宝塚歌劇団星組の人気男役スター、瀬央(せお)ゆりあ主演「デビュタント」(作・演出、正塚晴彦氏)が11日、兵庫・宝塚バウホールで開幕した。入団10年目。単独主演公演は自身初の瀬央は、硬軟織り交ぜた芝居で魅せ、「男役10年」のキャリアを見せつけた。22日まで。

 19世紀フランス。社交界デビューの場となる舞踏会、デビュタント・ボールを舞台にした、オリジナルの青春群像劇。男爵家の次男として生まれ、上流階級相手の“便利屋”のようなことをしている青年、イヴ(瀬央)は、伯爵令嬢のエスコートを頼まれる。これを機に、思わぬ事件に巻き込まれた主人公が、人々との出会いから、自身の生き方を問い直す姿を描く。

 ナチュラルに男性を描く、演出の「正塚イズム」満載の舞台。長身の瀬央はスーツ姿が自然、クールで格好いい。織り交ぜられたコメディーの間合いも絶妙。主人公の友人役の紫藤(しどう)りゅう、刑事役の極美慎(きわみ・しん)の存在感も光る。出演者は個性的なメンバーがそろい、それぞれに印象を残し、星組の勢いを感じさせた。

(産経新聞より引用)