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『企業の基盤①』三橋貴明 AJER2017.1.24
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月刊WiLL (ウィル) 2017年 3月号 に連載「反撃の経済学 国債に関する社会的な誤解」が掲載されました。
月刊WiLL (ウィル) 2017年 3月号
にインタビュー記事「2017年=日本の分岐点 トランプ革命は日本の勝利」が掲載されました。
韓国大崩壊 (別冊宝島)
に、「韓国の実体経済と今後の展望 どうなる!?韓国経済2017」が掲載されました。
かつての経済成長の司令塔、経済企画庁。現在の内閣府ですが、すでに財務省に人事を支配されている状況にあります。すなわち、財政均衡主義者の巣窟です。
『基礎的財政収支8兆円超に悪化 内閣府試算
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170125/k10010852751000.html
内閣府は財政健全化の目標として黒字化を掲げている「基礎的財政収支」について、2020年度時点の赤字がこれまでより2兆円以上拡大し、8兆3000億円程度に膨らむという試算をまとめました。
政府は、2020年度までに国と地方を合わせた「基礎的財政収支」を黒字化させて、社会保障や公共事業など政策の実行に必要な費用は、国債の発行に頼らずに税収などですべて賄えるようにする目標を掲げています。
これについて、内閣府が新年度予算案を反映させて改めて試算した結果、今後、名目で3%程度の高い経済成長が続くことを前提にしても、2020年度の「基礎的財政収支」は8兆3000億円程度の赤字が見込まれるとしています。去年7月時点の試算では5兆5000億円程度の赤字でしたが、今年度の第3次補正予算案で税収の見込みを大きく引き下げた影響で、赤字額が2兆円以上拡大することになりました。(後略)』
日本銀行が猛烈な勢いで国債を買い取り、実質的に政府の負債を減らしており、さらに「デフレーション」という財政「赤字」が必要な時期に、何を言っているのだという話ですが、国民経済に関する知識がない国民は、
「ええっ! 財政赤字が8兆円!」
という見出し「だけ」で煽られ、恐怖プロパガンダに騙されることになります。
内閣府の試算は、細かく見ていくと突っ込みどころだらけになっています。例えば、2020年度の税収は、これまでの想定からなぜか1.1兆円引き下げました。
さらに、2015年度の財政収支について、4.5%の赤字と想定しているのです。実際には、3.3%でした。しかもこれは内閣府が管轄している国民経済計算の確報値として公表されている数字であるにも関わらず、なぜか財政赤字幅が大きい想定になっています。
また、2016年度の財政赤字の想定も5.2%と、 現実の数字(2015年と同水準)よりも悪い前提条件で試算されているのです。
と言いますか、現在の日本は民間企業の資金過不足が過剰(貯蓄増)になっており、政府は財政赤字を「増やさなければならない」局面です。むしろ、内閣府の想定の通り、2015年度、2016年度の財政赤字が大きいならば、デフレ状況は改善されているはずなのです。
整理すると、
(1) 日本政府は財政赤字を拡大するべき局面であるにも関わらず、財政赤字幅を縮小し、デフレを促進している
(2) 内閣府は現実とは異なる2015年度、2016年度の財政赤字「拡大」を想定し、国民に恐怖プロパガンダを仕掛けている
という話で、もはや何を突っ込めばいいのかわからないほどに、話が混乱してしまっているのです。
ちなみに、1月26日の日本経済新聞の記事「かすむ基礎収支黒字化 」において、日本経済のデフレ化の元凶一人、ザ・財務省の御用学者ともいうべき吉川洋大先生(立正大教授)は、
「『財政健全化の歩みを着実に進めることが大切だ。もちろん、2度も延期した消費増税は、19年10月に必ず10%に引き上げるべきだ。消費増税によって将来の社会保障への不安が薄らぐ効果が期待できる。
デフレから脱却するには、政府が財政赤字にこだわらず財政支出を拡大するというシムズ理論の議論が盛んだ。私に言わせれば、(リフレ派などから)積極財政論が次々と出てきている印象だが、よく理解できない。有効求人倍率が全都道府県で1倍を超え、失業率も低水準にある完全雇用状態なのに、財政を拡大するという議論はおかしい。」
と、語っていらっしゃいます。
まさに、財政健全化至上主義。14年4月の消費税増税により、「将来の社会保障への不安が薄らぐ効果」など全く生まれなかったという現実から目をそらし、完全雇用の失業率(実際は2.3%程度)についても平気で出鱈目を語り、財政赤字拡大を止めようとする。
そもそも、本当に日本が完全雇用に至っているならば、なぜインフレ率がマイナスなのでしょう。なぜ、実質賃金が下がり続けるのでしょう。
有効求人倍率が上昇し、失業率が下がっているのは、単に人口構造の変化(生産年齢人口比率の低下)によるものであるにも関わらず、
「もう完全雇用だから、財政赤字拡大はダメ」
とやってくる。
吉川洋に代表される御用学者たちが間違った情報を拡散し、国民が恐怖プロパガンダに騙され、財政赤字拡大が不可能になる。アメリカでトランプ政権が誕生しようとも、日本は相変わらずです。
最近のメディアの報道を見ていると、周回遅れの日本国において、学者や政治家が「グローバル!グローバル!」「財政健全化!財政健全化!」と叫び続け、世界の負け組となる未来しか想像できないのです。
まあ、それでもできる限り足掻いてみますが。
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