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『国民経済は繋がっている①』三橋貴明 AJER2017.1.31(3)

https://youtu.be/KARKeRtEL4Q

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 昨日は、長崎県佐世保市で講演をして参りました。

 ご存知の通り、すでに事業化されている長崎新幹線は、九州新幹線の新鳥栖から西に向かい、佐賀、肥前山口、武雄温泉、嬉野温泉と佐賀県内を通り、長崎県の大村、諫早を経由して長崎に至るルートになっています。


 元々は、長崎新幹線は佐世保に近いルートを通るはずでした。それが、諸般の事情により、大村ルートになってしまい、県北の佐世保は取り残された形になってしまいました。


 というわけで、佐世保の皆様は、長崎新幹線にそれほど好意的ではないのですが、それでもあえて、長崎新幹線についてお話いたしました。理由は、長崎新幹線の新鳥栖から武雄温泉までが「いかなる方式」になるかが、日本国の運命を決定的に変えてしまうためです。


 武雄温泉から長崎までのルートは、フル規格の新幹線が建設されています。すなわち、時速200km以上です。

 それに対し、新鳥栖と武雄温泉間がもめていまして、とりあえずは在来線特急を走らせ、武雄で長崎新幹線に対両乗り換えするというバカバカしい話になっています。

 なぜ、新鳥栖、武雄温泉間でフル規格の新幹線の建設ができないのか。

 フリーゲージトレインという「恐怖」の技術を押し込もうとしている連中がいるためです。


『「フリーゲージ」よりフル規格? 建設中の長崎新幹線
http://digital.asahi.com/articles/ASK1N5V6WK1NTIPE038.html?_requesturl=articles%2FASK1N5V6WK1NTIPE038.html&rm=542
 新幹線と在来線を直通できる新車両「フリーゲージトレイン(FGT)」の国の開発計画が難航している。建設中の長崎新幹線のほか、誘致をめざす各地にも影響を与えそうだ。
 九州新幹線の新八代駅に昨年12月、金と赤の流線形の試験車両が姿を見せた。2022年度に開業する予定の長崎新幹線に、国が導入を計画するFGTの走行試験だ。約2年ぶりに再開された。
 FGTは、車輪の幅を伸縮させて、在来線(線路幅1067ミリ)と新幹線(同1435ミリ)を行き来できる軌間可変電車。国は新たな新幹線の建設費を抑えながら、列島の隅々まで新幹線の時短効果を広げられるとうたい、早期の実用化をめざした。(中略)
 今回の走行試験は耐久走行試験の前段階の検証走行で、この夏までに再び耐久走行試験に移れるかどうかを見極める。量産化に向けた車両づくりはその先だ。開発費は膨らみ、すでに約490億円の国費が投じられている。(後略)』


 フリーゲージトレインとは、新幹線の車輪の幅を縮小することで、在来線の線路で新幹線を走行可能にする技術です。


 通常の新幹線に比べ、耐久性が確実に落ちるため、JR九州の青柳俊彦社長は昨年12月の記者会見で、
安全性など運行事業者としてお受けできる状況ではない
 と、新鳥栖-武雄温泉ルートについても、フル規格の新幹線とすることを求めています。それはそうでしょう。

 青柳社長は、
「これまで(耐久性などの向上に)かけてきた対策が不十分なら、FGTの開発はかなり先に延びる。それは適切ではない。安全性についても十分確認できるレベルではない」
 と、フリーゲージトレインの安全性について疑問を呈しています。


 それにも関わらず、長崎新幹線の新鳥栖-武雄温泉では、フル規格新幹線の整備が一向に進みません。理由は、佐賀県が反対しているためです


 佐賀県は、
「将来の佐賀県の基盤づくりに必要な新幹線の整備は、福祉や教育の予算を確保したうえで、投資的な経費の枠の中で計画的に進めています」
 と、予算不足を理由に、フル規格の線路を建設することに反対しているのです。

 が、佐賀県の背後には、もっと厄介な相手がいます。長崎新幹線でフリーゲージトレインを実用化することで、メリットを得る省庁。すなわち、財務省です。


 何しろ、フリーゲージトレインが実現すれば、財務省は今後、フル規格の新幹線に予算を出す必要が無くなります。というわけで、技術的に困難極まりないにも関わらず、財務省はフリーゲージトレインの開発に対してだけは、着実に「予算」を回し続けているのです。


 すなわち、長崎新幹線でフリーゲージトレインが実現してしまうと、我が国の新幹線整備計画は、事実上、終わりを告げることになります。もはや二度と、フル規格の新幹線整備は行われないでしょう。


「フリーゲージトレインにすればいいじゃん」
 という話になってしまいますので。


 というわけで、今後の日本の運命を、佐賀県民の方々が握っているという状況になっています。別に、佐賀県民を批判したいわけではありません。本日のエントリーで書かれた類の情報を、佐賀県民のほとんどが全く知らないでしょう。

 佐賀県民、特に佐賀市の皆さん。皆さんの前には、分岐路があります


 一つ目は、フリーゲージトレインで佐賀区間を整備し、日本の新幹線整備計画を終わらせ、我が国の将来を暗澹たるものにする道


 二つ目は、フル規格の新幹線を整備し、佐賀市を九州北部と経済的に一体化させ、同時に日本の将来を繁栄へと導く道


 どちらを選びますか?


「長崎新幹線は全線をフル規格で!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!    
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