株式会社経世論研究所
講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッター
はこちら
人気ブログランキング
に参加しています。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『プライマリーバランス黒字化という毒針(前篇)①』三橋貴明 AJER2017.7.18
https://youtu.be/TrM8icaF7DU
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆>
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
中野剛志先生が柴山桂太先生との対談本「グローバリズム その先の悲劇に備えよ 」に関連し、インタビューに答えていらっしゃいます。
「グローバリズム その先の悲劇に備えよ」中野剛志氏
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/209748
チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。
【Front Japan 桜】Democratic rebellion~日本における民衆の反乱 / 2017年後半を見る / 7.15「台湾正名」請願署名活動 in 浅草[桜H29/7/19]
https://youtu.be/AoP2yZGThr0
http://www.nicovideo.jp/watch/1500443634
グローバリズムのトリニティは、緊縮財政、自由貿易、そして規制緩和の政策パッケージになります。
総理の言う「岩盤規制」云々は、もちろん規制緩和政策の一環です。
そもそも規制とは、安全保障の強化、消費者保護、環境保護、業界の維持・発展、サービス品質の確保、文化伝統の維持等、様々な理由から政府が法律として定めた参入障壁になります。
「参入障壁」である以上、規制の中には「一部の国民」あるいはグローバリストが緩和もしくは撤廃を望むケースもあるわけです。すなわち、規制という参入障壁を引き下げることで新規参入を果たし、自らのビジネス、利益と化そうと欲するグローバリストにとって、規制は「ビジネスの邪魔」なのです。
ちなみに、わたくしは「規制緩和イコール悪」などと極論を言いたいわけではありません。日本国民の豊かさと安全、つまりは経世済民のために、規制緩和しなければならない分野もあるでしょう。
問題視しているのは、規制の中には、
「緩和したところで、特定のグローバリストの利益最大化につながるのみで、経世済民には貢献しない」
ケースがあるという現実です。
とはいえ、国民の豊かさや安全に繋がらない規制緩和が、果たして国民の支持を得ることができるでしょうか。国民に情報が共有されている限り、不可能です。自己利益の最大化を追求するグローバリストにとって、民主主義は敵なのです。(そういう意味で、民主主義が存在しない中国は、グローバリストにとって天国です)
というわけで、グローバリストは「民主主義が成立している先進国」において、様々な手練手管を用い、民主主義をパススルーして「自己利益最大化」のための政策(基本は規制緩和)を実現しようとします。
アメリカでは、グローバル企業がロビイストと「カネ」を使い、政治家を動かし、自社に都合がいい法改正を実現しようとします。いわゆる、コーポラティズムですね。
そして、日本では規制改革推進会議、未来投資会議など、国会の審査を経ていない首相の諮問機関に入り込んだ民間人(民間議員ではありません)が勝手に政策を決め、安倍総理が閣議決定し、国会に下されます。日本ではすでに、民主主義が成立していません。
上記、民主主義を無視した安倍政権の規制緩和手法の一つが、まさに国家戦略特区だったのです。
『加計学園 認定2カ月前、山本担当相「四国に新設」
https://mainichi.jp/articles/20170720/k00/00m/040/162000c
獣医師会に 山本氏側「四国で決めたとは言っていない」
安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」が愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画を巡り、国家戦略特区を担当する山本幸三地方創生担当相が、学園が学部開設の事業者に選ばれる2カ月前の昨年11月17日、日本獣医師会役員らに対し、「四国に新設することになった」と伝えていたことが獣医師会側の内部文書で分かった。山本氏は学園を名指しし費用負担についても言及していたとされる。学園を前提に手続きが進められていたことになるが、山本氏側は「四国で決めたとは言っていない」と反論している。 (後略)』
別に、国家戦略特区諮問会議(議長は安倍総理)で認定する前の時点で、山本大臣が「四国に新設」と言ったところで、法的には問題ありません。国家戦略特区とは、「そういう制度」なのです。
チャンネル桜の番組で、浅野さんがいみじくも言っていましたが、国家戦略特区とは「依怙贔屓」の制度でございます。総理と政治的な関係が強ければ、自らに都合がいいように特区において規制緩和を実現できます。
ちなみに、わたくしは「四国に獣医学部を新設することは良いことだ」云々の議論をする気はありません。文部科学省や獣医学会の「キトクケンエキガー」とやらにも興味はありません。
そもそも、国家戦略特区とは「依怙贔屓の制度」であるという事実を書いているだけです。何しろ、
「内閣総理大臣主導で、国の成長戦略を実現するため、大胆な規制改革等を実行するための突破口として、国家戦略特区を創設する(国家戦略特別区域基本方針)」
のが、国家戦略特区なのです。
というわけで、わたくしは総理が「主導」して加計学園の獣医師会新設を決定したとしても、山本大臣が認定二か月前に「四国に新設することになった」と発言していたとしても、何の疑念も抱きません。しつこいですが、国家戦略特区とは「そういう制度」なのでございます。
とはいえ、多くの国民は「納得がいかない」と感じたのでしょう。あるいは「感じる」のでしょう。
だからこそ、山本大臣も「四国で決めたとは言っていない」と、否定せざるを得ないだと思います。
デフレで貧困化が続き、ルサンチマンを貯めこんだ日本国民にとって、特定の誰かが「依怙贔屓」されている現状は、許しがたい話なのです。
グローバリストは、国家戦略特区のような規制緩和を推進する際に、国民のルサンチマンを活用します。だからこそ、今回も「獣医学会という既得権益が~」といった、陳腐な「同じ国民への攻撃」がなされているのでしょう。
とはいえ、国家戦略特区は「依怙贔屓の制度」なのです。ルサンチマンを抱えた国民は、獣医学会のような特定の団体にも怒りを向けるかもしれませんが、同時に「依怙贔屓」を推進した政権にも憎悪を振り向けるのです。
ルサンチマンを活用して構造改革を推進した安倍政権が、国民のルサンチマンにより窮地に追い込まれる。
実に、皮肉な話です。
本ブログで「世の中の流れが見えてくる」と、ご評価下さる方は、↓このリンクをクリックを!
◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページは↓こちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」
は↓こちらです。