株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。
チャンネルAJER更新しました。
「安全保障を食べるワニ」(前半)三橋貴明 AJER2022.3.8
令和の政策ピボット呼びかけ人に「HAL YAMASHITA東京 エグゼクティブシェフ 社団法人日本飲食団体連合会 副会長 山下春幸」様が加わって下さいました。
また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!
今こそ学ぼう ユーラシアの歴史と日米安保条約の真実[三橋TV第523回]三橋貴明・高家望愛
ようやく、東京都の「まん延防止等重点措置」が終わりました。経済活動の制限はするが、補償はしない。
という、頭のおかしい政策(もはや、政策ではなく苛政と呼ぶべきでしょう)により、22年1-3月期のGDP(生産、需要、所得)は大きく痛めつけられることになりました。
日本のデフレギャップ(需給ギャップのマイナス)は、直近の2022年第3四半期時点で、対GDP比で4.8%。「小さく見える」内閣府のデフレギャップですら、最低でも20兆円兆の需要不足があることになります。
【日本の需給ギャップと潜在成長率】
http://mtdata.jp/data_79.html#GSP
お判りでしょうが、潜在成長率が下がって言っているのは、単に「過去」のGDP成長率が落ち込んでいるためです。潜在成長率とは、実は「平均」成長率なのです。
上図の需要不足はコアコアCPI(食料(酒類除く)及びエネルギーを除く総合消費者物価指数)というインフレ率のマイナス幅が、21世紀最大に拡大していることと整合的です。
もちろん、食料やエネルギーを加えた総合消費者物価指数の対前年比は、+0.9%と、「インフレ」に向かっているように見えます。
とはいえ、世界的な穀物、エネルギー価格の上昇で「CPI」が上昇したところで、所得は外国に流れるだけ(貿易赤字の拡大)で、国民は困窮するだけです。
だからこそ、インフレ率はコアコアCPIで見なければならないのです。そして、コアコアCPIで見れば、日本は普通にデフレです。
最近、ビックリしたのが、総合CPIがプラス化し、コアコアCPIが大きなマイナスになったことを指摘したところ、
「三橋は(インフレの)ゴールを動かした」
と、批判されたことです。
ちょっと待てい。わたくしは、デフレ脱却のメトリクス「インフレ率」について、コアコアCPIとGDPデフレータ以外で語ったことは一度もありませんよ。CPIやコアCPIを持ち出すときは、「コアコアCPIとの乖離」を説明するときのみです。
嘘だと思うならば、2008年以降のわたくしのブログやメルマガ、書籍、映像等を全て確認してご覧なさい。わたくしが「デフレ脱却を目指すインフレ率の定義」としてCPIとコアCPIを使ったことはありません(当初から、意識してそうしていた)。
【池田悠 一次資料が明かす南京事件の真実 アメリカ宣教師史観の呪縛を解く】
https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/
中国共産党が「南京大虐殺!」と喧伝する南京事件とは、何だったのか? 実は「日本」や「中国」にのみ注目していると、その真実を理解することは絶対に不可能です。今回、南京事件の真相を「パーフェクト」に暴いた「一次資料が明かす南京事件の真実」を刊行された池田悠氏にご登壇頂きました。「驚愕」としか表現のしようがない「真実」を知って下さい。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
日銀が2%のインフレ目標を設定した際も、メトリクスがコアCPI(エネルギーを含む)だったため、猛烈に批判しました。(その後、日銀はインフレ率の定義を「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に変えたようです。コアコアCPIよりはヌルイですが、コアCPIよりもマシです。)
さて、デフレ(総需要不足)とコストプッシュ型インフレが同時に発生しているわけですが、意外なことに政府の動きは(前と比べると)素早い。
『<独自>政府・与党が10兆円超追加経済対策策定へ
政府・与党が22日の令和4年度予算案成立後、10兆円を超える規模の追加経済対策の編成に乗り出すことが21日、分かった。ロシアのウクライナ侵攻で原油や穀物などの価格が高騰し国民生活が影響を受けており、ガソリンなど燃料価格の高騰を抑える補助金の延長や食料品の価格抑制、業績が悪化した中小企業の支援策などを講じる方針。夏の参院選をにらみ日本経済の下支えをアピールする。
政府は燃料高騰対策として、石油元売り各社に1リットル当たり25円を上限に補助金を支給している。3月末までの時限措置で3年度補正予算と3年度予備費から約4500億円を確保した。
ただ、ウクライナ危機による原油高で、補助額は今月17日から上限の25円に達した。侵攻は現在も続いており、日米欧の制裁強化で原油価格の先高観は強い。4月以降も同様の支援を継続する場合、期間にもよるが数千億~数兆円の財源確保が必要となりそうだ。
ガソリン税の一部を減税する「トリガー条項」の凍結解除も検討するが、発動には税制関連の法改正が必要で時間がかかる。支援を途切れさせないため、まずは補助金で対応する考え。
また、食料自給率の低さから大半を輸入に頼る小麦など食料品の価格も高騰している。経済対策では家計負担を軽減するため補助金などの仕組みも検討する。(中略)
新型コロナウイルス禍の長期化で、日本経済の需要と潜在的な供給力の差を示す需給ギャップは足元で20兆円程度あるとされる。自民・公明両党との距離を縮める国民民主党の玉木雄一郎代表は、これまでに10兆~20兆円規模の大型対策を求めており、与党内でも「一つの目安」と前向きな声が出ている。4年度予算案の成立を受けて編成作業を本格化し、4月中の閣議決定を目指す見通しだ。』
賛否両論(わたくしは「賛」ですが)あるでしょうが、今回は国民民主党が素晴らしい働きをしてくれました。
「野党のふるまいではない」
という批判はあるのでしょうが、個人的には「国民が救われる」ならば、政局はどうでも良いです。どうせ、分からないし。
国民民主党を含む三党幹事長会談などで、トリガー条項凍結解除や新たな経済対策が決まり、国民が救われるならば、それでいいです。
需給ギャップ20兆円というのは、あくまで「平均概念の潜在GDP」を使った数値で、最大概念ならば、もっと大きいです。
国民を救うための財政出動が必要です。国民民主党のみならず、他の野党も「国民を救うため」に何をするべきなのかを最優先に動いてほしいと、切に願います。
「政治家は挙国一致で国民を救うために動け!」に、ご賛同下さる方は、