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『高圧経済①』三橋貴明 AJER2017.12.26

https://youtu.be/HeaDZQ8hpTg
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 11月の実質賃金(速報値)が発表になりました。


11月の実質賃金0.1%増、11カ月ぶり増加 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2544121009012018EAF000/
 厚生労働省が9日発表した2017年11月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、物価上昇分を差し引いた実質賃金は前年同月比で0.1%増加した。増加は11カ月ぶり。物価上昇に賃金増が追いついた。1人当たりの名目賃金にあたる現金給与総額は27万8173円と前年同月比0.9%増加した。(後略)』


 現金給与総額の実質賃金がプラス化したのを見て、
「お、もしかして?」
 と、期待し、わたくしが一番重要視している「きまって支給する給与」の状況を見てみると、大変残念なことに▲0.1%でした


【日本の実質賃金指数の推移(対前年比%)】

http://mtdata.jp/data_58.html#Jchingin11


 きまって支給する給与の実質賃金は、これで16年9月を最後に、14か月間連続でプラス化していないということになります。


 11月の実質消費の方は、+1.7%と久しぶりに高い伸びになっていたため期待していたのですが、賃金の方が追い付いてきていません。


 賃金の伸びが頭打ちである以上、消費の方だけが今後、継続的に伸びていくというのは、普通は考えられません。

  


 ところで、実質賃金とは、「生産性」と「労働分配率」の二つの要因で決定されます。生産性向上や労働分配率上昇をもたらす「環境」が何かといえば、もちろん人手不足です。


 先日、下関で講演をした際に地元の若手経営者の方から質問を受けたのですが、
「東京は景気が良くて人手不足でしょうが、ここ(山口県)は景気が悪いので・・・」
 といった内容だったのですが、とんでもない。2017年7-9月期の都道府県別失業率を、東京圏と中国地方で比較してみましょう。


東京圏:東京都 2.7%、神奈川県 2.8%、千葉県 2.7%、埼玉県 2.7%
中国地方:鳥取県 2.0%、島根県 1.1%(!)、岡山県 2.4%、広島県 2.5%、山口県 2.4%


 上記の通り、失業率を見ると、中国地方の方が東京圏より低いのです。特に、島根県の1.1%は、これはもはや「完全雇用」です。


 下関がある山口県の失業率にしても、東京都よりも低いのでございます。


 ところで、なぜ島根県の失業率がここまで低いのか。簡単です。少子高齢化による生産年齢人口比率の低下に「加え」、島根県は最も若者の人口流出が激しい県であるためです。


 現在の日本は、確かに全体的に人手不足が進んでいますが、総じて「地方の方が東京圏よりも人手不足が深刻化する」という傾向があるのでございます。


 理由は、今でも続く東京一極集中です。ただでさえ若者が少なくなっているところに、東京などの大都市部に人口が流出してしまう。


だからこそ、地方にビジネスチャンスがある
 という結論にならざるを得ません。


 現在の島根県は(山口県も同じですが)、高齢層を中心に「需要」はあるにも関わらず、若者(担い手)がいない。見事なまでの、ビジネスチャンスです。別名、インフレギャップでございますね。


 高齢層を中心とする「需要」に対し、生産性向上のための投資を行い、少ない担い手で「供給」ができるようになれば、企業は儲かるのです。


 同時に、若者が集まり過ぎている東京圏から、働き手を地方に移す「工夫」も必要でしょう。(地方企業が東京圏で求人をやりやすくする、など)


 そもそも、バブル崩壊後の「東京一極集中」は、東京圏の方が地方よりも「雇用」があったからこそ進みました(高度成長期は「所得の差」でしたが)。


 とはいえ、今は地方の方が東京圏よりも人手不足になっています。この現実を理解すると、ビジネスを拡大するチャンス、あるいは所得を拡大するチャンスは、東京圏よりもむしろ「地方」にこそあることが分かるのです。


 今後の日本経済は、「地方」が牽引する可能性が高いのでございます。


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