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経世済民学_年末特別対談『三橋貴明&安藤裕「日本経済この一年」Part1』
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支持率を下げろ! 財政破綻論の嘘があからさまになった今こそがチャンスだ! [三橋TV第345回] 三橋貴明・高家望愛 

https://youtu.be/s68qGAIJf9M


【RE:明るい経済教室 #20】貨幣の生成と消滅のプロセス、では国債は?[R3/1/28]
https://youtu.be/dhmjIe9taN4

 最近、わたくしが心の底から嫌悪感を抱く言葉が「モラル・ハザード」です


 モラル・ハザードとは「倫理が欠如していること」「倫理観や道徳的節度が消失し、社会的な責任を放棄すること」といった意味になります。
 

 現在の日本では、例えば、
政府がゾンビ企業を救済することはモラル・ハザードを招く
政府が国民を無闇に救済すると、モラル・ハザードが起き、国民が働らかなくなる
 といった使い方がされます。


 要するに、自己責任論に基づく苛政に対する言い訳です。
 

 日本の場合、政府の失政によりコロナ流入を食い止めることができず、結果、パンデミックが発生。国民が困窮し、企業が経営悪化をしたとしても、
「ここで、公助により国民や企業を救済してしまったら、モラルが失われる」
 といったことを平気で言ってのける政治家が大勢います(特に、自民党)。
 

 頭、おかしいんじゃないの!? 
 

 平時であっても、「政治」は国民を見捨ててはなりません。理由は、そもそも国民国家の政治権力は、「同じ共同体」に属する国民を救うためにあるためです。国民を救わない政府が権力を持つことは、正当化されないのです。


 平時であっても、不注意で交通事故に会う人はいます。それを、
「本人の責任で交通事故に会ったんだ。自己責任だ。ここで助けてしまったら、モラルが失われて、カネがいくらあっても足りなくなる」
 と、見捨てるのと同じなんだよ、モラル・ハザード論者は!


 ましてや、非常時にモラル・ハザードだ何だと言い出す・・・・。普通に、頭おかしいですね、ハイ。


 結局のところ、
「間違った貨幣観(財政破綻論)⇒自己責任論」
 と、進み、さらに自己責任論を批判されないように、モラル・ハザード論を唱えているに過ぎないのです。


 しかも、話が厄介なのは、何しろ1億人以上が暮らす日本です。確かにモラル・ハザードを起こしている国民もいますよ、そりゃあ。1億2千万人、全員がモラルを守るはずがないでしょう。

 

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『都など延長不可避、緊急事態宣言 1都3県は休業要請視野
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を巡り、東京都などで2月7日までの期限の延長が避けられない情勢となった。政府は来週中に基本的対処方針等諮問委員会を開く。専門家による感染状況の分析を踏まえ、具体的な延長幅や対象地域などを決める。(中略)
 今回の宣言では飲食店などを対象に午後8時までの時短営業の要請にとどめた。1都3県は29日の共同宣言で、延長になれば「休業要請など施設の使用制限のあり方を含めたより強い措置を検討せざるを得ない」と明記した。
 政府は時短要請に応じた店舗などに1日6万円の協力金を支援している。政府が8割を負担し、残りを自治体が負担する仕組みだ。政府は予備費から1兆円規模を支出し、都も1528億円の補正予算を講じている。
 宣言が延長になれば、協力金の上積みが必要となり、国や自治体の財政は一層逼迫する恐れがある。(後略)』

 例えば、一日6万円、30日180万円の協力金を「ビジネス化」した飲食店経営者もいるでしょう。元々、全く利益が出ていなかった店舗を占めて、何もしないで180万円、というわけです。


 さらには、実際には営業しない店舗を新たに届け出て、協力金をだまし取っている悪質な人も、確かにいると思います。
 

 恐らく、今後↑この手の悪質な事例がクローズアップされ、
ほら見ろ! 協力金を支給すると、モラル・ハザードが起きる。だから、協力金は全面的に停止だ!
 と、「木を見せ、森を見せないプロパガンダ」が展開されるに決まっているのです。


 でもね、今は非常事態なんだよ。

 

 そりゃあ、悪いことする人もいるさ。
 

 だからと言って、協力金により救われるはずだった飲食店も、
全部、潰れろ! 協力金を貰わなければ生き残れないゾンビ飲食店を残すなど、モラル・ハザードだ!
 と、言ってのける? 政府の要請により、時短をしている飲食店に?
 

 色々と書いてきましたが、「モラル・ハザード」と口にする人は、国家観が間違っているか、貨幣観が間違っている。あるいは、双方を間違っているかのいずれかです。
 

 そもそも非常事態とは、モラルだ何だ言っていられない状況を意味するのです。これが、疫病パンデミックではなく、「中国との全面戦争」であると想像してみてください。その際にも、モラル・ハザードという言葉を使えますか?


 モラル・ハザードという言葉を使う者は、まさに自分のモラルが崩壊していることを自ら証明しているのです。


「少々のことには目をつぶり、全ての国民を救う」
 と、
「モラル・ハザードが起きるから、救わない」
 いずれが相対的に正しいか、理解できないなら人間をやめた方がいいですよ、ホントに。
 

「少々のことには目をつぶり、全ての国民を救おう!」に、ご賛同下さる方は、

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