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『財務省が日本を滅ぼす(その2)①』三橋貴明 AJER2017.11.21
https://youtu.be/UXDrKkdq3yk
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 未だに実質賃金を軽視する人がいるので驚くのですが、実質賃金低下とは、
「国民がモノやサービスを買えなくなっている」
 という意味なのですよ。すなわち「貧困化」です。国民の貧困化を問題視しないとか、わけが分かりません。



 しかも、
「デフレ脱却するときには、実質賃金が低下するものだ」
「景気が良くなる時には、実質賃金が低下するものだ」
 などと、出鱈目を叫び、安倍政権の「失策」を庇おうとする人が少なくないわけですから、情けなくなります。


 国民が貧困化している状況を問題視せずに、一体全体、何を「問題視」すればいいというのですか?


 国民の貧困化以外に「問題視すべきだ!」という指標があるのであれば、教えて欲しいものです。


 日本の実質賃金は、日本がデフレ化した97年から中長期的に落ちていきました。


 過去二十年は、日本国民が貧困化した歴史なのです。デフレの最も罪深い点は、国民の実質賃金が下落し、貧困化していくことです。


【日本の実質賃金指数(長期)の推移】

http://mtdata.jp/data_56.html#chouki


 実質賃金を問題視しない人は、結局のところ国民の貧困化やデフレを「問題視していない」と断言せざるを得ないのです。(要は、安倍政権を庇いたいだけなのでしょうが


 実質賃金は、以下の二つで決定されます。


● 労働者一人当たりの生産性(モノやサービスの生産量)
● 労働分配率


 第二次安倍政権発足後の日本は、企業の所得(粗利益)は増えたものの、労働分配率は高まり、さらに企業が、

フルタイムの団塊の世代の退職後、人手不足をパートタイム、アルバイトの高齢者、女性の雇用でカバーした
 結果、実質賃金の低迷は続きました。


 同時に、より多くの人が雇われることになり、就業者数は増え、
雇用は改善しているように見えるにも関わらず、実質賃金の低迷は終わらない
 という不思議な状況が続きます。


 まあ、新規に雇われた方々がパートタイムやアルバイトでは、「労働者一人当たりの生産性」は自動的に下がりますので、実質賃金が下がって当たり前ですが。


                       


『実質賃金10カ月ぶりプラス 0.2%増、10月速報 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24411130Y7A201C1EAF000/
 厚生労働省が8日発表した10月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で0.2%増加した。プラスになったのは10カ月ぶり。賃金の増加が物価上昇のペースに追いついてきた。1人当たりの名目賃金にあたる現金給与総額は0.6%増の26万8392円だった。』


 上記は「現金給与総額」の実質賃金ですが、きまって支給する給与で見ると、実に14か月ぶりにプラス化しました。


【日本の実質賃金指数(きまって支給する給与、左軸)と対前年比%(右軸)】

http://mtdata.jp/data_58.html#JCOct17


 日本国民の実質賃金は、消費税増税前の2013年と比べて、すでに4%も減ってしまっているのです。



 断言しますが、安倍晋三内閣総理大臣は、日本の憲政史上、最も国民の実質賃金を引き下げた総理大臣です。つまりは、最も国民を貧困化させた総理大臣なのです。


 この現実から目をそらし、実質賃金低下を誤魔化そうとする論客は、今後、二度と経済について語らないでください。


 日本政府が「総需要」の拡大となる財政政策に踏み出せば、企業は生産者を「より高い給与」で雇わざるを得ません。同時に、生産性向上も達成されるため、国民の実質賃金は上昇したはずなのです。


 ところが、安倍政権は財務省の狂ったPB黒字化目標に足を縛られ、まともな財政政策に踏み出せないでいます


 結果、企業は団塊の世代の退職をパートタイム・アルバイトの高齢者、女性でカバーしようとしたため、就業者数の増加と実質賃金の低下が同時に起きている。これが、現在の日本「経済」の現実です。


 経済とは、経世済民、つまりは国民を「豊かに安全に暮らせるようにする」という意味なのです。国民を貧困化させた総理大臣は、経済政策について「失敗」したのです


 それが、単なる真実です。


「政府は実質賃金引き上げの政策に転じよ!」に、ご賛同くださる方は、

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