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チャンネルAJER 更新しました。
『言語と民主主義①』三橋貴明 AJER2018.4.24
https://youtu.be/7l3zThwiv-k
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昨日は、チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。
【Front Japan 桜】生産年齢人口と経済成長 / マクロン大統領の豪州訪問 / 自国内でテロが起きると一般国民はどうなるか~映画『ボストン ストロング』[桜H30/5/7]
https://youtu.be/vNp3XHgw0C0
http://www.nicovideo.jp/watch/so33173078
政府が6月に閣議決定する骨太の方針に「財政赤字対GDP比率3%」という、枠をはめるという報道が流れています。
『財政赤字、GDPの3%以内…政府が新たな目標
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180508-OYT1T50014.html
政府は、2021年度の財政収支の赤字額を名目国内総生産(GDP)の3%以内にすることを新たな財政再建目標として掲げる検討に入った。
目標達成へ向け、高齢化による社会保障費の伸び(自然増)を19年度から21年度まで毎年5000億円程度ずつ、計1・5兆円程度に抑える方向だ。
6月にもまとめる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に盛り込む。
財政収支の赤字額には、過去に発行した国債(借金)の利払い費も含まれている。内閣府によると、18年度の財政赤字額は対GDP比で4・4%程度になる見通しだ。欧州連合(EU)は加盟国に、GDPに対する財政赤字の比率を3%以下にするよう求めており、日本も同水準の目標を掲げることにした。』
財政赤字対GDP比率3%という「枠」は、別に新しい話ではありません。
1997年12月5日。日本の国会は「財政構造改革の推進に関する特別措置法(以下、財政構造改革法)」を可決。法律に基づく、強制的な緊縮財政が始まりました。
財政構造改革法の中に、
「財政赤字対GDP比を、毎年3%未満にする(第四条)」
という条項があったのです。
なぜ、3%なのか。
財政目標を「財政赤字対GDP比を3%以内とする」とは、欧州のマーストリヒト条約と同じです。ちなみに、EU加盟国に財政赤字対GDP比3%以内という目標を強いるマーストリヒト条約が発効したのは、1993年です。
それに対し、日本の「緊縮財政法」たる財政構造改革法の成立は、1997年。要するに、日本の緊縮財政派は、政府に歳出削減を強要する財政構造改革法策定時に、マーストリヒト条約に「倣い」、財政赤字対GDP比3%以内という目標を財政構造改革法に書き込んだのです。
財政構造改革法により、我が国は社会保障費を抑制し、公共投資、教育費、防衛費、食料安全保障費、科学技術振興費、エネルギー対策費、中小企業対策費、各種人件費、地方の補助金と、国家の基幹に関わる分野で悉く「予算削減」が続く事態になってしまいました。結果、日本は小国化し、発展途上国化していっています。
当たり前ですが、財政赤字の対GDP比率は、「環境」によって正しく、間違っています。経済状況、あるいは国家戦略上、財政赤字を対GDP比3%以上にしなければならない時期はあります。
その種の環境を無視し、3%と枠をはめる。相変わらず、安倍政権は、
「何とか、緊縮路線を維持しよう」
としているようにしか見えません。
PB黒字化だろうが、財政赤字対GDP比3%だろうが、国家の予算に枠をはめ、「国民の繁栄のために必須の支出」よりも「財政均衡」を優先しようという、過去二十年の日本を苦しめてきた緊縮路線の継続であるという点には、何ら変わりはありません。
これは推測ですが、PB黒字化に対する批判が高まってきたことを受け、新たな「財政赤字対GDP比率3%」という縛りを提示し、批判をかわしつつ、緊縮財政を推進しようとしているのではないでしょうか。
そもそも、マーストリヒト条約の「対GDP比3%」に、何ら根拠があるわけではありません。
当たり前ですが、日本経済が絶好調で、景気対策が不要で、税金がガバガバ入ってくるような時期であれば、財政赤字は対GDP比3%でも「大きすぎる」でしょう。
逆に、現在のようにデフレが継続し、国民が貧困化していっている状況では、3%だろうが何だろうが、一切の「財政的な枠」は「悪」ということになります。
落ち着いて考えてみれば、誰でもわかるはずです。
例えば、日本が中国、北朝鮮と戦争状態に突入したとき、「財政赤字対GDP比3%」などという枠を守れると思いますか? といいますか、守った場合は戦争に負けるだけの話です。
財政赤字の適正規模は、環境によって変わる。
それにも関わらず、「財政赤字対GDP比3%」などという、根拠なき数字を持ち出し、財政拡大に枠をはめようとする。安倍政権は普通に緊縮政権なのです。
6月に閣議決定される骨太の方針において、PB黒字化や財政赤字対GDP比〇%といった「財政の枠」を排除しない限り、わが国に未来はありません。
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