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『消された景気後退①』三橋貴明 AJER2019.2.19

https://youtu.be/TDwjw0xpMmw
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【一般参加可能な講演会のお知らせ】

衆議院議員あんどう裕・第一回日本の未来を考えるセミナー

https://www.andouhiroshi.jp/japan-future

2019年3月9日(土) 15:00-

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三橋TV第54回【三橋貴明の言論活動の原点】

https://youtu.be/1V8C_S-q7X0


 マレーシアにいます。
 マレーシア森林研究所を視察し、再生されたジャングルを歩きました。(体重が軽くなったので、異様に楽だった)


【写真】

 

 上空高く伸びる木々が、限られたリソース(太陽)を分け合うために、互いに枝葉がぶつからないように生い茂っている光景を見て、
「植物ですら互いに譲り合い、助け合っているにも関わらず、同族同士で奪い合うグローバリズムを展開している我々は、一体何なんだ・・・
 という感想を抱いたものでございます。


 さて、藤井聡先生。


『【経済インサイド】“反増税”急先鋒が官邸を去った
https://www.sankei.com/premium/news/190215/prm1902150002-n1.html
 年も押し詰まった昨年12月28日、政府が発表した人事が市場関係者に少なからぬ驚きを与えた。同日付で、藤井聡内閣官房参与が退職したのだ。藤井氏は京大大学院教授で、災害などに強い国づくりを進める「国土強靭(きょうじん)化」を担当すると同時に、今年10月に予定される消費税増税に強く反対してきたことで知られる。反増税の急先鋒(せんぽう)が首相周辺から離れたことで、「これまで2度に渡り増税を延期してきた安倍晋三政権も、次の増税は間違いなくやる」との見方が一気に広がった。(中略)
■三度目の正直
 また、藤井氏は消費者の心理にも注目する。今回の税率は「10%」とキリが良い数字のため、消費者は買い物の際、総額でいくら払わなければならないかを簡単に計算できるようになる。消費者に関する心理学によると、税金は分かりやすいほど消費への判断や決定への影響が大きくなることから、「10%」というキリのいい税率なら、消費者は政府の想定より消費を抑えるようになり、経済効果は1兆~2兆円、下押しされるという。
 これらを合わせると国内総生産(GDP)は4兆~6兆円減ることになり、政府の対策だけではとうてい足りないというわけだ。
 しかし、こうした意見を持つ藤井氏が官邸を去ったことで、「政府は現在、打ち出している景気対策とセットで、あくまで増税を進めるだろう」との観測が強まった。』


 先日のエントリー「安倍デフレ(後編) 」で解説しましたが、「安倍デフレ」を引き起こした主犯は明確なわけでございますよ。


 もちろん、消費税増税です。


 特に、


【日本の半期で見た名目賃金・実質賃金の推移(対前年比%)】 

http://mtdata.jp/data_62.html#JMChingin


【日本の実質消費(年平均)の推移(対前年比%)】

http://mtdata.jp/data_62.html#JCheikin


 のグラフを見てなお、「14年の消費税増税は国民を貧困化させていない」と主張する人は、冗談でも何でもなく目玉を取り換えるべきです。

 ちなみに、藤井先生の言う「4兆円~6兆円のGDP縮小」は、あくまで19年10月の消費税増税分のみです。今年は、他にも、
「4月の残業規制開始による所得縮小」
「東京五輪のインフラ整備の終了」
「米中対立(他)を受けた外需の縮小」
 などなど、ネガティブなイベントが目白押しです。と言いますか、すでにして輸出は対前年比でマイナスになっており、18年は3年ぶりの貿易赤字になっています。


 3月には、ブレグジットというイベントもあります。また、数字は例により出鱈目でしょうが、中国経済が「失速」していることだけは、疑いないようです。


 この状況で、本当に消費税増税を強行するつもりなのでしょうか、安倍政権は。少なくとも、現時点では「するつもり」との前提で考え、動かなければなりません


        


 本来、政府が「財政赤字縮小」などというバカげた政策を採りさえしなければ、我が国は普通に名目で(最低でも)5%程度の成長することは可能なのです。根拠は、安倍政権期の資金不足(財政赤字)が、民主党政権(及び麻生政権)期と比べ、年平均で25兆円も縮小していることでございます。


 むしろ、政府がここまで緊縮路線を採っておきながら、よくもまあ、GDP(ほぼ)ゼロ成長「程度」で済んだと、日本経済の強靭さに驚嘆しているところでございます。


 安倍政権が民主党政権期の財政赤字の幅を維持してくれるだけで、日本は毎年、名目GDPが5%超の成長となり、GDPは今頃700兆円に近づいていたでしょう


 そのチャンスを自ら潰し、挙句の果てに消費税増税で国民の所得が落ち込んだ(当たり前)ことを受け、取り繕うために昨日のエントリーにある通り、統計詐欺に手を染め、国民を騙そうとしたのが安倍政権というわけです。

 本当に情けない・・・。


 ところで、メルマガには書きましたが、すでに日本銀行は量的緩和のペースを緩めています。

 月ベースの末日マネタリーベース(MB)残高増加率を各年平均で見ると、13年が3.29%、14年が2.75%、15年が2.19%、16年が1.76%、17年が0.9%、18年が0.4%。


 最近は、MB残高を前月末よりも減らす月が増えて参りました。(つまり、量的緩和を「していない」ということです)


 日本銀行は明らかに量的緩和の「手じまい」に入っていますが、理由はもちろん、
「購入可能な国債が金融市場から消える」
 わたくしが以前から警告していた「日銀のXデイ」が近づいているためです。政府が国債発行の抑制を継続している以上、当然の結果です。


 さすがの日銀も、黒田東彦元・財務官が日銀総裁に就任して以降、すでに370兆円(!)ものMBを増やしたにも関わらず、我が国がデフレから脱却できないとは想像だにしていなかったのでしょう。(わたくし共はしていましたが)


 金融市場の「国債不足」は、量的緩和を縮小してすら、長期金利がマイナスになってしまっている(現時点で▲0.022%)ことからも分かります。


 日本は実体経済において需要不足であり、金融経済において「国債不足」なのです。


 ならば、どうすればいいのか?
 答えはあまりにも明らかでしょ。


 消費税増税は凍結し、「減税」を検討。さらには補正予算を組み、増税中止分をカバーすると同時に、将来にわたる需要拡大をコミットするのです。


 財源は? もちろん、国債発行で良いのです。政府が国債を増発することで初めて、日本銀行の量的緩和政策を担保することができます


 この「当たり前のこと」を推進できる「政治」が日本に必要です。


 もっとも、藤井先生が内閣官房参与の職を辞された以上、安倍政権に期待することは、もうやめました。真っ当な「政治」を、我々自身で取り戻さなければならないのです


 もちろん、安倍政権が心を入れ替え、増税を凍結し、国債増発に乗り出したら、
「やった~! 偉い!」
 というだけの話です。


 あるいは、野党がまともなことを言い出したら、それは普通に評価します。


 とはいえ、「与党も野党も緊縮脳で、このまま緊縮路線を突き進む」可能性が最も高い以上、自分に何ができるのか。日本国の主権者としての「義務」を、我々は思い出さなければならないのです。


 明日は、岩田規久男先生。
 
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