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『生産性を高めるたった一つの方法①』三橋貴明 AJER2018.8.21
https://youtu.be/MUj21sazBvQ
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 安藤裕衆議院議員との対談は、視聴が8月末までとなっておりますので、是非お早めにご覧ください。

〈月刊三橋特別対談〉三橋貴明×安藤裕衆院議員 『経世済民を実現せよ!日本を救う安藤提言』

https://pages.keieikagakupub.com/ma_talk/


 あと、四日ですから、ご留意くださいませ。(本当に9月以降は視聴不可になります)


 97年のアジア通貨危機について誤解している人がまだ多いのですが、当時、韓国はデフォルト(債務不履行)はしていません。


 韓国の外貨建て対外債務は、主に「銀行」という民間企業が借りていたものでした。ウォンが暴落し、韓国政府は外貨準備を取り崩し、通貨防衛に努めましたが、焼け石に水。


 結局、韓国という「国家(※政府ではない)」が対外債務のデフォルトに陥る直前で、日本とIMFが介入し、デフォルトは回避されたのです。


 さらに、ユーロ危機時のアイルランド。


 アイルランドのユーロ建て対外債務も、アイルランド政府ではなく、アイルランド国内の民間銀行の負債でした。アイルランド政府は銀行を救うために巨額の財政赤字を負い、ツケは国民に回されます。


 本来、韓国にしてもアイルランドにしても、対外債務返済不能の責任を負うべきは、銀行の経営者や株主のはずです。とはいえ、現実の世界はそうはなっていないのです。責任を引き受けるのは国家であり、国民になってしまうのです。


 例えば、グローバル株主が某国の銀行に対外債務拡大を煽る。その後、通貨危機になり、対外債務返済不能(デフォルト)に陥ると、ツケは国民にいきます。


 いや、株主も株価暴落で打撃を受けるのでは、と思われたかも知れませんが、デフォルト危機の前に株式を売り払ってしまえば、グローバル株主は何の痛痒もないのです。


 グローバル株主が通貨危機やデフォルトを引き起こしたとしても、株式を売却すれば、何の責任も負わない。責任はその企業が所属する「国家の国民」にいく。グローバリズムの欺瞞の一つです。


トルコ・リラ、急落-休場明けボラティリティー戻る
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-08-27/PE3YU96S972C01
 連休明け27日のトルコ金融市場で通貨リラは下落。トルコ市場は24日まで約1週間休場だったが、この日はボラティリティーが戻っている。
 リラは一時、4.9%安の1ドル=6.2974リラとなった。米時間の取引開始に伴い下げ幅を広げた。
 リラの予想変動率を示す1カ月物のインプライドボラティリティー(IV)は先週低下したが、27日は40%超となっている。
 トルコの経済、金融政策への投資家の疑念に加え、米国人牧師の拘束を巡り米国が制裁を科したため、リラは過去1カ月に急落している。SEBの新興市場チーフストラテジスト、ペル・ハマールンド氏は、アンドルー・ブランソン牧師の釈放が遅れれば米国による追加制裁の可能性が高まり、さらにリラの下押し圧力になると指摘する。
 ブランソン牧師の弁護人はブルームバーグに対し電話で、トルコの憲法裁判所に同牧師の釈放を求めると述べた。』


                  


 ボラタリティが戻るとは、要するに「激しく相場が変動する状況」に戻ってしまったという話です。本日のトルコ・リラ相場も荒れ荒れになるでしょう。


 さて、現在のトルコはトルコリラ急落により、まさにアジア通貨危機時の韓国やユーロ危機時のアイルランドのように、「国内の銀行」のデフォルトのツケを国民、国家が負わされかねない局面にあります。


【トルコの対外債務残高】

出典:トルコ政府


 トルコの対外債務(ドル、ユーロ建てが多い)は、政府部門が1408億ドル、民間部門が3251億ドルとなっています。


 外貨建てであるため、トルコリラが対外貨で価値を下げると、返済負担は高まっていくことになります


 トルコの外貨準備高は、18年6月時点で740億ドル。トルコリラの急落が続くと、トルコ政府は外貨準備を取り崩し、通貨防衛に入るでしょう(外貨準備の外貨で、リラを買う)。外貨準備が尽きると、トルコリラの暴落は止まらなくなり、トルコ政府もしくは民間部門はデフォルト(債務不履行)に追い込まれることになります。


 そして、トルコの「民間部門(ほぼ銀行)」の対外債務返済不能のツケは、トルコ国民が負うことになるわけです。


 トルコの民間部門の対外債務拡大に関与したであろうグローバル投資家たちは、株式を売り抜けさえすれば何の責任を負うこともありません。


 これが、世界の現実です。


 さて、本日、トルコリラを取り上げたのは、「対外債務のデフォルト」に関するグローバリズムの欺瞞を知って欲しかったのに加え、
「トルコは破綻した! 日本も破綻する!」
 といったバカげた主張を封じるためでもあります。トルコが返済不能になりつつあるのは、あくまでドル建て、ユーロ建てであり、トルコリラの為替レート下落により、債務の返済負担が高まっているためなのです。


 日本政府の「日本円建て負債」とは、何の関連性もありません


 政府の負債が100%日本円建ての我が国の政府が「財政破綻」することはあり得ないのです。

「日本政府の財政破綻はあり得ない」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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