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『国民経済は繋がっている①』三橋貴明 AJER2017.1.31(3)

https://youtu.be/KARKeRtEL4Q

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 「日中韓政治経済戦争 」にインタビュー記事「"グローバリズム=善"という時代は終わった!」が掲載されました。


 本日はチャンネル桜「Front Japan 桜」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651


 シムズ教授が日本のプライマリーバランス(基礎的財政収支)目標の年限撤廃を提言しました。


日本に必要なのは財政拡大、基礎的収支の目標年限撤廃を=シムズ教授
http://jp.reuters.com/article/japan-economy-profsims-idJPKBN15G3KM
 ノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のクリストファー・シムズ教授は1日、日本経済研究センターで講演し、プラスの物価上昇を実現するには現在の財政赤字を拡大することが役立つとの「物価水準の財政理論」を前提に、将来不安により支出が萎縮している日本で必要なのは継続的な財政拡大とインフレ実現への政治的コミットだと指摘した。基礎的財政収支(プライマリーバランス:PB)黒字化に固執するとデフレから脱却できないとした。
――関連インタビュー:消費増税、物価目標達成後が望ましい=シムズ教授
 現在安倍政権は、PB黒字化を2020年度に達成するという期限を決めているが、同教授はそれは誤りだとみている。(後略)』



 基礎的財政収支とは、本来は「財政健全化」の一手法に過ぎません。ここでいう「財政健全化」とは、政府の負債対GDP比率が下がることであって、政府の負債の削減ではありません

 政府の負債対GDP比率の決定要因は、以下の三つになります。


(1) 名目GDP成長率
(2) 国債金利
(3) 基礎的財政収支(以下、PB)

 PBは、国債費を除く歳出と、税収(及び税外収入)の収支です。つまりは、政府の支出をどれだけ税収で賄えているのかを意味する指標になります。


 PBが赤字化しているとは、分かりやすく書くと「政府の負債が増えている」という話になります。

 とはいえ、上記を見ればわかりますが、PBが赤字化したとしても、政府の負債対GDP比率が上がるとは限りません。名目GDPの成長率が十分であり、国債金利が低ければ、PBが赤字であろうとも政府の負債対GDP比率は下がります。


 すなわち、財政が健全化するのです。

 逆に、PB目標にこだわると、「政府の税収を無理やり増やす。政府の支出を無理やり削る」というスタイルになってしまいます。すなわち、14年4月の消費税増税以降、安倍政権が採用してきた緊縮財政路線です。


 デフレの国が緊縮財政を推進すると、当たり前ですがデフレ深刻化です。名目GDPが伸びなくなり、つまりは国民が貧困化していきます。

 ちなみに、ギリシャはユーロ危機の後、「狂気」と表現したくなる緊縮財政を実施し、15年にはPBが黒字化しました。同時に、名目GDPが08年比で30%近くも縮小してしまったのです


 日本でPBを「言い出した」のは、竹中平蔵経済財政担当大臣(2001年当時)です。竹中氏がPB目標を「骨太方針2001」に導入し、
「平成14 年度において、財政健全化の第一歩として、国債発行を30 兆円以下に抑制することを目標とする。その後、プライマリーバランスを黒字にすることを目標として政策運営を行う。」
 との表現で、PB黒字化目標が掲げられました。

 竹中氏は、なぜPB黒字化目標などという、デフレ深刻化間違いなしの目標を言い出したのでしょうか。日本のデフレを長期化させるため、以外の理由を思いつけません。


 のちに、2010年に菅直人政権が2020年までのPB黒字化目標を閣議決定。安倍政権は、菅政権のPB目標をそのまま引き継ぎ、各種の緊縮財政が実施され、物価がマイナスに逆戻りしてしまったのです。


 日本のデフレという闇を吹き払うためにも、PB目標の「破棄」が必要です。「年限撤廃」では不十分で、「破棄」が必要です。

 そもそも、PBが「財政健全化」の一決定要因に過ぎないという事実を理解すれば、PB目標がいかにナンセンスであるか、同時に日本のデフレ脱却の重しになっているかが、誰でも理解できるはずです。


「政府はPB目標を破棄せよ!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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