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『国土経済論(後編)①』三橋貴明 AJER2018.2.27
https://youtu.be/d1Wb6lbcE4I
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 1万8千人を超す死者、行方不明者を出した東日本大震災から、七年が経ちました


『東日本大震災から7年 避難生活、いまも7万3千人
https://www.asahi.com/articles/ASL393FSLL39UTIL00Q.html
 2万2千人以上が犠牲になった東日本大震災から、11日で7年になる。住居や道路、鉄路などまちの形は整備されつつあるが、人々の暮らしやコミュニティーの立て直しは道半ば。東京電力福島第一原発事故の傷痕はなお深く、廃炉作業は緒に就いたばかりだ。
 復興庁によると、被災者のための宅地を造る「高台移転」は90%、災害公営住宅は93%が完成した。国道や鉄道も100%近くが復旧、再開している。防潮堤は計画の92%で着工し、うち半分近くができあがった。今も約7万3千人が避難生活を送っている。(後略)』


 毎年、この日が来るたびに胸を打つのが、我が国が「いかに残酷な国であるか」になります


 東日本大震災が起きたのは、2011年3月11日。その前年、2010年6月に、菅直人政権(当時)は、
「国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス) 
 ・遅くとも2015年度までに赤字対GDP比を2010年度から半減
 ・遅くとも2020年度までに黒字化」
 という、財政健全化目標を閣議決定しました。



 菅政権のPB黒字化目標を、政権交代後の安倍政権も引き継ぎ、我が国のデフレーションが継続しているわけでございます。


                                           


 PB目標がある場合、例えば震災で復興予算が新たに必要になった場合、
「他の予算を削るか、もしくは増税」
 という話になってしまいます。


 実際、日本政府は復興予算が必要ということで「復興増税」を実施。信じがたい話ではありますが、復興税は被災地からも容赦なく徴収されました


 これほど残酷な国を、わたくしは日本以外に知りません。


 大震災が起きたならば、やるべき税制は「減税」です。さらに、復旧・復興の財源のためには、国債を発行すれば済む話です。「国の借金」とやらが増えるのが嫌ならば、日銀が国債を買い取れば、話はおしまいです。


 財政法第5条には、。

「 第5条 すべて,公債の発行については,日本銀行については,日本銀行にこれを引き受けさせ,また,借入金の借入については,日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し,特別の事由がある場合において,国会の議決を経た金額の範囲内では,この限りではない

 と、あります。


 東日本大震災のような自然災害が「特別の事由」に該当しないはずがありません。


 昨日、ご紹介したチャンネル桜「Front Japan 桜」でも解説しましたが、経済力とは「カネ」の話ではありません。特に、震災復興等について考えれば、経済力の意味が理解できます。


 東日本大震災のような大災害が発生したとして、どれだけ「カネ」があったところで、土木・建設業、軍隊(自衛隊)、警察、消防等の供給能力がなければ、国民を助けることはできません。国民を救う、モノ・サービスの供給能力の総計こそが「経済力」なのです。


 後進国は、大震災発生時に国民を救うことはできません。理由はカネがないためではなく、モノやサービスの供給能力が不足しているためです。すなわち、経済力がないためなのです。


 デフレーションは、モノやサービスの需要を縮小することで、虎の子である国家の経済力を毀損していきます。


 このままデフレが継続すると、やがて日本は震災時に国民を救う手立てがない後進国へと落ちぶれることになるでしょう。


 日本が後進国化する理由は、「カネ、カネ、カネ」という国民、政治家、官僚の意識なのです。日本国民の「カネ、カネ、カネ」という思いが、世界屈指の自然災害大国を、震災時の復旧、復興が不可能な後進国へと導くのでございます。


 そして、なぜ日本政府が「カネ、カネ、カネ」となっているのかと言えば、存在しない「財政問題」とやらに足をとられているためです。


 存在しない「国の借金問題」「財政破綻問題」に政策を縛られ、復興もままならない。将来世代に、震災復興が不可能な後進国を引き渡す。


 我々は、罪深い世代です。


 とにもかくにも、「カネ、カネ、カネ」という間違った考え方から脱却しない限り、日本国に未来はない。そして、未来がない国を作り上げるのは、我々であること。


 震災から七年。一人でも多くの方に、上記を理解して欲しいと、切実に願うところです。


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