国民国家の復活

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『米朝首脳会談の衝撃①』三橋貴明 AJER2018.6.19
https://youtu.be/VjNu25yxZxo
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 さて、移民問題をめぐるEUの亀裂が決定的なものになろうとしています。


「難民受け入れ拒否国には経済制裁を」 スペイン首相とフランス大統領
https://www.sankei.com/world/news/180624/wor1806240010-n1.html
 今月初めに就任したスペインのサンチェス首相は23日、パリでフランスのマクロン大統領と会談した。両首脳は共同記者会見で、移民・難民への対応を巡りブリュッセルで24日に開く欧州連合(EU)の緊急首脳会議を念頭に、EU共通の収容センター創設や、受け入れ拒否国への経済制裁などを提唱した。
 マクロン氏は、移民・難民が到着した国で滞在資格の審査を受けると定めた現行のEU規則に不公平な面があることを認め「収容センターをEUが連帯して運営し、共通基準によって速やかに審査結果を出すべきだ」と述べた。その上で「一部加盟国が連帯を損なうならば、経済的な制裁を科すことも検討すべきだ」と提案した。(後略)』


 また、ドイツのメルケル首相は、ゼーホーファー内相に「月末まで」という猶予をもらい、EUの移民対策をまとめる必要があります

 月内にまとまらない場合、ゼーホーファー内相は他国で審査中の難民申請者の入国拒否を強行する構えを示しています。以前も書きましたが、ゼーホーファー内相の移民対策は「ダブリン協定」に則っており、国際法違反でも何でもありません。


 というわけで、メルケル首相は28、29日に開催されるEU首脳会議の共同声明案に、イタリアなど、EUへの「玄関口」となっている国々に難民を送り返す対策を盛り込もうとしているのです。

 それに対し、イタリアのコンテ首相は激怒(当たり前ですが)。

 共同声明案をお蔵入りにし、新しいイタリアの案を示すと宣言しています。


 とはいえ、共同声明案に難民の送り返しが盛り込まれない場合、ドイツではゼーホーファー内相が独自の「送り返し政策」を強行することになります。すると、メルケル首相が党首を務めるCDUと、ゼーホーファー内相が党首のCSUの亀裂は決定的にならざるを得ません。

 とはいえ、そもそもなゼーホーファー内相がここまでかたくななのかといえば、CSUがバイエルンを地盤とした政党であるためです。バイエルンといえば、オーストリアに対する玄関口となっており、例のメルケル首相の、
「政治難民受け入れに上限はない」
 以降、膨大な難民、移民が流入した州になります。


 バイエルンは今年の10月に地方選挙を控えており、このままではCSUはAfD(ドイツのための選択肢)に敗北しかねない状況なのです。

 というわけで、ゼーホーファー内相は移民・難民に対し、強硬姿勢をとらざるを得ない。それが、メルケル首相(及びEU)の方針とは相いれないと、結構、煮詰まった事態になっているのです。

 
                    


 ところで、冒頭の「難民受け入れ拒否国には経済制裁」に対しては、もちろんイタリアが猛反発しています。


 サルビーニ内相はマクロン氏に対し「傲慢だ」ともう批判。 

 サルビーニ内相によると、過去四年間で65万人がイタリアに到着。43万件の難民・移民申請があり、50億ユーロ(約6400億円)を超えるコストが発生しているとのことです。


「もし傲慢なマクロン氏にはこれが問題でないのであれば、侮辱することをやめ、フランスの港を多く開き、女性や子どもたちを送り返すことをやめることによって寛容さを示すことをお勧めする」
 と、サルビーニ内相はマクロン大統領を皮肉っています。

 改めて考えてみると、難民・移民を多く抱えることにはコストが伴います。具体的には「政府の消費」になりますが、難民・移民の生活費を負担したところで、当座の需要は増えますが、将来的な生産性向上をもたらすわけではありません


 それ以前に、難民・移民が「低賃金労働者」として働き始めると、実質賃金低下という形で国民に「貧困化圧力」がかかります


 逆に、働かないなら働かないで、国民は未来永劫、移民・難民の生活費コストを負担しなければなりません。やがては社会保障にただ乗りされ、かつ外国人犯罪は間違いなく増える。

 さらに、移民・難民に「味方」をする国民も現れ、国家が二分化され、ナショナリズムが破壊されていく。その「コスト」たるや、もはや金額で換算することも不可能です。


 例えば、我が国において、このまま移民政策が推進され、
「中国人が激増し、外国人犯罪が増え、国民の実質賃金が下がり続け、国家が分断され、皇室が廃絶に至った」
 ケースの「コスト」は、おカネに換算できるのでしょうか。できるはずがありません


 これだけ凄まじいリスクがある移民受入について、「受け入れないならば経済制裁」と言われたのでは、サルビーニ内相でなくても怒り心頭に発するでしょう。


 もちろん、政治的迫害を受けている人々、天災からの避難者など、「人道的」に受け入れなければならない難民もいるでしょう。とはいえ、現在のイタリアに入っている人々の多くは、人口爆発の圧力で発生した「経済移民」なのです。


 移民推進派は「寛容」「人権」といった、人々が抗いにくい抽象表現で移民を推進します。

 結果的に、賃金低下、犯罪増加、社会不安激増、街並みの変化、社会保障へのフリーライド、「他国の民」への生活費負担など、様々な「具体的な被害」が発生。結果的に「民主主義」が移民、難民受け入れにノーを突き付けているわけでございます。

 そして、予想はしていましたが、移民問題はついにEUに「分裂」の危機をもたらそうとしています。少なくとも、ハンガリー、ポーランド、オーストリア、そしてイタリアなどの国々は、マクロン式の「寛容政策」には同意しないでしょう。あるいは、メルケル首相が進める「負担を玄関口の国に」も、受け入れられることはありません。


 グローバリストではない「国民」は、結局は「国民国家」でしか生きられない。わたくしたちがEUで目にしているのは、世界で最も進化したグローバリズムの国際協定であるEUが崩れ、国民国家が復活する過程なのだと思います。

 欧州の惨状を見てもなお、「移民受入」に賛成するのですか?


「安倍政権の移民受入政策に反対!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
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