久しぶりに、YouTubeで天使の様なジェルソミーナを、観ました。

日本語の字幕は無くて、かろうじて英語のスーパーインポーズは在るだけでしたが、映像を観ているだけで、十分に"道"と言う映画は、理解できました。この映画のヒロインのジェルソミーナと、サーカスで出会う、キ印と言う男は、現代では使われ無くなった、"白痴"の女と男と映画の中では呼ばれていますが、実際には荒んだ世間の中に舞い降りた、二人の男女の天使なのでした。しかし、世知辛い世間ではこの二人は、当然の如くスポイルされて相手にされなくて、各々の寂しく亡くなって行くのでした。しかし、後年世の中は落ち着いて、ジェルソミーナを冷たくて接していた粗暴なザンパノは、どんな時にも自分へ温かくしてくれたジェルソミーナを無くした事を、深く後悔して、この映画はエンドマークとなるのでした。

この映画の監督の、フェデリコ・フェリーニ監督の演出も素晴らしいのですが、その厳しい演出を忠実に表現した、パートナーで有ったジュリエッタ・マシーナの、哀しく切ないジェルソミーナは、一度観ると忘れられない名演技でした。

以前にも、このブログで紹介しましたが、我が宝塚歌劇でも、この"道"を翻案脚色して、舞台を平安期の日本へ置き換えた、花組公演「笛吹きと豚姫」と言う、高木史郎先生の作・演出の名作はありました。この"道"を観て、昔の花組公演「吹きと豚姫」を思い出した、私なのでした。