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『文明とアメリカ①』三橋貴明 AJER2016.12.20

https://youtu.be/eenbzoqxyd0

   

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 WiLL2017年2月号  に、連載「反撃の経済学 ストックホルム症候群」が掲載されました。


 結局、2016年は少なくとも11月までは、国民の実質消費が(事実上)減り続けた一年となりました


実質消費支出1.5%減 野菜など高騰で買い控え  11月
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL27H62_X21C16A2000000/
 総務省が27日発表した11月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は1世帯あたり27万848円で、物価変動を除いた実質で前年同月比1.5%減少した。9カ月連続で前年実績を下回った。QUICKが事前にまとめた市場予想は0.2%増だった。生鮮野菜や魚介類の価格が高騰し、買い控えの動きが広がった。日曜日が前年比で1日少なく、外食などへの支出も低迷した。季節調整して前月と比べると0.6%減少した。(後略) 』


 日本の実質消費の対前年比%をグラフ化しました。


【日本の実質消費(二人以上の世帯)の推移(対前年比%)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_54.html#RC1611

※2016年2月は「うるう年」分を控除


 うるう年分を除くと、何と15か月連続で実質消費の対前年比減少です。


 実質消費が減り続けるとは、ある意味で実質賃金の減少よりも深刻です。理由は、実質消費の減少が続くとは、、
パンを買う個数が減り続ける
 ことを意味するためです。


 昨年パンを100個変えていたのが、今年は99個になってしまった。と書くと、事態の悲惨さが分かるでしょうか。日本国民は、次第にパンを買えなくなっていっているのです。


 しかも、14年11月の実質消費は対前年比▲2.5%、15年11月が▲2.9%、そして16年11月が▲1.5%なので、「昨年の反動」とやらではありません。


 2013年11月の実質消費を100とすると、2016年11月は(信じがたいでしょうが)92.4です。我々日本国民は、13年11月と比較し、パンを7.6個買えなくなった、と表現することができます。


 貧困化です。


 安倍総理大臣は、12月26日に記者団に対し、
「政権を奪還した時に約束した日本の経済を成長させていくということは、デフレではないという状況を作り出し、雇用の状況をよくし、景気回復することはできていると思う」
 と語りました。


 国民が100個パンを買えていたのを、四年近くも政権を担当し、92.4個に減らしてしまい、「デフレではないという状況を作り出し」などと、よくも言えたものです


 そもそも、GDPデフレータも、コアCPIも共に「マイナス」の状況で、「デフレではない状況」とは、一体、どこの異世界の日本国の話をしているのでしょうか


 デフレには様々な問題があります。


 例えば、供給過剰により、モノやサービスの生産能力が毀損されること。すなわち、経済力が落ち込み、最終的に発展途上国化すること。


 あるいは、名目GDPが伸びず、赤字国債発行により、政府の負債対GDP比率が上昇すること。


 政府の負債対GDP比率上昇を受け、緊縮財政派が力を持ち、将来のための投資(公共投資など)がなおざりにされること。


 あるいは、貧困化した国民がルサンチマンを貯めこみ、他者(「既得権益が~っ」等)を攻撃する政治スタイルが力を持ってしまうこと。


 あるいは、名目GDPが増えないため、安全保障関連にお金を使えず、防衛、防災、防犯等の安全保障が弱体化すること。


 さらには、実質賃金が下がり、国民がモノやサービスを買えなくなり、実質消費が減り、貧困化が続くこともまた、デフレの問題の一つなのです


 目の前で、国民が実質消費を減らし続けているにも関わらず、「デフレではないという状況を作り出し」などと言ってのける、この種の詭弁


 2016年は、「デフレは貨幣現象」「マネタリーベースを増やせば、デフレは脱却できる」と言った詭弁が敗北した年となりました


 2017年は、政府が「デフレではないという状況を作り出し」といった詭弁を吐くのを国民が許さず、正しいデフレ対策が打たれる年となるよう、一日本国民として願ってやみません。


「安倍政権は『デフレではない状況』といった詭弁を止めろ!」に、ご賛同下さる方は

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