俺は宇野さんの試合にセコンドとしてもUFCに行かせて頂いたりした事がある。


石田戦でもお手伝いさせて頂いた。



宇野さんは石田戦を劇的な一本勝ちで勝敗を決した。



宇野さんから連絡があり


「大阪 、またお願いしていい?よろしくね。」


という言葉を頂いた。


俺は勿論、快諾した。


相手は当時ノリにのってるあの青木真也だ。



俺は宇野さんが青木の寝技を凌いでパウンド… というイメージもあり、強敵だが充分勝てる可能性があると思っていた。




大阪への新幹線のチケットなどの事を宇野さんのお兄さんと連絡を取り合う。


宇野さんの試合の時は家族の方が一丸となって宇野さんをサポートする。
本当に素晴らしいご家族だ。



試合前になり大阪行きの日が来た。



会見が行われているホテルに着き、宇野さんらと合流する。


ノースリーブを着ている俺に宇野さんが


「デカくなったよな~」


と宇野さんらしい笑顔で言ってきた。



うん、いつものリラックスしている宇野さんだ。


石田戦での自信に満ち溢れている表情と同じように 余裕がある。



一緒に練習していないため 宇野さんの仕上がりや作戦は解らなかったが、寝技の強い後輩と青木対策は練ってきたらしい。



セコンドの守山さんはいない。

廣野さんや宇野さんのお母さんや宇野さんの奥さん達とも会う。


宇野さんの人柄がわかるような とてもポジティブな笑顔をみんなが振りまく人達だ。



夜 一緒に食事をとる事になり、有名なお店で楽しく談笑する。


しかし、俺は宇野さんとの付き合いが長い。
所属が離れたからこその

何かが俺の直感をくすぐった。



宇野さんの様子がいつもと違う。


俺はそこで初めて気づいた。



そこには いつもと違う、先輩、宇野薫がいた。









続く。