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『アンフェアなグローバリズム①』三橋貴明 AJER2018.9.18
https://youtu.be/_kcwd297zNM
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前回の「地球でただ一つのemperorの国家」で、天皇陛下の英名は「Emperor of Japan」ではなく、「tennoh」にするべきといった、もの知らずな意見を目にしました。
そんなこと言ったら、「アメリカ大統領」は「ミスタープレジデント」と呼ばなきゃいけないですね。何しろ、「daitouryou」などといった英語はありませんので。ミスタープレジデントは、直訳すると男の社長になってしまいますが。「アメリカのミスタープレジデント、男の社長トランプが来日しました」とかやるの?
それぞれの国が、他国の概念に対して、自国の「概念が近い」言葉を当てるのは当たり前です。
そもそも、Emperorはラテン語のインペラトール、つまりは「ローマ軍の司令官」という意味です。それが、時を経るごとに次第に「皇帝」的なニュアンスが加わるようになったのです。中国の皇帝とも、元々は何の関係もありません。中国の「皇帝」の訳として、emperoが最も適しているとされただけです。
しかも、天皇の訳をEmperoにしたのは、別に日本人ではありません。江戸時代に日本のオランダ商館に滞在したドイツ人医師エンゲルベルト・ケンペルが「日本誌」を出版し、その中で天皇をEmperorと訳したことが始まりです。(他に、ニュアンスを伝える言葉がなかったのでしょ)17世紀から、天皇はemperorなのです。
そんなことも知らないで、天皇の訳は「tennoh」にしろとか、少しは「歴史」を学んだ上で書き込んだ方が、無教養をさらけ出さずに済みますよ。
外国において、Emperor と tennoh のどちらが「ニュアンス」が伝わるか、誰にでもわかると思いますが。tennohという単語は、日本人以外は知りません。
さて、天皇陛下、皇后陛下が西日本豪雨災害で大きな被害を受けた岡山県倉敷市をご訪問されました。
『両陛下 岡山・倉敷市を訪問 西日本豪雨で大きな被害
https://mainichi.jp/articles/20180915/k00/00m/040/054000c
天皇、皇后両陛下は14日、西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市を日帰りで訪れ、住民を見舞われた。両陛下は被災状況や現在の生活を聞き取り、天皇陛下は「どうぞ元気に過ごされますよう願っております」と励ました。 (中略)
両陛下は災害対応にあたった消防士や警察官、自衛官の代表とも面会。「行方不明者の捜索はつらいことだったでしょう」「本当にご苦労さまでした」とねぎらいの言葉を掛けていた。(後略) 』
個人的には、陛下が被災地を慰問することについては、あまり賛成できません。理由は、陛下のご職務の中心は「祈ること」であり、さらに、
「陛下は被災地を慰問するもの」
といった、妙な伝統という慣習というか「常識」ができてしまわないか、気になるのです。(すでにできてしまっているように思えますが)
つまりは、今後、次なる自然災害が発生し(間違いなく起きます)、その際に陛下が慰問に行かなかった場合に、「批判される」といった奇妙な事態になりはしないかと懸念しているのです。
少なくとも昭和天皇の時代までは、陛下が被災地を慰問する「伝統」はありませんでした。陛下は、ただ祈られるだけです。
被災地の慰問が始まったのは、今上陛下からです。
それはともかく、陛下が被災者の方々のみならず、「災害対応にあたった消防士や警察官、自衛官」の方々ともお会い頂き、ねぎらいの言葉をかけて下さったことは、大変うれしく存じます。
最近、デフレで貧困化が続き、誰もがすさんでいるためなのか、
「非常事態に自らの身を捨てでも、我々国民を助けてくれる同じ国民」
すなわち、自衛官、警察官、消防官、さらには土木・建設業の方々、緊急物資を運ぶため、夜を徹してハンドルを握る運送業の方々などに対する、国民の「尊敬の念」が薄れてきているように思え、悲しく思います。
といいますか、非常事態の際に彼らが我々を助けてくれるのは、「当たり前の話」じゃないのですよ。同じ国民を救いたいという崇高な心、つまりはナショナリズムを持っているからこそ、彼らは非常事態に身を捨ててまでわたくしたちを助けてくれます。
それにも関わらず、被災地現場の自衛官に心無い言葉を投げつけ、「目に見える場所」で食事することにすらクレームをつけ、
「お前ら、いったい全体、何様のつもりだっ!」
と、心底から叫びたい報道がまま見られます。「お前ら」は、次に自分が被災者になった際に、「彼ら」の力は頼まず、どうぞ自力で生き抜いてくれ。
非常事態の際に、他の国民のために体を張ってくれる人々を尊敬できない国に、未来はありません。
食堂で制服組を見かけたら、「いつもありがとう」と、感謝の意を示すべきなのです。それにも関わらず、何と「クレームを入れる」といった愚かな行動に出る国民がいる。
こんな国は、普通に亡びます。
亡びるのが嫌ならば、「非常事態の際に自分たちを守ってくれる」同じ国民に対し、自然な尊崇の念を抱くべきだと思うのです。
わたくしの言っていること、おかしい?
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