スッパイ大作戦…なんて素晴らしい商品名だ!~What a great product name! | 高木圭介のマニア道

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~浮世のひまつぶし~

先日、仕事帰りにたまたま入ったドン・キホーテ溝ノ口店のお菓子売り場にて、目に入ったグミを衝動的に買ってしまった。その名は スッパイ大作戦



別にグミやスッパい食べ物が好きなわけではない。ただ商品名が気に入っただけだ。

この 出オチ感 満載な商品名をそのまま流通網に流した旺旺・ジャパン(本社・東京都台東区)という会社の企業姿勢が素晴らしいではないか?

50歳にもなって口にするセリフではないが、私だってオトナだ。一つの商品が世に流れるまでには、企画書 → 会議 → 稟議書などが会社内を繰り返し飛び交い、多くの承認ハンコが必要となる。会社規模によってはマーケティングやらリサーチ会社の手を借りたり、アンケートを実施したりなんかして、やっとこさ商品が世に出ることも知っている。

多くの人の意見を反映させた結果、本来の面白さが失われ、本筋を見失ったり、そんな作業で時間を浪費しているうちに商品としての「旬」すらも失ってしまうこともある…。

マーケティングリサーチとやらが当たり前となり、それを信奉する企業が圧倒的多数となった現在は、一目見て「バカだな」と笑える商品も少なくなったし、どのメーカーも似たり寄ったりの類似商品を世に出しているのが21世紀社会だ。

で……、この『スッパイ大作戦』だ。もはやこの名前を耳にして「おはよう、フェルプス君」という大平透の声マネをする人も少ないだろう。


 昭和42年4月8日(土曜)のテレビ欄


世の大多数が 『スパイ大作戦』 よりも 『ミッション:インポッシブル』 という正しい題名とトム・クルーズの顔を思い浮かべ、 『スタートレック』 をいまだに 『宇宙大作戦』 なんて呼んでいる奴は、もはや老害か変態扱いされてしまう21世紀社会に、あえて、こんな商品名を流通させる旺旺・ジャパンの心意気や如何に? 

 


 昭和45年1月11日(日曜)のテレビ欄


言うほどはスッパく感じられないコーラ味とレモン味のグミを美味しくいただきつつ、渋くてカッコいい英国産ドラマ 『おしゃれ㊙探偵(The Avengers)』 が1998年に映画化された際に 『アベンジャーズ』 と、ほぼ原題通りで公開したものの、すぐにそのタイトルは米国産マーベル・コミックのオールスター映画の波に飲み込まれ、作品そのものがネット検索でも引っかかりづらくなり、やがては忘却されてしまった悲劇を思い浮かべるのだった。

 

 『おしゃれ㊙探偵』の番宣広告(昭和42年10月)