝を痛め 治ったと思ったら 今度は足首を剥離骨折。




もうスパーリングなんてほぼやってないに等しい状態で昨夜リングに上がった。




スパーをしないで試合をするって俺もマッハ戦で経験あるけど、体がどうしたって思うように動かない。

スタミナなんか作れないし 和雄さんは試合を断る十分な理由があった。


試合前和雄さんとサンチアゴの寝技の研究ぐらいしかできなかった。


それでも三崎和雄は神風特攻隊のごとくリングに向かった。





3ラウンドが終わってインターバルに返ってきた時和雄さんは

「あと何ラウンド?」

と聞いてきた。





スパーをしないで試合すると呼吸をするだけで精一杯になる。


しかし三崎和雄は最後まで敵を斬りにいった。





麻酔の注射を打ち、テーピングでガチガチに固めても スパーやスタミナ練習ができなかったという事実は覆らない。






しかし神は三崎和雄に舞い降りた。






サンチアゴは試合中和雄さんに追い込まれてリングの外に逃げた。

個人的にはもうあれは和雄さんの一本勝ちだと思う。相手の攻撃を嫌がりリング外に逃げるなんてタップと同じだ。



あの時のサンチアゴの恐怖を感じた目。



今まで戦った事のない 神が宿った鬼神に恐れおののき、リングの外に出るしかなかったのだ。





試合後 和雄さんは

「やらなきゃよかったのかな… いやでもリングに上がったからには‥」


ずっと自分を責めていた。



「いい試合をしたって勝たなきゃ‥」





確かにそうかもしれない。







ただ 三崎和雄が満身創痍で見せた鬼神の如きの闘いは あの場いた客やファイターの全ての感情を引き出したはずだ。





もし万全とは言わずともスパーが出来ていたらサンチアゴには勝ち目がなかったかもしれない。






タオルが投げられるまで最後まで諦めず動き続けた和雄さんに乗り移った鬼神は俺の魂の奥に語りかけた。









「ずっと三崎和雄の近くで勉強させてもらえ」

と。












続く。