こんばんは、

おくざわ高広です。
町田から政治と社会のかけ橋になるべく暮らしています。

 

昨日は、フェムテックセミナー第三弾ということで、

一般社団法人メディカル・フェムテック・コンソーシアム代表理事で、現役の産婦人科医でもある松本玲央奈先生を招いて、お話を伺いました。

 

不妊治療の現在地として、

✔️不妊のメカニズムは解明されておらず、男性、女性のいずれか、もしくは双方に問題があるわけではない。

✔️16人に1人が体外受精での妊娠・出産である。

✔️海外と比べ、不妊治療に取り組む年齢が高い。

※欧米では30歳〜35歳で不妊治療を始める人が約50%なのに対して、日本では40歳以上が約50%。

✔️年齢が高くなるほど、妊娠する確率が低下し、障害のある子が生まれる可能性が高まり、費用も嵩んでしまう。

といったお話がありました。

 

続けて、不妊治療の3つの壁について、

✔️生殖医療の専門医が少ない(全国に960人、内男性は60人ほど)ことによる、物理的なアクセスの壁と、不妊治療に踏み出せずにいる心理的なアクセスの壁。

✔️高額な費用がかかる金銭的な壁。

✔️職場の理解の無さから休暇を取ることができないなどの理由で、不妊治療に踏み出せない機会(チャンス)の壁。

が存在するとのこと。

 

これらの壁に対して、

✔️金銭的な壁については、不妊治療が保険適用になることで、大幅な負担軽減となることが見込まれます。

✔️アクセスの壁については、フェムテックの中でも、特に医療データの共有やオンライン診療を組み合わせて医療資源の効率的な活用で都心と地方のアクセスの壁を越えられないかと話が進んでいるようで、大変期待しています。

✔️機会の壁については、不妊治療などの休暇を取得できる社内制度をつくる企業へのインセンティブ(補助)が有効ではないかとの認識で、東京都にはその制度があることは素晴らしいとの話でした。

 

一方で、どれだけ制度や支援が整っても、心理的なハードルを取り除かなければ、状況は改善しません。

 

妊娠するもしないも、本人とパートナーで決めるべきものであり、他人がとやかく言うことではありません。

しかしながら、その意思決定には、正しい知識を持つことが不可欠、というのもまた事実かと思います。

欧米に比べて遅れていると言われる包括的な性教育、あるいはSRHR(性と生殖に関する健康と権利)に関する意識を高めていくことは必須といえます。

性教育と言った場合に、子どもに対する内容を想像する方も多いと思いますが、大人の私たちが正しい知識を持っていないと感じる場面も多く、大人に対する性教育の必要性も強く感じています。

 

最後に、誤解を恐れずに言うならば、

不妊治療というと、男性もしくは女性の体に問題が生じているのではないかという印象がありました。

それゆえに、自分の体を知ること自体が不安であったり、悩んでいても誰にも相談できないということもありました。

 

昨日のセミナーで、松本先生は、不妊治療に取り組むことをステップアップと表現していました。

体になんらかの問題があるから取り組むのではなくて、子どもを授かりたいと思った時には様々な選択肢があり、その一つである不妊治療に踏み出してはどうか、という前向きなメッセージとして捉えることができました。

 

不妊治療ではなく、ステップアップ妊活

 

医療の進歩は私たちの人生をより豊かにしているのだなと改めて感じる、目から鱗の機会をいただきました。

 

フェムテックセミナーはこれで一旦終わりとなりますが、これまで参加いただいた地方議員の皆さんと更なる政策提言に向けて活動できたらなと思っているところです。

 

一緒にやってもいいよ、という方お待ちしております。

 

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誰もが生まれてきて良かったと思える社会を

ワクワクがあふれ出す町田を

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