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『改めてデフレを知ろう①』三橋貴明 AJER2016.11.29

https://youtu.be/yJCBGtoreh4

    

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 TPPの顛末については、佐藤健志さんが11月26日のブログ「安倍総理の正しい自己認識 」で書かれた、


わが国の政府は
外圧としてやってきたTPPを
いつの間にか自分たちが積極的に推進しているかのごとく錯覚し、
それが外圧によってつぶれたことに狼狽しているありさま。』


 という表現が、最も的確であると思います。


TPP国会承認、関連法も成立 発効は見通せず
http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS09H4H_Z01C16A2MM8000/?n_cid=SPTMG002
 環太平洋経済連携協定(TPP)と関連法が9日の参院本会議で、自民、公明両党や日本維新の会などの賛成多数で可決され、承認、成立した。米国はトランプ次期大統領が離脱方針を示しており、発効はなお見通せない。安倍晋三首相は早期批准を引き続き米国に働きかける方針だ。(後略)』


 ストックホルム症候群とは、
「誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者が、犯人と長時間過ごすことで、犯人に対して過度の同情や好意等を抱くこと」
 という定義になります。

 そもそも自民党の議員たちは忘れてしまったのかも知れませんが、菅直人政権がTPPを言い出した際に、貴方たちは猛烈に反対したのですよ。


 以前も取り上げましたが、例えばニュージーランドで和服でTPPの署名式に臨んだ高鳥修一副大臣(当時)は、2011年5月11日の自身のブログ「TPPについて(平成の売国) 」において、
私はTPPについて国家主権の放棄であり、平成の「開国」どころか平成の「売国」だと考えている。政治家の中にもいろんな考えや判断があるけれど、TPP問題は日本を守る断固とした決意のある「保守政治家」か否かのリトマス試験紙みたいなものだ」
 と書いています。


 まさに、TPPは国家主権の放棄です。厳密には「大々的な国家主権の放棄」ですが、国民が主権を喪失するからこそ、日本はTPPに参加してはならなかったのです。


 2011年の高鳥議員の指摘は、実に明快で、いわゆる「保守政治家」としても立派な考え方です。まあ、リトマス試験紙は、今の高鳥議員を「保守政治家ではない」と認定すると思いますが。

 論点は、「TPPで主権を失うのか、そうではないのか?」であり、他にはありません。主権を失うと考えるのであれば、TPPの中身がどうであれ、五原則を守ったどうのこうのとは無関係に、反対しなければならないのです。


 ところが、与党に復帰した自民党は、「大々的な国家主権の放棄」であるTPPを推進し、いつの間にかTPPに「過度な好意」を抱くようになってしまいました。理由は、自分たちが「間違った政策を推進している」あるいは「国家の主権を放棄する政策を推進している」ことを、認めたくないためです。


 安倍政権がTPP交渉に参加して以降、自民党の政治家たちはTPPについて情けないほどに「言い訳」ばかりを口にし始めました。いわゆる、認 知 的 不 協 和ですね


 最終的には、外圧としてやってきたTPPを愛してしまい、犯人(アメリカ)に対して、
なぜなの!? 私を愛してくれていたのではないの!?
 と、狼狽して叫ぶ結末になってしまいました。


 真面目な話を書いておくと、TPPを批准した以上、トランプが望む二か国間協議では、「TPPが最低の譲歩ライン」になってしまいます。それはそうでしょ。


 アメリカからしてみれば、
「おたくはTPPの条件を批准したじゃないか。ならば、とりあえずTPPの線までは譲ってもらうとして、そこからどれだけ譲歩できるんだ?
 という話になり、有利な交渉を進めることができます。といいますか、日本側が「有利な対米交渉」などできるはずがないのですが。


 安倍政権は発効しないTPPを批准することで、日本の国益を大いに損なってしまいました。ストックホルムの犯人は、被害者を愛していなかったという事実を認めることができずに。


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