株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER
『現代貨幣理論入門ー貨幣ピラミッドー(前半)』三橋貴明 AJER2019.9.17

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

令和の政策ピボットの賛同人が2万人を突破しました。
また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!

 

三橋TV第141回【消費増税対策のポイント還元の裏に潜む”奴ら”】

https://youtu.be/XKoy8l3AidQ

 

 昨日はチャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。

 
 改めて、国民経済の五原則。
◆国民経済において、最も重要なのは「需要を満たす供給能力」である。
◆国民経済において、お金は使っても消えない。誰かの支出は、誰かの所得である。
◆国民経済において、誰かの金融資産は必ず誰かの金融負債である。
◆国民経済において、誰かの黒字は必ず誰かの赤字である。
◆現代世界において、国家が発行する貨幣の裏づけは「供給能力」である。
 
 本日は。
「国民経済において、お金は使っても消えない。誰かの支出は、誰かの所得である。」
 のお話。

 今でこそ、
「んなの、当たり前だろ、今更、何言ってんだ、三橋は」
 と。思われる方が増えてきましたが、12年前はほぼ理解者が皆無。そもそも、この手↑の説明、解説をする人が、ほとんどわたくし以外にはいないという惨状でした。

 しかも、日本国民は完全に「マクロ」で考える能力を失い(元々、持っていなかったのかも知れませんが)、全てを「自分」の世界でしか考えられない状況。

 モノやサービスを買えば、おカネは消える。
「そりゃ、アンタの手元からカネは消えるけど、おカネは売り手に移っており、所得になっている」
 と、何度、説明しても、理解してもらえませんでした。つまりは、思考の枠組みが「自分」というミクロに限定されており、社会、国民、経済(経世済民)、安全保障といった「マクロ」で考えることが不可能だったのでしょう。

 とはいえ、政治とは常にマクロです。政治とは「国家」がいかなる行政(あるいは「行政サービス」)を生産するかであり、個人の話ではありません。

 さらには、政治とは予算というよりは「リソース(ケルトン教授式に言えば)配分」の問題であり、全員が平等に公正に恩恵を受ける政策は存在し得ません。日本の場合は、財政的な予算制約はありませんが、供給能力、リソースの制限があります。

 制限がある以上、供給能力は「特定の国民」にのみ使われます。もっとも、国民経済は繋がっており、「誰かの支出が、誰かの所得」であるため、政府の「不公平な行政サービスの生産」により、所得拡大や安全保障強化、市場拡大といった恩恵は、最終的には全国民に行き渡るのかも知れません。

 もちろん、行き渡らないかも知れません。
 
 それを、「できる限り至るように」主張し、国会で予算化し、行政を動かすことができる人物が、本物の「政治家」なのでしょう。

 さて、ミクロとマクロの違いですが、重大な問題は「ミクロの合理的な行為が、合成されるとマクロで災厄をもたらす」ケースが少なくないことです。すなわち、合成の誤謬です。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※12月12-13日、邪馬台国視察ツアー「歴史に魅せられて、マイと辿る邪馬台国への道」開催決定!(三橋貴明、長浜浩明先生、高家望愛さんも同行します)
 
 田村秀男先生が、
「日経新聞は耐乏生活の勧めか、あほらしい。経済を担う世代にこれ以上消費を削減させておいて、どうするつもりなのか。いやしくも経済新聞を名乗るなら経済成長を考えたらどうかね」
 と、怒りのツイート(気持ちは分かります)を書いていらっしゃった、日経の記事です。
 
『消費増税に節約で勝つ 日常生活品にこそ削る余地あり
 今月のマネーハックは「節約」がテーマです。前回記事「『2×2』の発想で節約 まず固定費を徹底的に見直す」で紹介した「2×2」の発想法で、今回も引き続き、2つの軸を使って節約法を整理していきます。
 紹介した軸は「固定費か、日常生活費か」「完全にやめるか、割安にするか」で、先週は「固定費」を「完全にやめる」と「割安にする」という2つの節約法を考えてみました。
 今週は日常生活費についての2つの節約法を考えてみます。「削る余地なんてないよ」という人ほど削る余地はまだ残っているものです。10月から消費税が10%になりますから、がんばって取り組みましょう。
■日常生活費を削減するため、まずは買わない生活を
 1つめは「日常生活品を買わない」というアプローチです。私たちは思った以上に「買いすぎ」ていますし、「買わなくてもいいもの」に手を出しています。(後略)』
 
 日経の記事は、我々が日常的に「買わなくていいものを買っている」ということで、消費税増税を切っ掛けに買い物を見直し、とりあえず「買わない」という行動を試してみ? そのうち、ああ、実は買わなくっても良かったんだと分かるよ。
 という、節約礼賛の記事です。

 というわけで、日経の言う通り、我々が買うのを減らすと、その分、「買われるはずだったのが、買われなかった」製品を生産している人々の所得が減ります。所得が減った人々は、日経新聞を買うのをやめるという行動を採るでしょう。と言うか、採ろうっ!
 
 国民経済は繋がっている。

 一人一人にとっては合理的な「節約」が、マクロに合成されると「全体の所得縮小」をもたらす。特に、97年、14年のデータから明らかな通り、消費税増税は「実質で生産=所得」を減らしてしまいます。理由は簡単で、我々が「実質で消費を減らす」ためです。
 
【日本の実質賃金の推移(2015年=100)】
 
 生産=支出(消費+投資)=所得。GDP三面等価の原則からは、誰も逃れられません。
 
 日経の「消費税増税は節約で乗り切れ」は、ミクロでは合理的です。とはいえ、それを国民が一斉に始めると、カタストロフィになります。

 もちろん、悪いのはデフレ期の消費税増税を強行する政府です。安倍政権です。
 とはいえ、「合成の誤謬」を理解せず、事態を悪化させる節約礼賛を続けてきたメディアも、間違いなく共犯者です。

 厄介なことに、消費税増税でメディアの煽りもあり、消費が減ると、実質賃金が減り、税収も減り、赤字国債が増えます。すると、
「国の借金で破綻する~っ!」
 というわけで、更なる消費税増税という悪夢の循環に突入します。というか、しています。

 我々は、合成の誤謬という亡国の呪いを打ち払わなければなりません。が、実質賃金が下落している状況で、国民に消費を増やせなど、無茶な話です。これだけ儲からない国では、企業は投資をしません。

 結局、デフレ期に積極的に支出を拡大できるのは、政府しかいません。
 
 「国債発行+財政出動+消費税廃止」。これが、唯一の正解です。消費税の廃止がすぐには難しいとしても、国債発行+財政出動は、国会で予算を組むだけで可能です。

 政治家に「国債発行+財政出動」を求めて下さい。これでも、12年前と比べると、国債発行や財政出動を主張する国民、政治家は確実に、着々と増えてきています。
 その変化は、改めて振り返ると驚くほどで、この「理解している国民」が増えている現実こそが、我々の希望なのです。
 
「国債発行+財政出動+消費税廃止を!」に、ご賛同下さる方は、
↓このリンクをクリックを!
本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。