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『国民経済は繋がっている①』三橋貴明 AJER2017.1.31(3)

https://youtu.be/KARKeRtEL4Q

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【お金とは何か?国債が預金を創り出す!】 三橋貴明氏に教わる 第3回
https://youtu.be/foHJVLG0jb0


 明日は文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」の日ですが、三橋はシンガポール出張でお休みです。代わりにご出演頂くのは、藤井聡先生!(実は来週も)


 昨日の、移民政策のトリレンマ、すなわち、
外国移民受入、治安維持、そして国民の自由。この三つを同時に成立させることはできない
 を、藤井先生がフェイスブックで絶賛して下さいました。

 実は、移民政策のトリレンマ、
(1) 外国移民を受け入れ、治安を維持しようとすると、自由を失う
(2) 外国移民を受け入れ、自由を保とうとすると、治安が悪化する
(3) 自由を保ちつつ、治安を維持したいならば、外国移民を受け入れることはできない
 は、以前から温めていたアイデアではなく、単にシンガポールに来て気が付いたのでございます。


 何しろ、シンガポールは(しつこいですが)国民の七割が中華系で、残りはマレー系、インド系、そしてハーフの方々です。そこに、フィリピンやインドネシアなどからメイドさん、現場労働者の方々として移民が流入し、移民人口比率は四割に達しています。


【図 2015年 主要国移民人口比率】

 いやいや、貴方たちは元々は全員が移民でしょ。と、国民国家の代表である日本国の国民としては突っ込んでしまいますが、シンガポールは移民を「国民」とし、マレー連邦から追放される形で独立した国家です。なぜ、マレー連邦がシンガポールを捨てたのかと言えば、まさしく民族が混合したシンガポールと、マレー人優遇政策を採ろうとするマレー連邦との軋轢が激化し、沈静化不可能になってしまったためです。


 すなわち、シンガポールは移民国家故に、民族主義的なマレー連邦から捨てれられたのです。というわけで、リークワンユーの下で独立した時点から、国民は中華系、マレー系、インド系とバラバラでした。


 民族的にバラバラだったシンガポールを、リークワンユーは「事実上の一党独裁(人民行動党)」「言論弾圧」「管理社会」「厳罰主義」によりまとめました。すなわち、シンガポールが、
(1) 外国移民を受け入れ、治安を維持しようとすると、自由を失う
 だったのは、建国当初からなのです。


 シンガポールが日本のように「自由(本当に自由過ぎるほど、自由です、我が国は)」を国民に認めると、治安維持は不可能になってしまいます。シンガポール人は、移民国家の中で安全に生きるために、「自由」の制限を認めた、と表現しても構わないでしょうか。


 それにしても、シンガポールに来ると、昨日も書きましたが、
「インドネシア人労働者が、トラックの荷台に詰め込まれ、運ばれている」
「小柄なフィリピン人メイドさんが、スーパーマーケットでとんでもない量の買い物をして、必死に運んでいる(「主人一家」の食料品でしょう)」
 といった、日本ではあり得ない光景を目にしてしまうため、色々と考えさせられます。日本をこんな国にしてはなりません。


 我が国はメイドではなく、家族が買い物し、現場の労働者の方々が尊敬され、高所得を稼ぎ、家を建てることができる国になる(というか、戻る)べきです。そうすることで、出生率は回復し、人口もそのうち(何十年後かに)戻り始めるでしょう。そのためにも、現場の生産性向上は必須なのです。


 ちなみに、昨日も書きましたが、わたくしはシンガポールを批判したいわけでは全くありません。元々が、中華系を含む多民族国家。さらに「空気以外は全て輸入」。大地も(最近はベトナムだそうです)、木々も、建物も、食料も、水も(水はマレーシア)、人間も、頭脳も、全て元をたどれば輸入。

 しかも、日本を上回る超少子化。シンガポールの場合、移民を定期的に入れなければ、人口の維持は不可能です。


 という特殊なシンガポールと、我が国を比較し、
「シンガポールのように、移民国家でありながら、安全な国があるじゃないか。日本も・・・」
 という、ナイーブ(幼稚)な主張はやめるべきという話です。


 シンガポールは建国時点から移民国家でした。移民国家かつ「安全な国」を実現するために、国民の自由をガチガチに縛ってきたのです。


 日本はどうするんですか。日本で移民の人権や自由を制限するなど不可能でしょうから、普通に、
(2) 外国移民を受け入れ、自由を保とうとすると、治安が悪化する
 の路線にならざるを得ないでしょう。移民政策のトリレンマからは、どの国も逃れられません


 ところで、藤井先生が移民政策のトリレンマについて、


『なお、このトリレンマは、グローバリゼーションパラドクスと関連しているかもしれませんね。
  グローバリゼーション(globalization)という「外国移民受け入れ」
  国家主権(national determination)の帰結としての「治安」
  民主主義(democracy)で選択するという「自由」  )
・・・ということはさておき、こういうアイディアを直ぐに私たちが共有できるのも、日本語で主張されているからですねw』


 と、書いてますが、言われてみると、その通りですね。移民政策のトリレンマは、ダニ ロドリックの「グローバリゼーションのパラドクス」の延長線上の話なのでしょう。(わたくし自身は、特にロドリックを意識していたわけではありません)


 さて、日本がいかなる道を歩むべきかは明らかですね。「安全な日本」「自由な日本」を両立させたいならば、移民受入に反対するしかないのです。

 逆に、移民推進派は、「日本国民の安全の敵」であり、同時に、「日本国民の自由の敵」なのです。


 安倍政権が推進する外国移民政策は、これほどまでに重大な話であるという事実を、是非ともご理解いただき、周りに広めて下さいませ。
 

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