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「アメリカのトランプ新政権を読む(前半)」三橋貴明 AJER2024.12.31
令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。
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米価5kgで4,000円...政府が農家を見捨てた末路[三橋TV第978回] 三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/7NpTYC9gobk
本日は16:55~17:25、MBS「◯◯の賛否両論」に出演します。
MBSでは、以下の報道についても取り上げています。毎度お馴染みの国の借金でございます。
最近、財務省は「いわゆる国の借金」について、政府短期証券を含めるようになっています。結果的に、額が大きくなる。
額を大きくして煽りたいというか、煽っているわけですが、以前は、
「国の借金が1000兆円超えたら破綻する」
系のプロパガンダを展開していたものの、1000兆円を超してしまった(が、何の問題もない)ため、政府短期証券を含め、額を膨らませているのでしょう。
『国の借金、1317兆円で過去最大 2024年12月末時点
財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合計した、いわゆる「国の借金」が2024年12月末時点で1317兆6365億円だったと発表した。24年9月末から7兆1980億円増え、過去最大となった。予算の財源不足を埋める新規国債の発行で残高が膨らんだ。
税収で返済する必要のある普通国債の発行残高は1071兆47億円と、9月末から5兆6908億円増えた。うち10月に3500億円を発行したGX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債は3兆4970億円となった。
普通国債のほか財投債や拠出国債などを含めた国債は1173兆5559億円だった。一時的な資金繰りのための政府短期証券は97兆1995億円、金融機関などからの借入金は46兆8812億円だった。』
う~ん・・・。素晴らしいテンプレ記事。国の借金という用語。「税収で返済する必要のある」という表現。
ちなみに、「税収で返済する必要のある」の根拠として、例の六十年償還ルールを持ち出す人がいるのですが、同ルールについては、自民党の防衛費増額の財源検討の特命委員会において、財務官僚自身が、
「あくまで公債政策に関する政府の節度ある姿勢を明示するために導入されたものであり、文字通りの減債、すなわち国債発行残高の減少を目指すものではなかった」
と、説明しています。
つまりは、「税金で国債を返済している」という事実はありません。財務官僚が認めています。
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「皇統論「文永の役」、歴史時事「地獄の始まり」がリリースになりました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
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問題は、この手の「事実」が報道されないことですが、それは置いておいて、MBSでは以下の通り説明しました。
まずは、国の借金ではなく、政府の負債です。政府の負債とは、ほとんどが国債ですが、政府は国債を発行し、必ず支出します。
すると、国民の銀行預金が増えます。
安倍政権期の特別定額給付金を思い出して下さい。あのとき、安倍政権は12兆円の国債を発行し、皆さんの銀行預金の残高を一人10万円増やしましたよね。
つまりは、国の借金1317兆円とは、過去に政府が国債を発行し、皆さんの銀行預金を増やした。その合計額が1317兆円であるという記録に過ぎません。政府が負債を増やし、皆さんの銀行預金が増えた。
何が問題なんですか?
ちなみに、政府の負債は1970年度と比較し、180倍になっています。借金が二倍になった!と、言われるとビビりますが、180倍ですよ。なにかおかしくない?と、思わない方がおかしいでしょう。
【日本の政府の長期債務残高(兆円)】
http://mtdata.jp/data_93.html#long
わたくしは未だに、上記について真っ当な反論を受けたことがない。マスコミは、過去十五年程度のデータを切り取りし、
「国の借金が二倍になった!」
とか煽っていますが、それならば、
「過去半世紀で、国の借金は180倍になった!」
と、やってくれよ。そっちの方が数値がデカいじゃん。まあ、それをやると、皆が、
「あれ? 何か、おかしくね?」
と考え始めてしまうから、やらないだろうけど。
明治時代と比較すると、政府の負債は4000万倍になっています。
と、事実を述べ、皆さんに「考えてもらう」ようにしてみました。どうせ、一回で納得する人はいませんから。
いずれにせよ、国の借金1317兆円とやらは、過去に政府が国債(等)を発行し、支出し、国民の銀行預金を増やした「履歴」に過ぎないのですよ。これが、財政破綻論打破のレトリックの「一つ」。あくまで「一つ」。
どのレトリックが正しい? ではない。使える手段はすべて使う。
ちなみに、
「こっちのレトリックの方が有効だと思います」
じゃないんだよ。そんな「意見」いらない。レトリックの是非を考えるな。すでに多数提示しているのだから、とりあえず使え。頭で考えず、まず、話せ。プロパガンダとは、そういうものだ。
有効に思えるレトリックは、全部、使うんだ。どっちが良い、悪いなんてない。何がその人に刺さるのかなんて、事前に分かるはずがない。
100人を同時に説得しようとするな。100人中、10人の賛同を得ればいいんだ。そのためには、
「どうすれば100人を説得できるんだろう・・・・」
と、考える前に、まずはやってみること。反応を受けて、コミュニケーションをアップデートしていけばいい。
偶々、わたくしは今、「国の借金とは、過去に政府が国債を発行し、国民の銀行預金を増やした履歴ですよ」を多用しています。皆さんは、どうですか?
「今こそ財政破綻プロパガンダを打破しよう!」に、ご賛同下さる方は、