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『国民経済は繋がっている①』三橋貴明 AJER2017.1.31(3)
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昨日、三橋経済塾第六期第三回講義にご出席頂いた皆様、お疲れさまでした。
わたくしが「潜在GDP」「潜在成長率」について話した後に、藤井先生が「基礎的財政収支」や「潜在GDPの変更」について語って下さいましたので、つながりがよく、分かりやすかったのではないかと思います。(ちなみに、事前に打ち合わせをしているわけではありません)
インターネット受講の皆様、少々お待ちください。
さて、藤井先生が強調されていた通り、現在の日本をデフレに追い込む最凶最悪の経済指標が、プライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)です。厳密には、PB黒字化目標があるために、デフレ脱却のための財政拡大が封じられ、増税が推進されているのです。
『【藤井聡】「菅直人」政権が導入。日本経済を破壊し続ける「PB黒字化目標」
https://38news.jp/economy/10199
言うまでもありませんが「財政規律」、つまり、政府の支出に関する何らかのルールそのものは、不要なものでもなんでもなく、あって当たり前のものです。政治家が好き勝手に政府のカネを、何の制約もなく自由に使いまくって良い訳はありません。
しかしだからといって、あまりに制約をかけ過ぎるのも問題です。例えば、安倍総理は平成29年3月1日の参議院予算委員会で、次の様に答弁しています。
「来年の予算を半額にしますよといったら、PBは黒字化するんです。
黒字化した瞬間にですね、日本経済は死んだような状況になって、その翌年から悲惨なことがおこっていくわけです。
・・・プライマリーバランスを、いわば無理矢理、人工的にバランス(=PB赤字をゼロにするの意)させたって、これは正に意味がない。
・・・支出を半減すれば一気に大不況になりますから、税収もどんと減ってしまいますから、その翌年から、経済は最悪になるわけでございます。」 ( )内は筆者加筆
https://www.youtube.com/watch?v=TDfaOOz53NI
この話は、財政を絞りすぎれば深刻な事態となる、ということを端的に示しています。(後略)』
誤解している人が少なくないのですが、安倍政権は緊縮政権です。しかも、かつての橋本龍太郎政権を超える「超・緊縮政権」なのです。
以前、資金循環統計から見た政府の資金過不足について解説しました。
資金過不足とは、資金過剰が「資産が増えている」状態で、資金不足が「負債が増えている」状態を意味します。
【日本政府の資金過不足(億円)】
http://mtdata.jp/data_54.html#kabusoku
上図の通り、日本政府の資金不足は、民主党政権期の年40兆円から、15年には20兆円を切るところまで「改善」してしまいました。すなわち、政府が年ベースで20兆円歳出を減らしたか、もしくは歳入を増やしたということになります。いずれにせよ、緊縮財政です。
また、過去の日本のPBをグラフ化すると、以下の通りとなります。
【日本の基礎的財政収支の推移(十億円】
http://mtdata.jp/data_55.html#PB
安倍政権は、14年以降、着実にPBの赤字を縮小しているのです。特に、消費税を増税した14年の赤字縮小幅は対前年比10兆2831億円と、史上最大です。
金額で見る限り、安倍政権は文句なしで「日本史上最悪の緊縮政権」なのでございます。
むしろ、これだけの緊縮の中、よくもまあ、日本経済がギリシャのように「GDP急収縮」の状況にならないなあと、逆に吃驚するほどでございます。
6月に、例により「骨太の方針」がアップデートされます。このとき、政府の財政指標を最凶最悪の経済指標であるPBから、「グローバル基準」である政府の負債対GDP比率の改善に変更できるか、否か。
今後の日本の行く末が、そこにかかっているのです。
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