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「変わる世界の経済学変わらない日本の経済学」(前半)三橋貴明 AJER2020.3.23

    

 

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インフレのリスクとデフレのリスクを比較する真っ当な議論をしよう [三橋TV第370回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/l_wZwcn6r-g

 

 

 以前、「銀行預金という貨幣を消す方法」は三つしかないと解説しました。すなわち、銀行融資の返済、現金紙幣化(いわゆる「引き出す」)、そして納税の三つです。


 逆に言えば、税金は「銀行預金を消す」ことができるわけです。
 

 政府が徴税により、銀行預金を消す、つまりは我々の純資産や可処分所得の一部を取り上げると、当たり前ですが我々は財やサービスの購入を減らす。
 つまりは、インフレ抑制という「政策効果」があることになります。


 あるいは、東京一極集中の解消のために、
「東京圏から地方に移った企業や個人は、法人税や所得税を減免する」
 という税制は、確実に有効です。


 特に、地方と東京を結ぶ高速鉄道、高速道路という交通インフラの建設とセットで行えば、政策的な効果は高くなります。


 何よりの証拠に、わたくしはJR東海のリニア新幹線建設を受け、
「リニアの駅ができる飯田市に土地を買い、家を建て、品川まで(45分で)通勤する」
 というライフスタイルを「人生の目標」に据えたわけです。(コロナ禍で、なかなか進まないのですが) この上、税制優遇があるなら、最高ですな。前倒しで(リニア新幹線が完工してなくても)移住します。


 東京圏と、それ以外の地域の「時間的距離」を交通インフラ整備で短くし、「日本を小さく」した上で、税制優遇もある。と、ここまでやって、初めて東京一極集中は解消に向かい、少子化(というか非婚化)の原因の一つがようやく取り除かれることになります。


 あるいは、森井じゅん先生が三橋TVで解説して下さった通り、「消費税」という税制には、従業員の非正規雇用化、個人事業主化を促す効果があります。
 

 消費に対する罰金であり、民間最終消費支出という需要を減らす上に、企業経営者に対しては「雇用への罰金」である消費税は、日本史上「最悪の税金」なのです。(消費税を上回る「最悪の税金」が登場するとなると、人頭税以外には存在しないと思います)
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

現在、【三橋貴明×関良基】歪められた「開国」の歴史〜日米修好通商条約の締結時点では「関税自主権」はあった!?の一部をYoutubeで公開中!

https://youtu.be/TcPKV90XccM

 

 かように、税金には様々な「政策的目的」(良きにせよ、悪しきにせよ)があるわけですが、唯一、ないのが「財源としての機能」です。


 もちろん、室伏先生と森井先生が話してくださっていますが、地方自治体は別です。これは、ステファニー・ケルトン教授が「財政赤字の神話」で解説しているのですが、地方自治体は「貨幣の利用者」であり、発行者ではありません。つまりは、我々個人や非金融法人企業と同じ立場にあるのです。


 というわけで、地方自治体にとって税金は「財源」なのですが、中央政府にとってはそうではない。中央政府にとって、税金とは政策実現のための「手段」に過ぎないのです。(※ビルトインスタビライザー、所得格差縮小等も、特定の政治目的です)


 ところが、現実には「貨幣のプール論」に支配された日本政府は、税金を財源として捉えている。さらには、政府の貨幣発行(国債発行)について、税金で返さなければならないなどと、17世紀の欧州諸国の国王たちと同じレベルの間違いを犯している。

コロナ対応で巨額予備費「必要だった」 麻生財務相
 麻生太郎財務相は30日の閣議後記者会見で、2020年度補正予算で新型コロナウイルス対策として積んだ計11兆5千億円の予備費をほぼ使い切ったことについて「予備費のおかげで迅速に対応できた。緊急事態では必要な手段だった」と述べた。
 予備費は内閣の判断で自由に支出できるため、使い道のチェックが甘くなる問題点が指摘されている。政府は21年度予算でも5兆円のコロナ対策予備費を計上しているが、麻生氏は「使わずに済めばいい。大きな支出を伴ったので、(財政を)修復していくのが仕事として残っている」と話した。』

 違うから。


 必要なのは財政の修復ではなく、税金の役割を含む「財政観の修復」だから。特に、麻生太郎財務大臣は、重症です。早く修復しないと、国民の迷惑だよ。すでに、迷惑が掛かっているよ、しかも、生き死にに関わらう迷惑が。


 財政観の修復のためには、貨幣観の転換が必要で、一朝一夕にはいかないでしょう。
 

 それでも、やるしかないのですよ。日本の緊縮財政を終わらせ、経済成長路線に戻り、中国との「ワニの口」を閉じる。そのために、残された時間は、精々が「数年」しか残されていないのです。

 

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