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「ガソリン税の「トリガー条項」の凍結を解除せよ!」(前半)三橋貴明 AJER2020.12.7
    

 

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土居丈朗と小林慶一郎が「日本国債は債務不履行にならない」と認めた [三橋TV第485回]三橋貴明・高家望愛

https://youtu.be/cQQItaYPq98

 

 

 矢野論文を切っ掛けに、「財政破綻」の議論が始まり、土居丈郎・慶応大学教授や小林慶一郎・慶応大学教授が、
「日本国債の債務不履行はあり得ない」
 と、認めざるを得ない状況になっておりますが、財政破綻論者たちは「次」はどうするでしょう。


 もちろん、
「ハイパーインフレーションが~っ!」
 とならざるを得ないわけですが、まさに彼らの祖国「日本」が、日銀が国債(既発債)を買い取っても、ハイパーインフレーションどころかインフレ率2%すら達成できないことを証明してしまった

【日本のマネタリーベース(右軸)とインフレ率(左軸)】


http://mtdata.jp/data_77.html#MBInf

 当たり前です。何しろ、インフレ率とは財やサービスの購入(需要)と、供給能力のバランスで決まる。財やサービスの購入が増えない以上、インフレになることはないのです。


 となれば、どうするか。
「ある日、突然、月が落ちてくる」
 と、やる以外に方法はないわけですね。


 あ、そういえば、小林教授は中野剛志先生との対談で(文藝春秋)、第一次世界大戦後のドイツの例を出していました。

『(小林) たしか変動相場制かつ自国通貨だけの務でハイパーインフレになった例はあまりありませんね。
(中野) 「 あまり」 じゃなく て「 ない」 ん です。
(小林)  でも第一次世界大戦 後 の ドイツのハイパーインフレなどは、 マルク という通貨への信認が失われたことで起きたと言えると思います。   
(中野)  あれは財政出動のし過ぎによるのではなく、戦争で供給網が破壊されて、さらにフランスなどにルール炭田を占領されたことで供給不足になったから起きたんですよ。
(小林)  それだけで通貨の価値が一兆分の一になることはないと思います。 供給が何兆分の一になったわけではないから。 私が言いたいのは、戦争に限らず、何かのきっかけで通貨 への信認が失わ れるケースはありうるという こと です。 
◆政府債務の限界はあるか
(中野) それも、財政出動し過ぎて通貨への信認が失われたケースではないですね。
(小林)  ドイツの債務返済が問題になったわけで政府債務は通貨の信認喪失に絡んでいました。 日本の対GDP比債務残高はすでに未曾有の領域にありますが、これが何%になると国家が破綻 するのか、 理論的な限界は実は分かっ ていない。
(中野) 分からないのも当然で、そんな限界はないからです。』

 さて、破綻論者たちが頻繁に(というか懸命に)持ち出すドイツのハイパーインフレですが、中野先生が解説している通り供給能力が一気に縮小したことに加え、
「戦時賠償」
 の問題があります。インフレに加え、巨額過ぎる戦時賠償を(主にフランスに)支払わねばならず、ドイツ政府はひたすらマルク紙幣を発行せざるを得なかった。当然、マルクの対ポンド(当時はポンド)の為替レートは下落していきますが、そうなれば、ますますマルクを発行しなければならない。


 という、特殊事情があったわけですね。
 

 まあ、財政出動と言えば財政出動と言えないこともないのですが、あくまで「外国への支払い」でございます。外国への支払いは、為替レートに影響しますので、インフレ率を(輸入物価引き上げを通じ)上昇させていきます。


 それに対し、我々は「日本国内に財政出動せよ」と主張しているわけで、為替レートとはほぼ無関係です。何しろ、直接的に日本円が外貨に両替されるわけではない。しかも、ドイツの戦時賠償のごとく、天文学的金額(国家予算の数十倍)の財政出動をやれなどとは言っていない。

 

【歴史に魅せられて、myが聞いてみた〜皇統論編〜(後編)】

現在、三橋貴明とmyによる特別コンテンツ「歴史に魅せられて、myが聞いてみる 皇統論編 (後編)」がご視聴頂けます。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

 

 いずれにせよ、ハイパーインフレーションにしても「プロセス」があるわけです。ついでに「政府の債務不履行」にしても「プロセス」があります。


 とはいえ、破綻論者は不勉強なのか、それともプロセスを説明して突っ込まれるのが嫌なのか、「ハイパーインフレーションは突然に♪(笑)」を歌い出します。
 

 そして、藤巻ルートを突っ走ることになる。

『「給付金10万円にしか興味がない」日本の政治家が"お金配りおじさん"になる悲劇的な結末 日銀の破綻で「一億総貧乏」になる
(前略)中央銀行の債務超過が「災厄」を招く
 私が間近に迫っていると考える危機とはハイパーインフレだ。
「今、デフレ脱却が成功したか否かの時期なのに何を言うか」と思われる方がいるかもしれないが、デフレ/インフレとハイパーインフレは原因が異なる。
 デフレ/インフレはモノやサービスの需給のギャップによって起こるが、ハイパーインフレは中央銀行の債務超過によって起こる。したがってデフレからハイパーインフレへと一晩のうちに変わってもおかしくない。
 ハイパーインフレは中央銀行の破綻で起きる。元米財務省長官でハーバード大学学長をされたサマーズ氏が「インフレを起こそうと思えば簡単だ。中央銀行が信用を失えばよい」と発言したことがある。
 中央銀行が信用を失う最たるものは債務超過だ、民間銀行でいえば倒産状態だ。
 よく通貨は国力で決まると言われる。私も確かにそうとは思うが、それは「中央銀行が健全であるならば」という前提条件が成立している時の話に過ぎない。(後略)』

 相変わらず、藤巻は「日銀の債務超過でハイパーインフレーション!」と喚いています。もう、他にネタが無いんだろうけど。


 ちなみに、日銀は時価会計ではないため、国債金利が上がったところで、日銀が「債務超過」になることはありません。
 ついでに、何か意味不明な理由(ごめん、わたくしは思いつかない)で債務超過になったとして、政府が資本を増強するだけの話。

 

 株式会社が時価会計なのは、利益を目的としているためです。特に、利益目的で投資する株主たちへの情報開示として、時価会計を採用しているのでございます。


 それに対し、日銀は利益を目的としておりません。保有する国債など、未来永劫借り換えて、「金利を政府からもらって戻す」を繰り返していれば良い。


 藤巻はようやく、
「日本国債の債務不履行はあり得ない」
「インフレ・デフレは需要と供給能力のバランスで決まる」
 を理解した、というか「理解してしまった」ため、この種の荒唐無稽な理論で、
ある日、突然、ハイパーインフレーションになる~(笑)」
 とやらざるを得なくなった。そのための理屈を懸命に毎日、探し続けているわけです。


 そんな人生、楽しい?
 

 財政破綻論者の皆様に忠告です。悪いことは言わない。藤巻ルートではなく、浜田ルートを進みなさい。


 そういえば、浜田宏一教授って、なぜかいつも楽しそうじゃないですか。

 

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