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「食料安全保障強化の為には政府がお金を使うしかない(前半)」三橋貴明 AJER2024.5.7
令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。
「政府による投資は国の借金...?」日本経済はもう成長できない?1枚の図が示した財務省の大罪[三橋TV第861回]三橋貴明・saya
https://youtu.be/FaYRGPIjr_Q
三橋TVでも解説していますが、日本のプライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)黒字化目標の異様性は、財政目標でありながら、歳出について「消費系」と「投資系」を分けていない点です。
念のため、PBの定義の話ではなく、「投資系」の支出を抑制せざるを得ない財政目標を掲げている日本がおかしい、という話です。
例えば、毎年の収支を黒字化しようとする家計が、3千万円の住宅ローンを組んだとして、
「今年は家を買ったので、3千万円の赤字・・・」
とはやらんでしょ、という話です。
家にしても、便益を長期で受け続けることになるので、費用も長期で計上することになるのです。家計の場合、その年の収支に入れるのは、住宅ローンの支払い分のみでしょ?
というわけで、自民党の積極財政議連のPB目標破棄はもちろん、
「公共事業などに充てる建設国債を財政目標から外すことなども盛り込む」
も正しいわけですが、財務省や緊縮財政本部は、↑そんなことはどうでもよく、
「PB目標破棄などとんでもない!」
と、財政破綻論を持ち出して全否定してくるだろう。
と、思っていたら、すぐに来た。
『鈴木財務相 “基礎的財政収支の来年度黒字化目標 堅持すべき”
ことしの「骨太の方針」で焦点の一つとなっている、財政健全化目標の扱いについて、鈴木財務大臣は「基礎的財政収支」を来年度に黒字化するという、今の目標を堅持すべきだという考えを示しました。(中略)
16日に、自民党の積極的な財政出動を求める議員連盟は、期限を区切った黒字化目標を撤廃するよう求める提言をまとめました。
これに関連して、鈴木財務大臣は17日の閣議のあとの記者会見で「提言の詳細がわからないので申し上げることは控える」としたうえで、「日本の財政状況が厳しい中、金利が上昇して利払い費が増加すれば、他の歳出が圧迫されるリスクや、災害対応など臨機応変な財政出動が必要となる事態も考慮に入れ、財政健全化へ、たゆまぬ努力を継続することが重要だ」と述べました。(後略)』
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やはり、「金利上昇」「利払費」を持ち出してきた。
このために、日銀にマイナス金利政策を解除させ、「金利ある世界」という世論醸成をしてきたのでしょ。ちなみに、マイナス金利政策が解除されましたが、予想通り短期プライムレートは1.475%で変わっておりません(2009年から変わっていない)ので、家計の住宅ローン(変動金利)も影響を受けておりません。
が、そんなことはどうでもよく、とにかく「金利が上昇していく」というイメージが(財務省にとって)必要なのです。
金利が上がれば、国債利払費が増える。もちろん、その半分強は日銀に支払われるため、国庫納付金として戻ってくるわけですが、そんなことはどうでもよく、
「国債利払が増えるから、他の歳出が圧迫される」
と、意味不明なレトリックを使う。
いや、それ、「全体の使えるお金は一定」という前提になっているじゃん。つまりは、PB黒字化目標ありきという話。
PB目標が無ければ、国債の利払い費が増えたところで、他の支出も増やせばいい。PBで全体の総額に縛りをかけているからこそ、「他の歳出が圧迫される」という事態になるわけです。
ならば、PB目標を破棄すればいい。
鈴木財務大臣の会見は矛盾に満ちているわけですが、問題はこの程度の陳腐で使い古されたレトリックに、政治家や国民が納得してしまう点です。
今後の「決戦」の争点ですが、自民党政調の財政政策検討本部の提言が、
1.PB目標を廃止する
2.公共事業等の建設国債(要は投資)については財政目標から外す
のままになるか否か、です。
1・2のままだと、緊縮財政本部(財政健全化推進本部)と真っ向から衝突し、激論になる。奴らの頭がおかしい議論、しかも矛盾に満ちている議論を容赦なく潰す必要がある。
もっとも、これまでの自民党の場合、積極財政議連が提言した1・2を「弱めた形」で財政政策検討本部でまとめられ、結局は緊縮が続くという流れになります。
例えば、
「政府のネット(純)の利払費対GDP比率」
というアメリカで採用された指標を日本も使う、という話になっても、PBが残ってしまうのであれば、全く意味がありません。結局、PBに引きずられ、緊縮財政が続く。
PBは破棄しなければならない。
財政政策検討本部は、「PB目標を廃止する」に踏み込めるのか。踏み込ませなくてはいけないのですよ。
「PBは破棄しなければならない」に、ご賛同下さる方は、