株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER更新しました。

「変わる世界の経済学変わらない日本の経済学」(前半)三橋貴明 AJER2020.3.23

    

 

令和の政策ピボット呼びかけ人に「俳優 伊原剛志様」が加わって下さいました。

また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!

 

 

日本人消滅??少子化と首都直下型地震という脅威に立ち向かえ![三橋TV第375回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/45Jin5WOBM8

 

 

 今年、最もおぞましい記事。日本経済新聞の大機小機。

ポストコロナと「国民連帯税
 新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)は、同時に進行していたデジタル社会の変革の流れと相まって、生活様式や考え方に大きな影響を与えた。
 問題はパンデミックが、国と個人の関係、国家の役割にどのような影響を与え、それが今後の経済政策や財政・税制にどのような変革をもたらすかということである。(後略)』

 大機小機は、今後の日本の税制について、
格差是正・所得再分配機能の強化には金融所得課税の見直しが必要だ
 と、まともなことも書いています。


 何度も繰り返して恐縮ですが、個人的には配当金など金融所得の分離課税が許せない。
 何で、不労所得の方が労働所得より税率が低くなるんですか? おかしいでしょ?


 特に、報酬を配当金という形で受け取っているオーナー社長たち。ちっぽけな中小企業の社長であるわたくしが最高税率で、上場企業の社長は税率20%って、異様でしょ? どう考えても。


 というわけで、大機小機は金融所得課税について、まともなことを書きつつ、その後、とんでもないことを言い出す。

『最重要は、コロナ禍で膨張した歳出の後始末である。東日本大震災時には、国民が連帯し所得税や住民税などの時限的付加税で復興費用を25年かけて賄う仕組みを作った。
 コロナ対策費用は70兆円を超える。国民が連帯して政策を支える証しとして同様の仕組みを作り、後世代へのつけを避けるべきだ。「国民連帯税」として国民全員が応分の負担をするという考えが、ポストコロナの思想を育む。』

 そもそも、「歳出の後始末」など不要です。


 何しろ、2020年度のPB赤字を69兆円にまで拡大したにもかかわらず、金利も上昇せず、インフレ率もゼロ(もしくはマイナス)。
「何も起きていない」
 にも関わらず、なぜ「後始末」が必要なのでしょうか。


 例えば、中世欧州の国王や領主が、貨幣(金貨・銀貨)を鋳造し、領民を救うために支出したとします。「インフレ率」が健全な範囲で推移する限り、
「何の問題があるの?」
 という話です。君主の貨幣発行が、「将来世代へのツケ」になるとでもいうのでしょうか。 


 大機小機は「なる」と言っているわけで、お前、どこまで頭が悪いんだ・・・・、と、絶望感が沸き起こってきます。
 

 無論、中世欧州の君主たちが、戦費調達のために「将来の税収」を担保に、銀行家から金貨・銀貨を借りたことは事実です。それは確かに、将来世代へのツケですわ。でも、金貨・銀貨を自ら鋳造する場合は違うよね? そのくらい、分かるよね。
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

お待たせいたしました。【三橋貴明×関良基】歪められた「開国」の歴史 後編〜日本が清・インドのように植民地にならなかった本当の理由 が公開になりました!

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

 

 日本で言えば、政府が外貨建て(ドル建てなど)の負債をしたとなると、これは確かの将来世代へのツケになります。日露戦争の際に、日本政府はポンド・ドル建て国債を発行し、これは「将来」にかけて返済されていきました(確か、返済完了が1980年代)。


 また、戦後の日本政府は世界銀行から外貨を借り、これも「将来」に渡り返済。最終返済年が、1990年です。


 それに対し、日本円建ての国債は、返済の必要がありません。理由は、まさに国王・領主の貨幣発行と同じだからです。


 それにしても、大機小機の「国民連帯税」というネーミングのおぞましさ。「欲しがりません、勝つまでは」を思い出してしまったのは、わたくしだけではないと思います。


 無論、大東亜戦争期の日本は供給能力不足だったため、財やサービスの需要を国民が我慢するというのは、一定の合理性はありました。
 

 それに対し、今回は単に政府が貨幣を発行する(国会で予算を通す)だけで、「全ての国民を助ける」ことができるのです。


 それにも関わらず、正しい解決策から目を背け、存在しない財政破綻論に基づき「国民が連帯して、借金を税金で返済するべきだ」とやっているわけです。繰り返しますが、絶望感が沸き起こってきます。


 しかも、「国民連帯税」というネーミングには、我々の共同体意識を悪用し、
「へえ。国民連帯税に反対するんだ? それでも国民か?」
 と、増税に反対する者を言論的に弾圧する意図が透けて見えるのです。


 この手の狂った動きには、声を大にして反対しなければなりません。日本とは、国民連帯税といったおぞましき政策が、普通に通ってしまう国なのです。

 

「おぞましき国民連帯税に反対する!」にご賛同下さる方は↓このリンクをクリックを!

本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。

◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページはこちらです。

㈱日本富民安全研究所のブログ絶望の先にはこちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」はこちらです。