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『世界経済の政治的トリレンマ(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.4.25

https://youtu.be/NYGAqqAuDZs   

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 現在の日本国に必要なのは、デフレという「総需要の不足」から脱却するために、政府が財政出動を拡大することです。財源は、普通に国債を発行すればいいのです。


 日本銀行が量的緩和を継続し、10年物国債金利が0.046%に低迷している我が国に、財政主導のボトルネックは「経済的(経世済民的)」にはありません


 デフレとは、モノやサービスという生産された「付加価値」に対し、「消費・投資」として支出が減ることで発生します。すなわち、需要(消費・投資)の不足です。


 なぜ、需要が不足するかと言えば、
●バブル崩壊後に、国民が借金返済と銀行預金を増やし、所得から消費や投資に回されるおカネが減るため
●政府が増税や政府支出削減という緊縮財政をとり、消費や投資の減少に拍車をかけるため
 でございます。


 まさに、日本はバブル崩壊後に橋本龍太郎政権が緊縮財政を強行し、需要が一気に減るデフレーションに突入しました。


 需要が減ると、国民の実質賃金が減ります。実質賃金が減った国民は、消費や投資という需要を減らし、さらなる実質賃金減少を引き起こす。


 上記の悪循環が20年も続いた結果、我が国の実質賃金は、何とピークから15%も減ってしまいました


【日本の実質賃金指数(長期)の推移】

http://mtdata.jp/data_56.html#chouki


 上記、デフレ化の原因を理解すれば、デフレ脱却のためには「誰か」がモノやサービスに対する消費、投資としての支出を増やすしかないことが分かるはずです。小学二年生くらいの知識があれば、理解できると思います。


 とはいえ、デフレ期に民間が消費や投資を率先して増やすことはありません。なぜなら、デフレ期には貯蓄(借金返済や銀行預金)が合理的になってしまうためです。


 我々は、おカネを使わないことが合理的だからこそ、おカネを使わないのです。結果、デフレが続く。


 この状況を打開できる存在は、非合理的におカネを使うことが可能な政府しかありません。ここでいう非合理的とは、「短期的な利益にならなくても、将来のためにおカネを使える」という意味です。


 現在の日本政府に求められるのは、財政出動による需要創出なのです。


 ところが、安倍政権は憲政史上最悪の「緊縮財政政権」として、日本のデフレ脱却を妨げてきました。だからこそ、責められるべきなのです。


 藤井聡先生が、英フィナンシャル・タイムズ紙のアベノミクス批判を取り上げていらっしゃいました。


【英FT紙はなぜ「プライマリーバランス亡国論」を日本に警告するのか?=内閣官房参与 藤井聡】
http://www.mag2.com/p/money/226316


 FTは、アベノミクスについて「財政拡大をやっていない」からこそ批判しているわけです。


『(引用)成功へのすべての障害のうち、最悪だったのは「2014年の5%から8%への消費増税」という「自傷行為」であった。
 本来、理論的にはアベノミクスは「財政政策」を含むものである筈だった。しかし実際には、この財政拡大は2013年における「短期間」でしか推進されなかった。それ以後の4年間は、日本政府は激しい「財政引き締め」を行ったのだ。これはもちろん、物価上昇の重大な障害となった。』


 まさに、その通りで、アベノミクスは本来の「デフレ脱却」とは真逆の緊縮財政を採用したからこそ、責められなければなりません。反・安倍あるいは反・アベノミクスの政治家が現れるならば(現れるべきですが)、安倍政権が緊縮財政を採り、国民の貧困化を継続したことを理由としなければならないのです。


 ところが、現実は・・・・。


自民“反アベノミクス”勉強会 初会合に衆参国会議員約20人が出席
http://www.sankei.com/politics/news/170517/plt1705170010-n1.html
 自民党の「財政・金融・社会保障制度に関する勉強会」(代表発起人・野田毅前党税制調査会長)が16日、国会内で初会合を開いた。今後、アベノミクスの三本の矢である財政、金融、成長戦略の課題について有識者を交えて定期的に議論する。
 同会には呼びかけ人として中谷元・前防衛相や野田聖子元総務会長も参加している。会合には党所属の衆参国会議員約20人が出席した。野田毅氏は会合の冒頭、「少子高齢化が加速する中、財源の裏付けがないまま惰性に流されればあまりにも無責任だ」と述べた。』


 野田毅は、上記の会合において、
財政破綻の足音が聞こえてきており、このまま放置するわけにはいかない。」
 と、語っています。


 頭が相当に悪いのか、幻聴が聞こえるほどに聴覚が劣化してしまったのか、単なる嘘つきなのか。あるいは頭が悪く、視聴機能が劣化した嘘つきなのか


 政府の負債が100%日本円建てで、国債金利が0.04%台の国で、財政破綻の足音が聞こえてくるそうです。とりあえず、権力が大きい政治家からは引退した方が日本国のためだと思います。国民が迷惑します。


 反・アベノミクスの連中(しかも「国会議員」)が、このレベルなのです。


 つまりは、わたくし達は、野田毅に代表される「反・アベノミクス」の財政破綻論者たちを批判しつつ、安倍政権に対し「緊縮財政するな!」と、批判しなければならないわけです。


 厄介な話ですが、これが日本の現実です。


 とりあえず、財政破綻の足音など、全く聞こえてきていません


「財政破綻の足音は聞こえない」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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