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【三橋貴明×玉木雄一郎】そう、消費税は消費に対する罰金です!
 
 てかな、玉木代表とわたくしは同い年か! 気が付かなかった。
 
 超人大陸の「「日本の未来を考える勉強会」ーMMTポリティクス〜現代貨幣理論と日本経済〜」で解説していますが、統合政府は、

「政府が中央銀行に短期証券を差し入れ、中央銀行が当座預金(日本なら日銀当座預金)を発行する」

 形でおカネを「あからさま」に発行することができます。明示的な貨幣供給、すなわちOMFです。

 政府はスペンディングファースト(支出が先)が基本ですので、日本にしても普通にOMFをやっています。政府は明示的におカネを発行「できる」のではありません。おカネを発行「している」のです。

 日本銀行は、政府短期証券(財務省証券など)の引き受け(及び日銀当座預金の発行)について、
「日本銀行による公債の引受けは、財政法により原則として禁止されている(財政法第5条2本文)が、政府の一時的な資金需要に対応するために発行される政府短期証券については、当該条項の適用を受けないと解されており、日本銀行法でも、日本銀行が政府短期証券の引受けを行うことができる旨の条項が設けられている(日本銀行法第34条第4号3)。」
 と、説明しています。
 
 政府短期証券と国債と、何が違うのでしょう。よくわかりません。いずれにせよ、政府の借用証書であることに変わりはないのです。

 そして、国債だろうが政府短期証券だろうが、あるいは政府小切手だろうが、統合政府で考えれば「債権者=債務者」となり、相殺でゼロなります。(財政出動すると、日銀当座預金(おカネ)が民間経済に対する統合政府の負債として残りますが)
 
 つまりは、日本政府は国会で予算さえ決めれば、財源だの財政的予算制約だのには縛られず、
「貧困女子、シングルマザー、貧困高齢者、非正規雇用の若者、親の所得が理由で教育を受けられない子供たちを救う」
 こともできるし、
「防災インフラ、交通インフラを整備し、国土を強靭化し、国際リニアコライダーを建設し、科学技術力を強化し、国防力を強化する」
 こともできるのです。
 
 ちなみに、財政的な予算制約がない以上、上記はトレードオフではありません。弱者救済も、安全保障強化も、全部やればいいのです。

 無論、国民経済の供給能力(インフレ率)が制約になりますが、政府が長期的に予算を拡大することを計画化すれば、投資が拡大し、生産性が向上。供給能力は次第に強化されていきます。
 
 これが、経済成長です。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論 始動!】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※6月16日(日)から、中野剛志氏との特別対談コンテンツ【歴史とナショナリズム】をご視聴頂けます。是非、ご入会下さい。
 
『イタリア「第2の通貨」構想 財政難で奇策 事実上の通貨発行にEUは懸念
 イタリアでユーロに次ぐ事実上の「第2の通貨」を発行する構想が浮上している。財政難にあえぐ伊政府が少額債券を発行し、民間企業への未払い金や市民への税還付などにあてる案だ。市中で流通すれば事実上の通貨とみなされ、欧州連合(EU)のルールに反する可能性が高い。イタリアが財政ルールを逸脱しているとして制裁を検討中のEUはユーロの信頼を傷つけかねない事態に懸念を強めている。
 この構想はコンテ政権を支える極右「同盟」の発案で「ミニBOT」と呼ばれる。伊政府が発行する短期財務証券「BOT」のミニチュア版のイメージだ。構想段階のため詳細は不明だが、欧州紙によると、満期はなく利子はない。1~500ユーロの少額債券を発行し、企業や市民に流通した後は納税や決済にも使えるとされ、通貨に近い。(後略)』
 
 そうきたか! という感じです。MMTとは無関係なはずのイタリアが、事実上の自国通貨として政府短期証券で支出をし、流通させる
 
 日本で言えば、財務省証券を日銀に持ち込み、日銀当座預金を発行させ、政府小切手で支出するという面倒なプロセスを省き、財務省証券を「現金紙幣」としてそのまま支払いの手段に使うわけです。

 ポイントは、イタリア政府がミニBOTについて「納税」を認めるという点です。

 となると、MMT式に言えば、強制力を付与された形で、ミニBOTが「通貨」として自国で流通することになります。まさに、OMFです。

 もっとも、既存の通貨であるユーロとの「為替レート」は避けられず、イタリア経済は混乱せざるを得ません。とはいえ、例えばイタリア政府が、
「今後、税金は見にBOTでなければ受け取らない」
 とやった場合、どうなるのでしょうか。イタリア国民は納税義務を果たすために、ミニBOTを使わざるを得ない。
 
 無論、当初は混乱するでしょうが、銀行が「ユーロ⇒ミニBOT」の両替業務を始めれば、次第にイタリアは「独自通貨国」と化していくかもしれません。

 無論、その場合は「ユーロ脱退」ということになるのでしょうが、自国通貨を持たず、MMTの対象外のイタリア国民や政治家は、財政主権も金融主権ない状況で、何とか豊かな経済を実現するべく足掻き続けているわけです。

 そのイタリアよりも政府支出を増やさず、ひたすら小国化路線を突き進んでいる独自通貨国が我が国・・・。
 
【主要先進国の自国通貨建て政府支出の推移(2001年=1)】
 
 グラフを見れば誰にでも理解できるでしょうが、我が国は異常です。異常であることを理解した上で、早期に財政拡大路線に転じない限り、日本国の未来の繁栄はあり得ません。

 というわけで、最近、日本の政治家としては珍しく(この時点で「異常」ですが)「投資の重要性」を訴えている玉木代表と対談したのでございます。皆様、是非、ご視聴下さい。
 

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