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『日本の少子化をくい止めるにはーその2ー(前半)』三橋貴明 AJER2019.10.22

 

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三橋TV第154回【質問回答編① 特別会計、おカネを刷る!?、高家さんの休日、私立Z学園の憂鬱などなど】
 三橋TVでお知らせ致しましたが、経世史論「歴史に魅せられて マイと辿る邪馬台国への道」のお申込受付を開始いたしました。
 経世史論ユーザーの皆様には、別途、メールで申し込みフォームをお送りさせて頂いております。

 本ツアーはバスを借り切って移動するため、定員数が物理的に決まります。ご参加を考えていらっしゃる方は、お急ぎくださいませ。
 ツアーの方にお申込頂いても、経世史論のユーザーでない方は弾かれてしまいますので、ご注意ください。
 
 昨日の、
「ヨーロッパの王室では、男系女系の区別がなく、外国の王室から婿を迎えることもあるのに、日本は~」
「知るか! というか、そんなアホな権威継承しているから、欧州人は殺し合いばかりやっていたんだろが! 一緒にすんな!」
 の補足ですが、男系女系の区別なく、国境を越えて婚姻を繰り返し、王家が「親戚同士」になった欧州では、それを「口実」に戦争が繰り返されました。

 最も有名なケースは、ノルマンディー公ギヨームのイングランド征服です。ギヨームは、イングランド王エドワード懺悔王の母親が大叔母という、懺悔王と親戚関係にありました。

 懺悔王が崩御すると、ギヨームは縁戚関係を盾にイングランド王位を要求。軍を率いてブリテン島に侵攻。ヘイスティングズの戦いに勝利し、イングランド国王の座に就きます。

 この人物こそが、連合王国(イギリス)初代国王、ウィリアム一世。現在のイギリス女王エリザベス二世の遠い先祖になります。

 上記の事例以外にも、欧州は縁戚関係を口実に他国に侵略する「史実」で溢れています。
 実際には、単に外国を侵略したい状況で、王家の縁戚関係を利用しただけなのでしょう。欧州史を学ぶと、やたら「継承戦争」がついた戦争があることに気が付きません?

 いずれにせよ、「外国の王室と縁戚関係を持てば、平和になる」と思っていたら、大間違い。人間を舐めてはいけません。

 むしろ話は逆で、縁戚関係を口実に「侵略」されるという事例で、人類史は満ち溢れています。

 というわけで、日本の「男系による皇位継承」は、外部の「男」を排除し、外戚や、親戚の王族を作らないため、「皇位」を巡る戦争が起きにくい。もちろん、皇族同士の闘争はありましたが、これは仕方がありません。人間ですから。

 権威と権力を引き離し、かつ外の人間に「皇位」を要求させない。モンゴルのクビライ・カーンにしても、元寇の理由に、
「正当なる日本国の王を玉座に就ける」
 とか何とかいった、ありがちな大義名分は使えなかったわけですね。というか、クビライ以外の誰も使えない。

 日本の男系の皇統は、こう言っては何ですが、本当によくできたシステムです。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※特別コンテンツ「MMTポリティクス 第三回」が視聴可能となりました。
※12月12-13日、邪馬台国視察ツアー「歴史に魅せられて、マイと辿る邪馬台国への道」お申込受付開始しました。
 
 さて、日本の政商の第一人者たる、代表的レント・シーカー、竹中平蔵氏が、いきなり、
「日本の1000兆円の借金は問題ない」
 と言い出し、話題になっています。

 竹中氏は、上記を高橋洋一氏の「正しい「未来予測」のための武器になる数学アタマ」の宣伝インタビューで語っています。さすが、元上司と部下。相変わらず、仲がよろしいようで。
 
竹中平蔵「日本の1000兆円の借金は問題ない」 重要なのは資産と負債のバランス
(前略)これをふまえて政府の貸借対照表(BS)を見てみると、財務省(旧大蔵省)が1980年代から主張している「日本は今1000兆円の借金がある」という論もいたずらに不安を煽るための話だということが見抜けます。
2017年度の政府のBSでは、負債の部の「公債」が約966兆円。「政府短期証券」の約76兆円と合わせて、「借金1000兆円」と言っているのです。
 しかし、先ほど述べた通り重要なのは資産と負債のバランスです。資産から負債を引いた純資産は、約マイナス568兆円になります。この数字は政府の話として見れば問題のないレベル。借金額だけを強調し、増税を推し進めることがいかにばかげているかがわかるのです。』
 
 グローバリズムのトリニティは、緊縮財政+規制緩和+自由貿易という三つの政策パッケージになっています。
 うち、直接的に竹中氏ら「政商」「レント・シーカー」にとって美味しいのは、規制緩和と自由貿易です。

 緊縮財政自体は、どうでもいいというか、むしろ「自分のビジネスのためには財政支出しろ」てなもんです。氷河期世代をトレーニングするから、一人当たり20万円寄越せ(byパソナ)というわけですね。

 とはいえ、緊縮財政が推進され「基盤」とならない限り、規制緩和や自由貿易は推進できません。

「もはや国も自治体も、水道サービスを維持するためにカネを出せない。水道民営化!」
「もはや国民皆保険の維持はできない。このままでは破綻する。自由診療拡大、民間医療保険を認める。アメリカの民間医療保険株式会社さん、いらっしゃい」
「もはや国は国民の生命の源たるタネの維持にカネは使えない。種子法廃止」
「もはや国はデフレ脱却のためにカネは使えない。民間投資でデフレ脱却。そのためには、カジノ解禁」

 ね?
 見事なまでに、緊縮財政の「思想」の上で、規制緩和と自由貿易が進められているのが分かるでしょ?

 もっとも、藤井聡先生らのご活躍や、MMTという黒船の襲来もあり、「国の借金で破綻する」系の財政破綻論は次第に追い詰められつつあります。

 竹中氏的には、財務省式破綻論がどうなろうとどうでもいいのですが(ちなみに、この人は以前、某TV番組で、わたくしに財政破綻論を熱弁していた)、正しい財政拡大で日本がデフレ脱却し、国民経済が成長し、自治体にも余裕ができ、規制緩和や自由貿易を推進できなくなるのは困る。

 だからこその、「資産と負債のバランス」論というわけです。
「日本は財政破綻しない。なぜなら、政府は負債も多いけど、資産もたくさんあるから」
 という財政破綻否定論の場合、行き着く先は、
「じゃあ、国の借金を『返済』するために、国の資産を売り飛ばそう」
 と、レント・シーキングが進められることになります、確実に。

 重要なのは、政府の資産と負債のバランスではありません。というか、資産なんかどうでもいい。何しろ、政府の負債とは「貨幣」なのですから。

 政府の負債を返済するということは、「政府貨幣発行残高」を減らせ、という意味になります。

 実際に、政府がインフラ等の資産を売り飛ばすと、
「インフラを安く買い叩いたレント・シーカーがぼろ儲け」
「政府貨幣発行残高が減り、その分、国民が貧しくなる」
 という、二重の国民貧困化効果が発生します。

 とはいえ、モノを考えない国民の多くは、財政破綻論の否定に行き着いたとしても、むしろ竹中氏のレトリックに納得し、虎の子の「国民資産(政府の資産ではない)」を叩き売る政策に賛同することでしょう。

 自分で考えましょう。全ては、難しい話ではないのです。日本人であれば、誰にでも「絡繰り」が分かる程度の話です。

 別に、わたくしが常に正しいと主張する気はありませんが、申し訳ないですが「言論の動機」は竹中氏らよりは相当に健全だと思いますよ。(※みんなが豊かになって、自分の市場を広げたい。赤ちゃんのために、繁栄した日本を残したい。それ以前に「嘘」が嫌い。潔癖症で日本以外で暮らせない、などなど)

 自分で考える。マスコミに氾濫する「ビジネス目的の綺麗ごと」を打ち破るには、思考停止からの飛躍が必要なのです。
 
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