株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。
チャンネルAJER更新しました。
「地方自治体も貨幣の発行者になれる」(前半)三橋貴明 AJER2020.9.13
令和の政策ピボット呼びかけ人に「株式会社マネネCEO・経済アナリスト 森永康平様」が加わって下さいました。
また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!
米中の植民地から脱しよう! 東京九区、小林興起氏登場 [三橋TV第461回]小林興起・三橋貴明・高家望愛
以前、三橋TVで「財政破綻論」から「国民国家崩壊」までのプロセスについて解説したことがあります。
1.財政破綻論:政府は国の借金で破綻する。もはや「国民」のためにおカネを使うことはできない。といった虚偽情報の拡散、浸透、蔓延。
↓
2.自己責任論:政府は国民を救わない。全ては自己責任である。といった国家の機能を否定する論調の拡散、浸透、蔓延。
↓
3.非常時の国民の選別:非常事態が発生した際には、「政府はカネがない。全ての国民を救えない」というレトリックで国民の選別開始
↓
4.国民分断と国民国家崩壊:選挙結果を受け、勝者がおごらず、敗者が敗北を認めるための基盤であるナショナリズムが破壊され、民主制が成立しなくなり、「異なる政体」へと変わり、国民国家が崩壊する。
というわけで、わたくしは「国民の選別をするな」と、コロナ禍開始直後から訴え続けてきました。
興味深いのですが、財政破綻論と国民選別論はコインの裏表の関係にあります。つまりは、
「財政が破綻するから、国民を選別しなければならない」
というレトリックになっているのです。
他にも、
「財政が破綻するから、ゾンビ企業は退場させるべき」
「財政が破綻するから、救う地域と救えない地域を選別するべき」
などなど、色々とレパートリーがあるのですが、全て90年代後半以降に日本で猛威を振るったグローバリズム(新自由主義)を推進するレトリックです。すなわち、垂直統合モデルや東京一極集中を推進し、企業や地域の多様性を失わせる。
昨日取り上げた日経の記事も、財政破綻論に基づく、国民に対する「選択と集中」を主張していました。「困っている人を救え」ですが、そもそも「困っている人」の定義は示さない。
「困っている人を救え」論に基づく、支援の選択と集中を主張するということは、選択から漏れた人を「見殺しにしろ」と言っているのも同然であることに、多くの人は気が付かない。
無論、「支援」の選択と集中論者は、
「自分が決めた「困っている人」の定義から外れた国民は、見捨てま~す」
とは主張できないため、財政破綻論が利用されるというわけです。そして、「選別から漏れた国民を見捨てる」政策を、美辞麗句で包んでそれっぽく主張する。
【歴史に魅せられて、myが聞いてみた〜皇統論編〜(前篇)】
現在、三橋貴明とmyによる特別コンテンツ「歴史に魅せられて、myが聞いてみる 皇統論編 (前編)」がご視聴頂けます。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/
『(社説・21衆院選)子どもの未来をひらく真の政策を競え
コロナ下の日本は、急速な出生数の減少と子育て環境の悪化に直面している。実効性ある子ども・子育て政策が急務だ。子どもがすくすくと育つ環境があってこそ、社会や経済の活力が保たれ、社会保障制度も維持できる。
各党の公約で目立つのは、経済面の支援だ。児童手当の拡充や出産育児一時金の増額といったメニューを競う。公明党は高校3年生までのすべての子どもに一律10万円相当を給付する公約を掲げた。立憲民主党は年収1千万円程度までの人を対象とする時限的な所得税の実質免除などを訴えた。
困っていない家計にまで一律にばらまいては、いたずらに財政を悪化させるだけだ。財源には限りがあり、冷静に優先順位をつけねばならない。高齢者の社会保障を効率化しながら、子どものための予算を確保する。痛みを伴う改革を断行する覚悟も問われる。(後略)』
今度は「財政悪化」を理由に、高齢者の社会保障費用を削減し(=効率化)、子供向け予算を増やせと「それっぽく」主張しているわけです。高齢者と子育て世帯を分断したいようですね。
現在の日本では、この種のレトリックで政策が進められると、「社会保障費用は削減され、子供向け予算も増えない」というオチに必ずなります。何しろ財政が破綻する~んですもん。
しかも、日経は「困っていない家計」と、選別論を言い出しています。だから、困っている家計と、困っていない家計の「定義」を早く示せよ。
日経の国民選別論の根底には「財政破綻論」があります。財政破綻論の間違いさえ理解すれば、この種の「選別」「選択と集中」がいかに間違った政策であるかが分かるのです。
財政破綻論を払拭しない限り、我々は「国民国家」としての共同体を維持不可能になります。急がねばなりません。
「日経は『国民の選別』をやめろ!」に、ご賛同下さる方は↓このリンクをクリックを!
日本経済復活の会のホームページはこちらです。