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「国家の礎は供給能力」(前半)三橋貴明 AJER2022.2.1
    

 

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PB目標はグローバル・スタンダードに合わせようぜ[三橋TV第504回]三橋貴明・saya


https://youtu.be/mXYkDw6m8MQ

 


 相変わらず「財政破綻論(今は「ハイパーインフレ」)」を捨て去ってはいないのですが、小林慶一郎教授の、文藝春秋における中野剛志先生との対談時の、
『(小林) 貨幣は政府の債務です。「自国通貨建て国債はデフォルトしない」のは国債という債務を貨幣という債務に置き換えているだけだからです
 という発言は重要です。なぜなら、正しい上に、「貨幣」の本質を的確にとらえているためです。


 貨幣とは、モノではない。債務と債権の記録、つまりは貸借関係です。
 

 誰かが借りたときに、貨幣は生まれる。
 我々が銀行からおカネを借りるとき、預金通貨が発行される(銀行が我々の口座のお預かり金額を増やすだけですが)。
 政府が国債を発行し、日銀当座預金を借り、支出すると預金通貨が発行される。
 

 現金紙幣は、実に「おカネ!」的なイメージがありますが、実は日銀当座預金や銀行預金という「原初の貨幣」が紙の形を採ったに過ぎません。


 思い返すと、2012年までの日本銀行には、
「国債保有額は、現金紙幣(日本銀行券)の額を超えてはならない」
 という、謎の「日銀券ルール」がありました。今でも理解できないのですが、日銀預け金(日銀当座預金)と現金紙幣には、本質的な違いはありません。いずれにせよ、日銀の負債であり、「貸借関係」です。

【2013年3月末時点 日本銀行のバランスシート(兆円)】


http://mtdata.jp/data_78.html#201303BOJ

 黒田日銀が発足した時点で、日本銀行はわずか94兆円しか国債を保有していませんでした。94兆円は財投債を含んでいるため、日銀券(現金)の額88兆円に合せていたのでしょう。

 

【再掲 三橋貴明×佐藤健志 フランス革命とMMT(現代貨幣理論)】

現在、三橋貴明と佐藤健志による特別コンテンツ「信じがたい歴史的真実!フランス革命とMMT(現代貨幣理論)」がご視聴頂けます。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

 

円高に後手の日銀 高まる批判、苦悩深める 11年下期議事録
 日銀は31日、2011年7~12月の金融政策決定会合議事録を公開した。東日本大震災後の円高対応を迫られ、8月と10月下旬の会合で金融緩和を決定。しかし、効果は限定的で後手に回り、執行部が苦悩を深める姿が浮かび上がった。市場は緩和策を「小出し」と受け止め、日銀は政財界から強い批判を浴びる。(中略)
 同日の会合で白川総裁は「(日銀は)現在も長期国債を積極的に買っていると認識してもらう必要がある」と発言。国の借金を中央銀行が穴埋めする「財政ファイナンス」への懸念も生じていた時期で、日銀の政策判断への理解不足に苦慮していた様子がうかがえる。副総裁だった西村清彦政策研究大学院大学特別教授は「市場との対話が不足していた」と振り返る。
 円相場は10月末、1ドル=75円32銭の戦後最高値まで上昇、その責めを日銀は負った。この後、欧米から円安誘導に理解を得られなくなり、政府の為替介入は事実上封じられていく。円高対策を一手に引き受ける形となった日銀は、12年末に誕生する第2次安倍晋三政権による「アベノミクス」の大号令を受け、「異次元緩和」に足を踏み入れることになる。』

 なぜ、このタイミングで2011年の議事録が公開されたのかよく分からないのですが、いずれにせよ日銀が、
『国の借金を中央銀行が穴埋めする「財政ファイナンス」』
 という、意味不明な和製英語の呪縛を受けていたことが分かります。


 繰り返しますが、中央政府の国債買取(Monetization)は「国債の貨幣化」であり、財政ファイナンスなる珍妙な用語ではありません
 さて、今度は直近(2021年9月)の日銀のバランスシートを見てみましょう。

【2021年9月末時点 日本銀行のバランスシート(兆円)】


http://mtdata.jp/data_78.html#BOJBS

 2013年時は180兆円に満たなかった日銀のバランスシートが、800兆円近く(!)に膨張しています。


 資産サイド(借方)を見ると、94兆円だった国債保有額は、513兆円に膨らんでいる。日銀は、400兆円以上もの国債を買う「おカネ」を、どこから調達したというのでしょうか。


 答えは分かりますね。どこからも調達していません。単に、自らのバランスシートの貸方の「日銀預け金」を増やしただけです。帳簿を付けるだけで、国債を(論理的には無限に)買い取れる存在が日本銀行なのです。


 現実に、日本銀行は400兆円を超す国債を原初の貨幣と交換し、「貨幣化」してしまった。破綻論者たちの用語を使えば「財政ファイナンス」をした。それにも関わらず、何も起きていない。
 

 それにも関わらず、政治家たちは、
「財政ファイナンスの政策は採らない」
 と、意味不明な発言をするのが日本国です。


 変動相場制の独自通貨国では、国債は「貨幣化」できる。というか、日本は散々にやっている。まずはこの現実を認めることが、緊縮財政転換の第一歩になると思うのです。
 

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