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『適切な料金適切な規制①』三橋貴明 AJER2019.1.1
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改めて、おカネとは債務と債権の記録に過ぎません。つまりは、データあるいは「情報」です。
おカネという「物理的に価値があるモノ」が存在するわけではありません。
「いや、一万円札や五千円札など、現金紙幣というモノがあるじゃないか」
と思われた方がいるかも知れませんが、現金紙幣は「日本銀行の債務、保有者の債権」である1万円、5千円といったデータを紙に書いた代物に過ぎません。
つまりは、借用証書です。紙というモノの価値ではなく、そこに書かれた「日銀の債務」としての情報こそがおカネなのです。
ちなみに、日本政府が発行している硬貨(100円玉など)は確かに誰の負債でもないおカネなのですが、総額も5兆円未満なので、あまりに気にする必要はありません。
さて、おカネが「債務と債権の記録」である以上、
「誰かが借り、誰かが貸す」
という関係が「記録」された瞬間におカネは創出されます。
銀行預金は、「借り手が借り、銀行が貸す」という関係が成立した瞬間に、「通帳に数字が書き込まれる」形でゼロからこの世に誕生するおカネです.
銀行預金というおカネ自体は、もちろん銀行の債務であり、借り手の債権になります。(その裏に、銀行の債権、借り手の債務としての借用証書がある)
銀行は、民間には「ゼロ」からおカネを貸しつけます。つまりは、既存の何らかのおカネを「調達」し、貸し付けているわけではないのです。(これが理解できないと、おカネについて未来永劫分からないままです)
とはいえ、政府の国債発行時に銀行が貸し付けるおカネは、ゼロから創出されたわけではありません。銀行が国債という借用証書と引き換えに、政府に貸し付けるのは日銀当座預金です。
細かいことを書くと、日銀当座預金は銀行にとっては「日銀預け金」という資産であり、政府にとっては「政府預金」という資産になります。同じ日銀当座預金というおカネが、所有者により勘定科目が変ります。
さて、国債を発行し、銀行から日銀当座預金を借りた政府は、そのままでは支出できません。
何しろ、政府が支払う相手である民間(企業や家計)は、日銀に当座預金口座を持っていないのです。銀行口座を持っていない人に、銀行振り込みで支払いができないのと同じですね。
というわけで、政府は「政府小切手」を発行し、民間に支払いをします。支払いを受けた民間(主に企業)は政府小切手を銀行に持ち込み、自分たちが使える銀行預金(※主に)に変えます。
政府小切手を持ち込まれた銀行は、小切手を日銀に持ち込み、日銀当座預金で清算します。
さて、政府から政府小切手という形で支払いを受け、銀行預金に変えた企業は、「銀行預金というおカネ」で給与を含む各種の支払いを行い、あるいは内部留保(現預金)として貯めこみます。
上記のプロセスを「正確に」理解すると、
「政府が国債を発行し、国内で支出をすると、民間(企業、家計)の現預金が増える」
という、極々当たり前の「事実」が理解できるはずです。
【日本の国債・財投債、家計・企業の現預金の推移(億円)】
http://mtdata.jp/data_62.html#JB
※国債・財投債はマイナスでイメージ
図の通り、97年の日本経済デフレ化以降、政府の国債・財投債が増えていく反対側で、企業や家計の現預金も増大していきました。
97年以降の政府の国債発行がなければ、我々民間の企業や家計の現預金はここまで貯まっていませんでした。具体的には、現預金の額が三割小さくなっていたはずなのです。
逆に言えば、政府の国債発行を問題視する人は、少なくとも現代の日本においては「国民はもっと貧乏になるべき」と言っているのも同然なのです。
貧乏というのは、「所得が小さくなる」というフロー面もありますが、「現預金を減らせ」というストック面の意味も持つわけでございます。
『897兆円 2019年度末の国債残高見通し 「借金漬け」財政、常態化
https://mainichi.jp/articles/20190106/ddm/008/020/096000c
国の借金に当たる国債残高が2019年度末に897兆円に達する見通しだ。毎年の予算編成で必要経費を税収だけで賄えず、不足分を新たな国債の発行で補う「借金漬け」の財政運営が常態化しているためだ。
◇社会保障費増と税収低迷で膨張
政府が先月下旬に閣議決定した19年度予算案は一般会計の総額が101・5兆円と当初予算として初めて100兆円の大台を突破した。医療や介護、年金などの社会保障費が増えているのに加え、今年10月に予定する消費税増税後の景気落ち込みに備え2兆円の経済対策を盛り込んだのが要因だ。(後略)』
今の日本政府が税収の不足分を国債発行で賄わない場合、
「国民の所得が、その分減る」
「国民の現預金が、その分増えない」
と、フロー面、ストック面の双方で「国民が貧乏になる」という話になります。それにも関わらず、毎日新聞は「お小遣い脳」で政府の国債発行を批判する。
日本国において、国民を貧乏にする勢力を「国民の敵」として定義すると、まさに毎日新聞は国民の敵なのです。
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