米朝首脳会談を受けて

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チャンネルAJER  更新しました。
『言語と民主主義①』三橋貴明 AJER2018.4.24
https://youtu.be/7l3zThwiv-k
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 米朝首脳会談が終わりました。


 何と、
「アメリカ政府の北朝鮮に対する体制保障」
 と、
「"朝鮮半島"の非核化(具体策なし)」
 の「ディール(取引)」という、信じがたい結末となりました。


 さらに信じがたいのは、トランプ大統領が「在韓米軍の撤収」に言及したことです。


米韓演習の中止や在韓米軍の縮小、撤収に言及したトランプ氏 北の親子3代の念願を実現させるのか
https://www.sankei.com/world/news/180613/wor1806130027-n1.html
 トランプ米大統領は12日、米朝首脳会談後の記者会見で、「朝鮮戦争が間もなく終結するとの期待を持っている」と述べるとともに、米韓合同軍事演習を中止する意向や将来的な在韓米軍の縮小、撤収の可能性にまで言及した。日韓両国が北朝鮮への経済支援の用意があり、米国が支援する必要はないだろうとも述べた。
 金正恩朝鮮労働党委員長は会見に同席せず、署名式で「世界は重大な変化を見ることになる」と話した。
 韓国には現在、約2万8500人の米軍が駐留。朝鮮戦争(1950~53年)の休戦協定締結以降、北朝鮮の軍事脅威への抑止力となってきた。米韓合同軍事演習が果たしてきた抑止的な役割も極めて大きい。(後略)』

                


 なぜか北朝鮮への経済支援を「日本」もやることになっていますが、それ以上に決定的なのは米韓合同軍事演習の中止や在韓米軍の縮小、撤収です。


 以前も書きましたが、北朝鮮ではなく「朝鮮半島の非核化」という話になってしまうと、在韓米軍撤収の主張が正当化されてしまうのです。理由は、在韓米軍はいつでも核兵器を保有でき、かつブッシュ大統領が引き上げるまで、実際に核兵器を保有していたためです。


 トランプ大統領は、
「過去の失敗を繰り返さない」
 と語っていましたが、共同声明を読むかぎり、北朝鮮の「時間稼ぎ作戦」が成功したとしか思えません。


 何しろ、非核化は謳ったものの、具体的な検証には触れず、弾道ミサイル破棄に関する言及もない。もともと、アメリカが求めてきた「完全、かつ検証可能で不可逆的な核放棄」は、どこかに吹き飛んでしまいました。


 一応、対北朝鮮制裁は継続することになっていますが、制裁破りの国が次々に出てくることでしょう。もちろん、中国、ロシアを筆頭に。


 リビア方式でなくとも、せめて国際原子力機関(IAEA)の査察くらいは入ると期待していたのですが、それもなし。


 もちろん、昨日も書いた通り、北朝鮮が査察を受けれたとしても、何しろ「隠蔽」の地形には事欠かない国です。実際に、核放棄をすることはないでしょう。


 とはいえ、それ以前の問題として、査察すら共同声明に盛り込まれないとは


 反対側で、北朝鮮は体制保障を「文書」で獲得


 トランプ大統領は、北朝鮮の「核保有路線」に完全にはまってしまいました。非核化も、拉致問題も、何ら具体的な話はなく、反対側で体制保障だけは取り付けた。


 北朝鮮の「時間稼ぎ戦法」の勝利です。


 北朝鮮はミサイルのエンジン試験場の解体を表明していますが、弾道弾ミサイルはそのまま配備されています。試験場を今更解体したところで、どうでもいい話でしょう。


 結局のところ、
「核ミサイルを配備し、アメリカと対等に(体制保障の)交渉をする」
 という金日成から続いている戦略が、そのまま継続されていると理解するべきです。


 さらに、北朝鮮の二つ目の戦略、
「韓国に親北朝鮮政権を打ち立て、最終的に連邦国家を目指す」
 の方も、着々と進んでいます。韓国の文在寅大統領は、米朝首脳会談の結果を称賛


 「在韓米軍の撤収」までもが話題になったにも関わらず、危機感はゼロです。


 韓国では、早くも開城工業団地の再稼働への期待も起きており、対北経済制裁を韓国自ら破りそうな勢いです。


 今回の米朝首脳会談は、大々的なパラダイムシフトとはなりませんでした。とはいえ、拉致問題は進展せず(「言及」はされましたが)、
「アメリカによる、北朝鮮の核保有国認定」
「南北朝鮮の連邦制による核保有国誕生」
 という、日本にとって「悪夢のシナリオ」にまた一歩近づいたのは確実です。


 結局のところ、「日本の問題は、日本国民が解決する」という意識を持たない限り、我が国は周辺諸国に振り回され、安全保障がひたすら弱体化していく現実は変わらないのです。

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