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『アンフェアなグローバリズム①』三橋貴明 AJER2018.9.18
https://youtu.be/_kcwd297zNM
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誰かが「資産(債権、貸し)」を増やしているとき、反対側で必ず誰かが「負債(債務、借り)」を増やしています。何しろ、誰かが借りないと、誰かが貸せないのです。
この理屈が分からないならば、地球上に住まない方がいいと思います。
さて、特定の経済主体が資産を増やした(もしくは負債を減らした)のか、負債を増やしたのか(もしくは資産を減らしたのか)を見る統計を「資金過不足」と呼びます。
資金過不足が「資金過剰」の場合は、資産が増えている(負債が減っている)。「資金不足」の場合は負債が増えている(資産が減っている)というわけです。
基本的に、資本主義国において資金不足に陥るべきは「企業」です。企業が「将来の所得」のために負債を増やし、投資をすることで経済は成長していきます。
というわけで、1980年以降の資金過不足をグラフ化しました。
【日本の非金融法人企業、一般政府、家計、海外の年度別資金過不足(兆円)】
http://mtdata.jp/data_61.html#kabusoku
信じがたいことですが、日本の一般企業(非金融法人企業)は1997年の橋本緊縮財政で日本経済がデフレ化した以降、二十年間「資金過剰」の状況にあります。
つまりは、投資をせずにおカネを貯めこんでいるのです。
第二次安倍政権が発足した以降も、企業は資金過剰を続けています。
しかも、一般政府の資金不足(財政赤字)が安倍政権の緊縮財政により縮小している。
この間、誰が「資金不足」を引き受けてくれたのかといえば、海外です。つまりは、経常収支の黒字です(外国から見ると赤字)。
安倍政権下の「景気回復(してないけど)」とやらが、実は外国「様」頼みであったことが分かります。本当に景気が回復しているならば、一般企業の資金過不足は「不足」にならなければなりません。
もっとも、デフレが続いている以上、企業が資金過剰を続けるのは仕方がない話です。何しろ、資金不足の方向に向かった(=投資を増やした)ところで、儲かりませんので。
というわけで、企業が資金過剰を続ける国では、
「(企業が資金不足になるまで)政府が資金不足、財政赤字を拡大しなければならない」
のです。
こんなことは、子供でも分かる理屈だと思うのですが。
『イタリア政府、成長促進へ財政赤字拡大を検討=ディマイオ副首相
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2018/09/220754.php
イタリアのディマイオ副首相(五つ星運動)は、成長への確かな計画への資金捻出のため財政赤字拡大を検討しているとの見解を示した。
同副首相はラジオインタビューで、政府の優先課題は市場を安心させることではなく国民生活をより良くすることだと述べた。』
な、何てまともな・・・。
しかも嬉しいことに、上記のニュースを「正しいこと」としてツイートする日本の政治家もいるのです。
『あんどう裕(ひろし)衆議院議員認証済みアカウント @andouhiroshi
世界ではこのような考え方も大きな声になりつつあります。財政赤字=国民の黒字。政府の財政赤字を拡大=国民の所得を増やすこと。
裏返せば、財政黒字(プライマリーバランス黒字化)=国民の赤字(貧困化) 。早期のPB黒字化を目指し政府支出を削減すること=国民所得の削減。』
ちなみに、安藤先生以外にも「政府の赤字は国民の黒字、政府の黒字は国民の赤字」という、当たり前すぎるほど当たり前のことを理解している政治家はいます(十年前は皆無だった)。
地球上で、「全員」が同時に貯蓄(資産)を増やすことはできません。なぜならば、誰かの資産が増えたとき、反対側で必ず誰かの負債が増えるためです。
企業までもが資産を増やし、負債=投資を拡大しないような時期には、政府が財政赤字を拡大し、需要を創出しなければならないのです。
しかも、日本はイタリアとは異なり、自国通貨建ての国債しか発行しません(イタリアは共通塚建て)。日本はイタリア以上に「余裕」で成長促進のために財政赤字を拡大できるのです。
それにも関わらず、存在しない「財政問題」とやらに足を縛られ、財政拡大に踏み切れない。こんな国は普通に亡びます。
まさか、こんなことを書く日が来るとは思いませんでしたが、
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