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「食団連発足とコストプッシュ型インフレの正体」(前半)三橋貴明 AJER2022.5.3
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コストプッシュ型インフレと需要不足 二重苦にいかに立ち向かうのか?[三橋TV第543回]三橋貴明・高家望愛
今更、岸田文雄に整合性を求めても仕方がないと思いますが、さすがにこれはひどい。
『岸田首相、「資産所得倍増プラン」を表明 貯蓄から投資へ誘導
岸田文雄首相は5日(日本時間同)、ロンドンの金融街・シティーで講演し、自身が掲げる経済政策「新しい資本主義」の具体策として、日本の個人金融資産約2000兆円を貯蓄から投資へと誘導する「資産所得倍増プラン」を始めると表明した。人材投資や先端技術開発にも積極的に取り組むとし、「安心して日本に投資してほしい。インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)」と呼びかけた。(後略)』
貯蓄から投資へ・・・。過去、四半世紀以上も繰り返されてきた、陳腐で古臭いスローガンを持ち出しましたか。
ところで、資産所得とは何か。所得倍増はどこに行った? というか、所得と資産所得では、何が違うのでしょうか。
所得とは、生産者が働き、付加価値(財やサービス)を生産し、顧客に需要(消費・投資)として支出してもらうことで創出されます。
それに対し、資産所得とは、岸田総理自ら、
「貯蓄から投資へのシフト」
「国内の個人金融資産2千兆円のうち、半分以上が預金や現金で保有されている。国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みをつくる」
と、語っている以上、株式からの配当金を意味しているのでしょう。
ここで重要なのは、株式から得られる配当金の「原資」にしても、所得である点です。
【池田悠 一次資料が明かす南京事件の真実 アメリカ宣教師史観の呪縛を解く】
https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/
中国共産党が「南京大虐殺!」と喧伝する南京事件とは、何だったのか? 実は「日本」や「中国」にのみ注目していると、その真実を理解することは絶対に不可能です。今回、南京事件の真相を「パーフェクト」に暴いた「一次資料が明かす南京事件の真実」を刊行された池田悠氏にご登壇頂きました。「驚愕」としか表現のしようがない「真実」を知って下さい。
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企業の損益計算書(簡略版)で説明します。
【企業Aの損益計算書】
売上 100
売上原価 ▲80
粗利益(付加価値) 20
人件費(等) ▲10
税引き前利益 10
法人税 ▲5
純利益 5
上記、損益計算書の「純利益」が配当金の原資となります。
企業の第一次所得である粗利益(付加価値)から従業員への分配が行われ、法人税を支払い、残った純利益から配当金が支払われるのです。
現在の日本はデフレ状況が続いており、第一次所得の粗利益は増えていません。それどころか、コロナ禍、コストプッシュ型インフレにより、粗利益はむしろ減少傾向にあります。
その状況で配当金という「資産所得」を倍増させるとなると、企業がやることは一つしかありません。すなわち、人件費という「生産者の所得」の削減です。
つまりは、岸田総理の「資産所得倍増」とは、拡大しない所得のパイにおいて、生産者への分配を減らし、株主への分配を増やすことに他ならないのです。
97年以降、日本は株主資本主義がまん延し、人件費(売上、投資も)増えない中、配当金だけが増えていきました。
【資本金十億円以上の企業の売上高等(倍)】
http://mtdata.jp/data_79.html#10m
岸田総理の「資産所得倍増プラン」とは、単に97年以降、続いてきた株主優先資本主義を推し進めるという話に過ぎません。
そして、岸田総理の「師」である原丈人氏の「公益資本主義」と、真っ向から対立する考え方です。
さらに言えば、「資産所得倍増プラン」は、投資拡大の責任を民間に押し付け、
「政府は何も支出しない」
ことで財務省に媚を売ることができる緊縮路線なのです。
今回の「資産所得倍増プラン」で決定的になりました(前から分かっていましたが、より決定的になった)。岸田内閣は小泉内閣以来の新自由主義を転換するはずが、新自由主義政権そのままだったわけです。
「真に新自由主義を転換する政権を誕生させよう!」に、ご賛同下さる方は、