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『政府が国債を発行すると家計の預金が増える①』三橋貴明 AJER2019.2.26
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三橋TV第64回【マレーシアの移民と若年層雇用の話】
1.自国通貨を持つ政府は、財政的な予算制約に直面することはない
2.全ての経済(及び政府)は、生産と需要について実物的あるいは環境的な限界がある
3.政府の赤字は、その他の経済主体の黒字
2.全ての経済(及び政府)は、生産と需要について実物的あるいは環境的な限界がある
3.政府の赤字は、その他の経済主体の黒字
上記は、本ブログの読者であれば、
「はあ? 今更、何言っているんだ」
という話でしょう。
「はあ? 今更、何言っているんだ」
という話でしょう。
1は、
「日本円建ての国債しか発行しておらず、自国通貨を持つ日本政府が財政破綻することはない」
という話で、2は、
「政府におカネ的な制約がなかったとしても、供給能力の不足によるインフレ率が限界になる」
と、言い換えることができます。
わたくしは、今の日本政府が20兆円の国債を発行し、財政支出することには賛成しますが、これが「100兆円の新規財政支出」となると、反対します。さすがに供給能力が追い付くはずがなく、インフレ率が適正水準を超えて上昇してしまいます。
100兆円をいきなり追加支出するのではなく、10兆円ずつ「増やす」ことをコミットする方が望ましいです。
10兆円ずつ確実に予算=需要が増えることが明らかならば、民間は技術投資、人材投資、そして設備投資という生産性向上の投資を拡大し、供給能力が拡大していきます。
モノやサービスの生産能力、供給能力こそが「経済力」です。2については、経済力が強化されれば、限界値は上昇します。
「三橋は国債を無限に発行できると言っている」
と、わたくしを批判する連中がいますが、まさに藁人形です。わたくしは「無限に」などと言ったことはありません。毎度毎度「インフレ率が制約になる」と言っておるでしょうが。
そして、3。
誰かの資産は、誰かの負債。誰かの黒字は、誰かの赤字。地球上に住んでいる限り、逃れられない法則です。
この手の「現実」を踏まえた「経済学」が、ようやく登場しました。
『アングル:「財政赤字は悪くない」、大統領選にらみ米国で経済学論争
https://jp.reuters.com/article/usa-economy-mmt-idJPKCN1QO0TS
ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏とローレンス・サマーズ元米財務長官は過去3週間、ツイッターやテレビ、新聞のコラム欄を活用して、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授に反論を重ねてきた。
ケルトン教授は、政府予算や財政赤字は完全雇用やインフレを実現するために積極利用すべしという「現代金融理論(MMT)」の強固な提唱者で、2016年の前回大統領選ではバーニー・サンダース上院議員の顧問を務めた。
ケルトン氏の主張に対し、クルーグマン氏は「支離滅裂」と一蹴し、サマーズ氏はワシントン・ポストのコラムで新たな「ブードゥー経済学(魔術のようで理論的に怪しいとの意味)だ」と批判した。
サマーズ氏はCNBCテレビで「全ての米国人が支持するはずの考えを1つ挙げるなら、それは算術の法則だ」とも発言。これに対してケルトン氏は5日、ツイッターに「この論争では負ける気がしない」と投稿するなど事態は白熱化している。(後略)』
https://jp.reuters.com/article/usa-economy-mmt-idJPKCN1QO0TS
ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏とローレンス・サマーズ元米財務長官は過去3週間、ツイッターやテレビ、新聞のコラム欄を活用して、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授に反論を重ねてきた。
ケルトン教授は、政府予算や財政赤字は完全雇用やインフレを実現するために積極利用すべしという「現代金融理論(MMT)」の強固な提唱者で、2016年の前回大統領選ではバーニー・サンダース上院議員の顧問を務めた。
ケルトン氏の主張に対し、クルーグマン氏は「支離滅裂」と一蹴し、サマーズ氏はワシントン・ポストのコラムで新たな「ブードゥー経済学(魔術のようで理論的に怪しいとの意味)だ」と批判した。
サマーズ氏はCNBCテレビで「全ての米国人が支持するはずの考えを1つ挙げるなら、それは算術の法則だ」とも発言。これに対してケルトン氏は5日、ツイッターに「この論争では負ける気がしない」と投稿するなど事態は白熱化している。(後略)』
MMTは、主流派経済学者から(予想通り)猛反発を受けており、今後も受けるでしょうが、正しいです。
日本銀行が量的緩和で日銀当座預金を増やしたところで、政府が「消費」「投資」を減らす政策を推進している以上、インフレ率が上がるはずがありません。何しろ、我々一般の企業や個人は、日銀当座預金を借りることができないのです。
銀行がおカネを貸すのは、民間の資金需要(借り入れ)と引き換えで、その時点で銀行預金というおカネが「ゼロ」から創出されます。銀行は、日銀なり他の銀行から「資金を調達」しているわけではないのです。
ただ、貸すだけで銀行預金というおカネが発行される。イングランド王国のロンドンのゴールド・スミスの時代から、これは単なる「真実」です。
さらに、マイナス金利で銀行を痛めつけようが、貸し出し、さらには消費や投資が増えるはずがありません。何しろ、デフレで我々民間がカネを借りる気もなければ、投資や消費を増やす気もないのです。
まずは実体経済における需要(消費、投資)、さらには金融経済における資金需要が高まらなければ、貸し出しは増えません。金利も上がりません。インフレにもなりません。
そんなことは「現実」を見れば誰にでも理解できるはずなのに、経済学者は伝統的に間違え続けてきました。
アリストテレス、アダム・スミス、ジョン・ロックと引き継がれてきた「おカネに関する人類の勘違い」が根本にあるわけですが、
(参考図書)「日本人が本当は知らないお金の話」
(参考図書)「富国と強兵」
この「勘違い」が原因で、日本に財政破綻論が蔓延し、見当はずれな「いわゆるリフレ派政策」が推進され、六年間を無駄にし、小国化、中国の属国化が決定的になりつつあるわけですから、洒落になりません。
逆に言えば、MMTの影響などで、「正しいおカネの認識」に基づき、供給能力増強のための投資拡大をすることを考えたとき、実はデフレが継続している日本が最も潜在力があることになります。
しかも、不思議な話ですが、デフレという総需要不足の状況で、人口構造の変化により人手不足が深刻化している。
つまりは、人手不足を解消するために、政府と民間が生産性向上の投資を推進するだけで、我が国は一気に高度成長期と同じ「高圧経済」の状況に至ることになります。
とはいえ、おカネに関する勘違いが続き、「ザイセイハタンだ~っ!」などとやっている限り、我が国は小国一直線です。
おカネに関する正しい認識を広めるためにも、MMTの登場を歓迎したいと思います。
「おカネに関する正しい認識を広めよう!」に、ご賛同下さる方は、
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