株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER
『MMTとハイパーインフレ論者(その1)(前半)』三橋貴明 AJER2019.7.2
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
7月16日(火) MMT国際シンポジウム
パネリスト:ステファニー・ケルトン(NY州立大学教授)、藤井聡(京都大学大学院教授)他

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
令和の政策ピボット呼びかけ人に映画批評家の前田有一氏が加わって下さいました。
また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!
 
三橋TV第110回【中野剛志先生から社会科学を学ぼう】
 
 昨日は、チャンネル桜「日本よ、今...「闘論!倒論!討論!」 」に出演しました。
 
 MMTの肝というか、「MMTが説明した現実」は、
1.銀行(市中銀行、中央銀行)は、借り手に「書くこと」でおカネを発行している
2.スペンディングファースト。政府は徴税なしで支出をしている(支出できる、ではない)
3.統合政府の赤字は、民間経済の黒字である(※海外除く)
4.通貨が流通する理由は、徴税システムが「自国通貨」による納税義務の履行を求めるため
 などになりますが、上記は単なる事実であるため、誰にも否定できません。

 4は、まあ、強引に否定論を展開することはできるかもしれませんが、残りは不可能です。リンゴから手を離したら、地面に落ちる、と同じく普遍的な話です。

 とはいえ、以前も書きましたが、1から3にしても、常に成立していたわけではありません。というか、ゴールドスミス・ノート(金匠手形)以前には、少なくとも「1」は成立していなかったはずです。

 もちろん、宋の文明を引き継いだ元が、銀本位制を無視して不換紙幣を発行したりもしていましたが、あくまで政府支出に際するおカネ発行です。「民間」の銀行が貸し出しの際に「書くこと」でおカネを発行し始めたのは、やはりイングランド王国が初めてでしょう。
 
 いきなり話が変わりますが、先日の三橋TV公開収録の光景をスタッフが撮ってくれたので、ご紹介。 
 
【2019.7.5 三橋TV公開収録オープニング】
 
【2019.7.5 三橋TV公開収録後の懇親会】
 
 また、20万チャンネル登録といった節目を迎えたら、公開収録をやりますね

 話は戻ります。

 資本主義とは、
「生産者(企業)が将来の所得(利益)のために、今、おカネを借り、資本を投じる(=投資)」
 ことが基本モデルになっています。

 例えば、A製品の需要が膨大にあるが、工場の生産能力が足りない。
「じゃあ、新たな工場を建設するために、十年かけてカネを貯めるか~
 などとやっていた日には、商機を逃してしまいます。十年後に、需要が残っているかどうかも分かりません。

 というわけで、生産者は「今」おカネを借り、投資し(工場建設など)、生産量を増やして儲けるわけです。

 ここまでは誰でも理解していますが、問題は↑このとき、銀行が貸してくれたおカネは、どこから調達されたのか? になります。

 答えはお分かりでしょう。どこからも調達されていません。銀行は、単純に借り入れを求めた生産者の通帳の「お預かり金額」に数字を書いただけです。

 その書かれた数字が、工場の建設業者、設備のメーカーなどに支払われ、生産者は工場という資本を活用し、生産活動を拡大することになります。

 おカネを借りようといたときに、銀行が、
「あ、あ、あ、分かりました。ちょっと、どこかからおカネを引っ張ってくるので、しばらく待って下さいね」
 などと、主流派経済額の「おカネのプール論」的なことを迫られるのでは、資本主義の発展はあり得ないのです。何しろ、「限られたプールのおカネ」を皆が奪い合うことになるため、投資拡大に制約がかかってしまいます。

 現実には、銀行は「また貸し」をしているのではなく、単に「書くこと」でおカネを発行します論理的には、借り手がいる限り、銀行はおカネを無限に発行できるわけです(現実には銀行準備制度等による何らかの制限はありますが)。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論 始動!】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※6月16日(日)から、中野剛志氏との特別対談コンテンツ【歴史とナショナリズム】をご視聴頂けます。是非、ご入会下さい。
 
 おカネの量がボトルネック(制約条件)にならなかったからこそ、資本主義は発展した。最初に産業革命を成し遂げた国がイギリスであることと、ゴールドスミスモデルがロンドンで発展したことは、決して無関係ではないのです。

 というわけで、MMTを否定する者は「資本主義」を否定しているのも同然です。そして、主流派経済学は存在しない「おカネのプール」の呪縛により、銀行のおカネの発行の仕組みが分からない(だから、無視する)。主流派経済学は「資本主義」をまともに説明できないのです。

 皮肉な話ですが、主流派経済学の後援者である「超富裕層(富裕層、ではない)」たちは、資本主義の仕組みにより「超富裕層」となった人々です。

 MMTと資本主義が密接不可分である以上、超富裕層は「銀行預金の仕組み」一つ説明できない愚かな主流派経済学ではなく、MMTをバックアップするべきです。ところが、現実には超富裕層は「間違った貨幣論(商品貨幣論)」を振りかざす主流派を支援している

 結果的に、「資本主義(投資による経済成長、という意味)」を最も「経世済民」に近づけるMMTが攻撃され続けている。MMTによる国民経済の発展が妨害されると、経済はデフレ化し、国民は貧困化する。

 自分の財産の「目減り」を何よりも恐れる超富裕層は、デフレを好みます。さらに、昨日の池戸先生のチャートの「緊縮保守派」の通り、労働者を貧しくすることで「札束マウント」が取れる。

 わたくしは別に陰謀論的なことを言いたいわけではありません。

 MMT的な信用貨幣論がなければ、資本主義の発展はあり得なかった。そして、資本主義の恩恵で超富裕層になった人々が、MMTではなく「間違った貨幣論」の主流派をバックアップしている状況が、
「面白いなあ」
 と、思っているだけです。

 ちなみに、わたくしが超利己的な人間だったとして、「儲ける仕組み」を思いついたとき、それを一人で独占したいと考えるでしょうね。「超」利己的な人間だった場合。

 もっとも、わたくしは「世界屈指の自然災害大国」に生を受け、このまま日本列島で生き、死ぬでしょう。

 日本がこのまま超格差社会になったとして、大震災が発生し、瓦礫に埋もれて助けを求めるにも関わらず、貧困層から石を投げられる超富裕層にはなりたくはないし、石を投げる側に回るのもごめんです

 まあ、多少の所得格差はあるけど、所得全体のパイ(GDP)が堅調に拡大を続け、みんなが少しずつ、実質的に豊かになっていき、様々な魅力的な製品、サービス、コンテンツが次々に生まれ、先祖から引き継いだ自然環境が守られ、安全で美味しい食べ物を食べ、いざ大規模自然災害が発生した際は(発生します)、互いに助け合う国で生きたい。

 皇統を中心に,健全なナショナリズム(国民意識)が維持される日本国で生きる。

 そのためには、国民の多くがMMTという「現実の貨幣の話」や「資本主義の仕組み」を理解する必要があると思うのです。別に、難しくないのですから。
 
「皇統を中心に健全なナショナリズムが維持される日本国で生きる」に、共感して頂けた方は、↓このリンクをクリックを!
本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページはこちらです。